EXILE 終末の子供たちの紹介:2014年アメリカ映画。天使に支配された世界の謎と、囚われた子供たちの戦いを描くSFサスペンス。地球に舞い降りたエイリアンは天使を自称し、砂漠に作ったコミュニティで人々を支配していた。天使は人々に禁欲生活を強制し、教義に反すれば命を奪うか追放する。そんな暮らしに不満を持っていた少年デビッドは、ある日侵入者に射殺されるが天使の血によって蘇生した。以来彼は人生に意味を見出そうと努力し、永遠の命を得られる祝福を目指すことに。そして祝福の夜、デビッドは恐ろしい真実に直面するのだった。
監督:アダム・ペトケ、ショーン・ブラウ 出演者:ディラン・オブライエン(デビッド)、ケイティ・リード(キャシー)、マット・リード(クラブ)、ジョナサン・ブロフィー(マーク)、ライアン・フィナーティ(ジェイク)ほか
映画「EXILE 終末の子供たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「EXILE 終末の子供たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
EXILE 終末の子供たちの予告編 動画
映画「EXILE 終末の子供たち」解説
この解説記事には映画「EXILE 終末の子供たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
EXILE 終末の子供たちのネタバレあらすじ:隔絶された世界
舞台はエイリアンの侵略を受けた未来の地球。エイリアンは“天使”を自称し、何組かの夫婦と接触して彼らを外界から引き離しました。天使は砂漠の中にフェンスで囲んだコミュニティを作り、そこに人間を住まわせます。そして彼らに、絶対の教義である神の法を伝えました。
子供たちには学校があり、毎朝教義を唱えさせられます。殺人の禁止、外の者を受け入れない、“虫”と“割れ目”を繋げないこと。子供たちの目標は“祝福”と呼ばれる行為を受けることで、“祝福”の試練に合格すれば永遠の幸福と命を与えられると信じていました。“祝福”に興味が無い少年デビッド(ディラン・オブライエン)は、いっそ“堕ちる”道を選ぼうとしています。天使の秩序を離れ、好き勝手に生きることを“堕ちる”と言います。
そんなある日、授業中に銃声が響きました。以前堕ちた者として囲いの外の“荒れ地”に追放された青年ジェイク(ライアン・フィナーティ)とクラブ(マット・リード)が侵入したのです。ジェイクは犬に向けて発砲し、追いかけ回していました。その騒動の中、ジェイクは誤ってデビッドを射殺してしまいます。そこに現れたのは、四本足で触手を持つ奇怪な生命体でした。
これが“天使”です。天使はジェイクに有罪を宣告し、触手から毒を注入して殺害。そして自分の血を使ってデビッドを復活させます。衝撃の体験をしたデビッドは、“祝福”を目指そうと決意しました。死を経験した彼は、人生に意味が欲しいと思うようになったのです。
一緒に堕ちる約束をしていた親友のショーンは不満を言いますが、デビッドの心は変わりません。しかし“祝福”の“審査”は数週間後に迫っています。デビッドは“審査”に合格して“祝福”を受けるため、必死に努力することにしました。
EXILE 終末の子供たちのネタバレあらすじ:キャシーとの出会い
夜。デビッドは担任教師アンダースの家を訪ね、勉強したいので教科書を貸して貰えないかと頼みます。しかしすぐに断られてしまいました。アンダースに呼ばれて現れた彼の娘キャシー(ケイティ・リード)を見た瞬間、デビッドは言い様のない興奮を感じます。キャシーも同様で、2人は互いに一目惚れしました。
しかし性教育を一切受けていないコミュニティの子供たちは、興奮の意味も、性行為の存在すら知りません。天使は男性器を“虫”、女性器を“割れ目”と呼ばせ、そのふたつを合わせることを固く禁じていました。キャシーからこっそり教科書を借りたデビッドは、帰宅して勉強を始めます。彼の母は病気なのか、1日中ずっと嘔吐しており、何時間も同じところに無言で立っていました。デビッドが姉ジェシカに相談すると、彼女は大丈夫だと不気味に笑います。
