流れ板七人の紹介:1997年日本映画。岡山の下津井で小さな料理店を営む竜二の元へ、東京の老舗料理店『閑日楼』の花板の清蔵から相談があるという手紙が届きます。一か月後、竜二が東京に向かうと清蔵はすでに死亡し『閑日楼』は関西の『ほこ多』に売られていました。調理師紹介業の老舗『稲宗』の女将きぬは、亡き清蔵の向こう板をしていた渡を一人前にしてほしいと竜二に頼みますが…という内容の人情ドラマです。
監督:和泉聖治 出演者:松方弘樹(梨堂竜二)、東幹久(明神渡)、的場浩司(森川敬三)、酒井美紀(稲村花絵)、藤田朋子(木藤牧子)、吉行和子(日陰祥子)、渡辺えり子(高根冴子)、木村一八(高根鉄也)、加藤茶(持田誠)、浅野ゆう子(梨堂真澄)、いしだあゆみ(稲村きぬ)、いかりや長介(三田喜八)、梅宮辰夫(松木精蔵)ほか
映画「流れ板七人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「流れ板七人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
流れ板七人の予告編 動画
映画「流れ板七人」解説
この解説記事には映画「流れ板七人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
流れ板七人のネタバレあらすじ:起
岡山の下津井で、流れ板として日本中を渡り歩いた竜二は、妻の真澄と『ますみ』という料理店を切り盛りしています。ある日、東京の閑日楼の花板の松木精蔵から一通の手紙が届きます。松木精蔵は竜二が閑日楼で向こう板をしていた頃の親方でした。折り入って相談があるという内容で、竜二は東京へ向かう段取りをしていました。
そのころ閑日楼では、美食家の浦部が訪れ、女将の祥子が相手をしていました。しかし出された料理を食べ残したことから、清蔵は向こう板の渡らを味が違うと叱りつけていました。しかし、清蔵が心臓を患い薬を飲んでいることを知っている渡は「少し休んで体の養生をしてください」と言います。清蔵は渡を殴り、裏に引っ込みますがそのまま入院しました。
そのころ祥子は、経営状態の悪い閑日楼を、浦部を通じて関西の『ほこ多』に売り渡す話を決めていました。閑日楼に板前を手配している、老舗調理師紹介業の『稲宗』の女将のきぬは、京都の『ほこ多』の経営者の鉾田に会い、板前はそのまま使ってほしいと頼みますが、鉾田はこれを断ります。きぬの娘の花絵は清蔵を見舞っていましたが、清蔵が突然「下津井へ行ってくる」と起き上がり、出て行こうとした時、発作が起こりそのまま亡くなります。
流れ板七人のネタバレあらすじ:承
一か月後、竜二が『稲宗』を訪れます。竜二の死を知り、線香をあげた後、きぬと少し話をして帰ろうとします。そこへ花絵がやってきて「竜二さんの料理が見たい、閑日楼の向こう板をしていた渡に料理を見せてください」と頼みこみました。竜二は花絵の願いを快く受けます。
仕事がなくなり酒におぼれていた渡と同僚の敬三を呼び出し、丁度夫で花板の鉄也が家出して困っていた料理店『ラメール』で料理を振る舞うことになります。竜二が献立を書き、指示のもと渡と敬三が料理を始めます。そこへ流れ板の喜八という爺さんがヒノキの箸を売りに来ます。追い返そうとする敬三でしたが、竜二は喜八の実力を見抜き箸を買いました。
やがて料理が出されると、客たちは「『ラメール』でこんな料理が食べれるとは思わなかった」と感動していました。『ラメール』での2日間が終わり下津井へ竜二が帰る頃、『閑日楼』を改装した『ほこ多』が開店します。訪れたきぬに鉾田は「この店の女将をやってくれないか?」と話します。きぬが「私を口説いているのですか?」と聞くと、鉾田は「そうとってもらっても構わない」と言います。きぬは「私には竜二さんがいます』と言って断りました。
流れ板七人のネタバレあらすじ:転
渡と敬三が『ほこ多』の板場とケンカになり、留置場へ入れられました。きぬは下津井を訪れ竜二に会います。きぬは「金沢に自分の店を出すので、手伝ってほしい」と言って、竜二を金沢の店に案内します。きぬは「清蔵がこの店の料理を絶賛したものの、親方が死んで閉店に追い込まれた」と言います。竜二は「こんな田舎で店をやっても、全財産を使い果たすのは目に見えている」と言って断り、帰路に着きます。
その時、神社の境内で喜八に会いました。竜二は喜八に、閉店した店の事を聞きます。喜八は「水が違うんだよ」と言って、店が使っていた水源を見せます。その水を飲んだ竜二はきぬの誘いを受けました。下津井では妻の真澄が、きぬとの関係を疑っていましたが、最後は「最高の料理を出して」と言って送り出します。
金沢では、竜二の指導のもと、渡と敬三、そして花絵による料理作りが始まります。竜二は料理にダメ出しをし「素材を生かすんだ」と言って自分の流れ板時代の手記を見せます。それを読んだ渡は敬三に「素材を仕入れに旅に出るぞ」といって二人は出て行きます。それは天然塩や、利尻の昆布など、出汁に欠かせないものでした。
流れ板七人の結末
きぬは浦部と鉾田に「竜二さんと鉾田さんの料理比べをしてほしい」と頼みこみます。鉾田は「こっちが勝ったら、きぬさんにほこ多の女将をやってもらう」というと、きぬは「竜二さんが勝ったらほこ多の看板を閑日楼に戻してもらって、板前は私が送り込みます」と言って話が決まりました。
数日後、鉾田の料理が振る舞われました。創作料理で浦部以下、美食家達が唸ります。いよいよ竜二の料理の日が来ました。『ラメール』の花板で竜二の元弟子だった鉄也も応援に駆けつけます。喜八のかますの差し入れもあり、料理は順調に進んでいました。しかし鉾田が竜二を困らすため、美食家の人数を増やしたり、食事の前に温泉に入ろうなどと時間を延ばし始めます。
戸惑う渡たちでしたが、竜二は動じず、状況に合わせて料理を変更します。やがて順番に料理が振る舞われると、浦部以下、鉾田以外の美食家が絶賛します。そして浦部が「私が25年前に、清蔵の料理に出会った時の感動があり、料理もその時のものを越えている」と竜二の勝ちを認めました。
喜んだきぬは竜二を探しますが、すでに旅立っていました。きぬは河辺から走り去る列車を見送ります。渡には竜二から『花渡り』というのれんが渡されていました。この店の名前で、花絵と渡、二人の店だと書いてありました。
以上、映画「流れ板七人」のあらすじと結末でした。
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