アリス・スウィート・アリスの紹介:1977年アメリカ映画。陰惨な殺人事件に巻き込まれた少女とその周辺を描くサスペンス&ホラー。教会で1人の少女が惨殺された。犯人は黄色のレインコートと不気味なマスク、白いタイツに白い靴を装着した謎の人物。少女殺害の容疑をかけられたのは、普段から反抗的な態度の目立つ12歳の姉アリスだった。アリスの潔白を主張する両親を嘲笑うかのように、謎の人物による犯行は次々と続いていく。果たして犯人は誰なのか、謎多きアリスの真意とは。別題は「アリス・スイート・アリス」。ブルック・シールズのデビュー作としても知られる。
監督:アルフレッド・ソウル 出演者:リンダ・ミラー(キャサリン)、ミルドレッド・クリントン(トレドーニ夫人)、ポーラ・シェパード(アリス)、ナイルズ・マクマスター(ドム)、ブルック・シールズ(カレン)ほか
映画「アリス・スウィート・アリス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アリス・スウィート・アリス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アリス・スウィート・アリスの予告編 動画
映画「アリス・スウィート・アリス」解説
この解説記事には映画「アリス・スウィート・アリス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アリス・スウィート・アリスのネタバレあらすじ:屈折した少女
舞台は1970年代のアメリカ、ニュージャージー州パターソン。12歳の少女アリスは、母キャサリンと妹カレンと共にアパートで暮らしていました。父親ドムとキャサリンは離婚しており、ドムの方は既に新しい家庭を持っています。
アリスには反抗的で暴力的な傾向があり、問題行動ばかり起こしていました。カレンや教会の住み込み家政婦トレドーニ夫人を不気味なマスクで脅かしたり、キャサリンやアパートの管理人アルフォンソに酷い悪態をついたり。
それというのもカレンはアリスと正反対の性格で、素直で誰からも愛されていました。カレンと自分の扱いの差に疎外感や嫉妬心を抱くアリスは、どんどん心を閉ざしてしまったのです。周囲の大人達もアリスを心底嫌っている訳ではありませんが、扱いに手を焼き、結局カレンを可愛がってしまうのでした。
カレンには初めての聖餐式が迫っており、キャサリンは真新しいドレスとベールを用意し、神父のトムも母の形見だという十字架をプレゼントします。それが面白くないアリスは、カレンの人形を奪うなど意地悪を繰り返しました。
アリス・スウィート・アリスのネタバレあらすじ:聖餐式の惨劇
聖餐式当日、教会にアリスの姿はありません。参列していたキャサリンの姉アニーは、娘アンジェラにアリスを探してくるよう頼みました。カレンは他の少女達と一緒に、別室で入場を待っていました。列の最後に並んだカレンの背後に、黄色のレインコートに不気味なマスク、白いタイツと白い靴を装着した謎の人物が現れます。
カレンはその人物に襲われ、誰にも気付かれないまま殺害されてしまいました。犯人はカレンの遺体を長椅子に入れ、十字架を乱暴に奪います。そして火のついたロウソクを入れて蓋をしました。
一方、アリスは黄色のレインコートに白いベールをつけて礼拝堂に現れました。キャサリン達が訝しんでいると、シスターの悲鳴が上がります。カレンの遺体が発見され、教会はパニックになりました。絶叫するキャサリンと、彼女を抱きしめるアニーとトム神父。それを冷たい目で見ていたアリスは、ベールをコートのポケットにねじ込みます。
カレンの葬儀にはドムも駆けつけました。警察やアニーは、カレンの物と思われるベールを持っていたアリスを疑います。しかしアリスは、ベールは落ちていた物を拾っただけだと主張しました。
アリス・スウィート・アリスのネタバレあらすじ:続く犯行と母娘の絆
