ハムレット・ゴーズ・ビジネスの紹介:1987年フィンランド映画。ウィリアム・シェイクスピアの戯曲『ハムレット』を基に、会社の経営を巡って起こる争いを描いたコメディ&サスペンス。大企業の社長が毒殺され、その息子ハムレットは犯人である叔父クラウスと対立することになる。クラウスはハムレットを骨抜きにするため、副社長ポロニウスの娘オフェリアを使って誘惑させることにした。2人の間にはやがて本当の恋が芽生えるが、醜い人間模様の渦中で悲劇的な結末を迎えてしまう。
監督:アキ・カウリスマキ 出演者:ピルッカ=ペッカ・ペテリウス(ハムレット)、カティ・オウティネン(オフェリア)、エリナ・サロ(ガートルード)、エスコ・サルミネン(クラウス)、エスコ・ニッカリ(ポロニウス)ほか
映画「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハムレット・ゴーズ・ビジネスの予告編 動画
映画「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」解説
この解説記事には映画「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハムレットゴーズビジネスのネタバレあらすじ:毒殺事件
舞台は1980年代のフィンランド。ある夜、大企業の社長が毒殺され、その息子ハムレットが遺体を発見しました。犯人は会社の乗っ取りを企む叔父クラウスです。しかしハムレットは動揺するでもなく、毒が入っていたグラスを丁寧に拭き取りました。
会社の株の51%はハムレットが相続することになります。彼は役員からも見くびられているので、小遣いと縁談さえあれば丸め込めると思われていました。そのために差し向けられたのが、副社長ポロニウスの娘オフェリアです。
狙い通りハムレットはオフェリアに夢中になりますが、彼女は決して体を許そうとはしませんでした。その上、母ガートルードがクラウスと再婚し、ハムレットは苛立ちに震えます。2人は以前から不倫関係にありました。その頃から父の亡霊が現れると噂になり、ハムレットの前にも現れます。亡霊は自分が毒殺されたこと、そして敵を討てと言いました。
一方、目論見通り社長の椅子を簒奪したクラウスは、部下をオスロの観光船業主ワレンベルグのもとへ派遣します。クラウスが造船所と製材所を手放せば、カリブ海の観光船業はワレンベルグの独占市場になります。その見返りとしてスウェーデンのトラック工場の相当量の株を手にし、会社の経営を立て直すつもりでした。
クラウスとポロニウスは、ハムレットがオフェリアに夢中になっているものと考え警戒もしていません。しかしハムレットは2人の会話をしっかり盗聴していました。
ハムレットゴーズビジネスのネタバレあらすじ:ハムレットの計画
オフェリアの双子の兄ラウリは、妹のことを案じていました。女たらしのハムレットと結婚しても幸せになれないと考えていたからです。そこでオフェリアに近づかないようハムレットに直談判しますが、激怒した彼に追い出されてしまいました。その扱いにショックを受けたラウリはポロニウスに相談し、1年間ストックホルムで勉強するため休暇を得ることにします。
オフェリアはハムレットの本気の愛を感じ、政略的に近づいていることに罪悪感を覚え始めていました。ポロニウスは結婚に漕ぎ着けるまで誘惑し続けろと指示します。
ハムレットはクラウスから会社を奪い返すため、体調不良を装ってある計画を進めることにしました。それを運転手のシモにだけ話します。ハムレットは子どもの頃から一緒のシモに対し、一方的な友情を抱いていました。
役員会議が始まり、クラウスはワレンベルグとの取引を明らかにします。それに待ったをかけたのはハムレットでした。彼は自分が51%の株を保有していることを盾に、ワレンベルグとの取引を即時中止しろと命令します。
クラウスとポロニウスは、ハムレットを邪魔に思い殺害を企て始めます。しかし親子が立て続いて死亡しては警察に怪しまれるので、少し様子を見ることにしました。
ハムレットゴーズビジネスのネタバレあらすじ:壊れていく人間関係
ハムレットはオフェリアとの関係に進展がないことに苛立っていました。シモとその恋人ヘレナのキスを目撃した彼は、ヘレナに無理やりキスをします。反省すらしないハムレットを、シモは無言で睨みつけました。
父の死から4ヶ月。ハムレットは体調不良で心配をかけた詫びとして、クラウスとガートルードを舞台に誘います。しかしそれはハムレットが役者を買収した舞台でした。父の毒殺シーンを演じさせた上、客席のクラウス達をライトで照らすよう指示します。
何も知らないガートルードは困惑しますが、クラウスは急いで席を立ちました。ハムレットの行いに心を痛めたガートルードは、自室に息子を呼び出します。ハムレットはクラウスを殺害すると宣言しました。するとクローゼットから物音がします。クラウスだと思い込んだハムレットは、守衛から盗んでおいた銃を発砲しました。
ところが、中に潜んでいたのはポロニウスでした。彼の死で警察の捜査が始まり、ハムレットはほとぼりが冷めるまでロンドンに身を潜めることになります。それを知ったオフェリアはハムレットを訪ね、まだ結婚の意志はあるかと聞きました。
ハムレットは彼女を愛していましたが、ポロニウスを殺害した負い目がありもう愛していないと嘘をつきます。ハムレットを愛するようになっていたオフェリアは絶望し、薬を大量に飲んで風呂場で自殺してしまいました。
ハムレットゴーズビジネスのネタバレあらすじ:死の連鎖
ハムレットは、ロンドン行きが自分を殺害しようとするクラウスの罠だと気付き、すぐに会社に戻りました。そしてオフェリアの死を知りショックを受けます。彼女の死に絶望したのは、ポロニウスの訃報を聞き戻っていたラウリも同じでした。
ポロニウスを殺害し、オフェリアを追い詰めたのはハムレットだと囁くクラウス。ラウリはハムレットに復讐することを誓います。ハムレットの帰還を知ったクラウスは、彼を毒殺することにしました。ハムレットが食べる鶏肉に毒を注入し、メイドのヘレナに持って行かせます。しかし何も知らないガートルードが肉を食べてしまい、ショック死を遂げてしまいました。
知らせを聞いたハムレットは嘆き悲しみます。クラウスはラウリと共謀し、オフィスでハムレットを殺害することにしました。呼び出されたハムレットは2人を返り討ちにし、警察には2人が争って死亡したと嘘の通報をしておきます。
ハムレットゴーズビジネスの結末:事件の真相
事件が相次いだ会社からは皆去っていきました。ハムレットの他に残っているのはシモとヘレナだけです。ハムレットはシモをオフィスに呼び出し、ワレンベルグに丸ごと身売りすると告げました。しかしその契約書にサインする前に、どうしても父の死の真相を話したいと言い出します。
実は父を殺したのはハムレットでした。クラウスは少しずつ毒を盛って、ゆっくり殺そうとしていました。父とそりが合わなかったハムレットはそれを知っていて放置していたのです。しかしなかなか死なない父に業を煮やしたハムレットは、毒を強力なものにすり替えておきました。
話を聞いたシモは酒を用意しながら、ポケットの毒薬を密かに取り出します。彼は造船所を守りたいと願っていたので、身売りには反対でした。毒入りの酒を呷ったハムレットは死亡。シモは契約書を破き、それをヘレナが掃除機で吸い込みます。シモとヘレナが手を取って会社を出ていき、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ハムレット・ゴーズ・ビジネス」のあらすじと結末でした。
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