周囲に疑われるアリス、それを激怒して否定する両親。そんな中、アリスはアパートの地下室で隠していた箱の中身を広げていました。プラスチックの不気味なマスクとカレンから奪った人形、瓶で飼育しているゴキブリ。
その後アパートに、黄色いレインコートとマスクを付けた何者かが現れました。その人物は階段を降りてきたアニーの足を包丁で滅多刺しにして逃走します。病院に運ばれたアニーは、警察に犯人はアリスだと主張しました。キャサリンは激怒して否定し、アリバイが無く怪しいのはアンジェラも同じだと叫びます。
一方、アリスを探すため地下室に入ったドム。アリスは異様に怯えており、アニーを襲ったのはカレンだと話します。アリスは警察で嘘発見器にかけられますが、結果は矛盾だらけで、精神病院に入院させられてしまいました。
ドムはトム神父に協力を仰ぎ、レインコートの購入者リストを手に入れます。コートは学校指定の物なので、アンジェラの名前もありました。キャサリンはアリスを家に連れ帰りたいと医師に相談しますが、却下されてしまいます。
キャサリンは医師から明かされるまで、アリスが初潮を迎えていたことも知りませんでした。医師は「親は時に想像以上に 子供を理解していないのです」と諭します。母娘は苛立ちから衝突しますが、泣き出すアリスをキャサリンは強く抱きしめました。
アリス・スウィート・アリスのネタバレあらすじ:意外な犯人
アンジェラを疑うドム。しかしカレンとアンジェラでは体格差があるため、アリスが見間違うはずがありません。そんな折、ドムが宿泊しているホテルにアンジェラを名乗る電話がかかって来ました。ドムが指定された古いダムの建物へ向かうと、そこにいたのは黄色のレインコートと不気味なマスクの人物です。
謎の人物を追って建物の上階へ向かったドムは襲われて昏倒。その隙にロープで縛られてしまいます。ドムを襲った人物がマスクを外すと、それはトレドーニ夫人でした。彼女はトム神父と親しくするキャサリンを憎み、犯行に出たのです。
トム神父は教会のものであり、自分のものだと喚くトレドーニ夫人。ドムは抵抗を試みますが、高所から突き落とされて死亡してしまいました。その遺体からカレンの十字架が発見されます。皮肉にもこの一件でアリスへの疑いは晴れ、自宅に戻ることが出来ました。
トレドーニ夫人は次の狙いをキャサリンに定めます。隠していたマスクと包丁を紙袋に入れたトレドーニ夫人は、黄色のレインコートを着てキャサリンのアパートへ向かいました。しかし入れ違いでキャサリンとアリスは外出しており、部屋には誰もいません。トレドーニ夫人が苛立っていると、アパートにアルフォンソの絶叫が響きました。
彼の体をゴキブリが這い回っていたのです。それは出かける直前にアリスが仕掛けた悪戯でした。驚いて逃げようとしたトレドーニ夫人は、部屋を飛び出してきたアルフォンソに見つかりマスクを剥ぎ取られてしまいます。咄嗟にアルフォンソを刺殺して逃げたトレドーニ夫人でしたが、警戒中の刑事に目撃されていました。
アリス・スウィート・アリスの結末:最後の殺人
興奮状態のトレドーニ夫人は、その足で礼拝に向かいます。礼拝堂でキャサリンとアリスの姿を見つけ、その背後の席に座りました。警察から事情を聞いたトム神父は、騒ぎを広げないために自分がトレドーニ夫人を連れ出すと言い出します。
そして聖体拝領の際、トレドーニ夫人に静かに声をかけました。しかし逆上したトレドーニ夫人は、隠し持っていた包丁をトム神父の首に突き刺し殺害。悲鳴が響き渡る中、トム神父の遺体を抱きしめ恍惚の笑みを浮かべました。
アリスはひとり騒ぎから離れます。彼女はトレドーニ夫人の紙袋と、血まみれの包丁を持っていました。紙袋を握りしめたアリスが意味ありげな表情を浮かべ、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「アリス・スウィート・アリス」のあらすじと結末でした。
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