その夜、キャシーはアンダースの苦しむ声で目を覚ましました。彼は大量に吐血しながらドアの前でもがいています。その顔は大きく崩れ、肉がむき出しになっていました。翌朝、アンダースは学校に現れませんでした。デビッドは少し席を離れた隙に、仲の悪いクラスメイトのマーク(ジョナサン・ブロフィー)に教科書を燃やされてしまいます。激怒したデビッドがマークを殴り倒すと、やって来たのはジェシカでした。
彼女は簡単にデビッドを押さえ込むと、今日からアンダースの代わりに教師を務めると言い出します。アンダースは“祝福”の過程でより良い場所へ移ったのだと話すジェシカは、詳しいことを説明し始めました。その夜。デビッドは燃やされた教科書の謝罪と、予備を借りるためキャシーの家を訪ねます。キャシーは昨夜のアンダースについて、怯えながら話しました。
キャシーがアンダースを望む場所へ連れて行くと、そこには土に頭を突っ込んだ遺体がたくさん転がっていたそうです。そしてアンダースも土に顔を埋めると、体から何かが抜け出て地中に潜りました。デビッドは、その場所は“庭”だとキャシーに教えます。“庭”は生まれ変わりの場所なのだと、デビッドも今朝ジェシカから教わりました。同時期に“祝福”を受けた両親の世代は、今生まれ変わりの時期に差し掛かっているのです。古い体は必要なくなり、“祝福”は永遠の命をくれるのだと話すデビッド。
しかしキャシーは、自分の母は“祝福”の後に自殺したのだと言います。デビッドには母親が2人いて、最初の母アンジェラは“祝福”を受ける前に死亡しました。疑問を覚えるデビッドに、キャシーは今晩一緒にいて欲しいと頼みます。承諾したデビッドは、彼女と強く抱き合いました。
EXILE 終末の子供たちのネタバレあらすじ:“審査”
ついに迎えた“審査”の夜。デビッドはマークと一緒に教会で試練を受けることになります。試練は服従、勇気、信仰を試すものだとジェシカが説明しました。まずマークが教会に入って行きます。少しすると、マークは悲鳴を上げながら逃げ戻って来ました。「マークは堕ちた」と告げたジェシカは、続いてデビッドにも教会へ入るよう促します。
デビッドが恐る恐る暗い教会へ入ると、そこに天使がいました。命じられるまま天使の粘液を飲み込んだデビッドは、気付くと真っ白な空間にいました。目の前にデビッド自身が現れ、様々な映像が過ぎります。幻覚のような体験から目覚めたデビッドは、全裸になってイスに座るよう命令されました。従うと、後ろから母がデビッドの手を押さえます。
命令されるまま目を瞑ったデビッド。すると天使から蜘蛛状の生物が産み落とされ、デビッドの男性器を食いちぎろうとしました。その直前、母が嘔吐したため思わず目を開けてしまったデビッドは、蜘蛛状の生物に驚いて必死に抵抗します。全身の至るところを食いちぎられたデビッドは、痛みで気を失いました。
デビッドは天使の意思を感じ取ります。天使は戦争を仕掛けたとして、クラスメイトのローレンと、更にキャシーまでも殺害しようとしていました。
EXILE 終末の子供たちのネタバレあらすじ:天使の罰
翌日。ジェシカは学校で、デビッドには不測の事態が起きたこと、マークは堕ちたことを説明しました。マークと仲の良かったローレンは、夜ショーンを訪ねます。彼女は今日“庭”に行ったことを話しました。すると両親の遺体のそばに、彼らの顔をした何かが植物のように地面から生えていたそうです。両親の新たな体に触れたローレンは、確かに彼らの存在を感じました。
そう話すローレンの前に天使が現れ、戦争を仕掛けた罪で有罪を宣告します。ローレンはショーンの目の前で殺害されてしまいました。ショーンの妹サラも同じ罪で殺害されています。ショーンは絶句し、狂ったように笑い出しました。一方、キャシーに助けられたデビッドは目を覚まし、彼女に危険が迫っていることを説明します。天使に戦争を仕掛けるということは、何か外のものを迎え入れるという意味らしいのですが、キャシーには心当たりがありませんでした。
デビッドはローレンを埋葬中のジェシカに会いに行き、何か誤解があるのではないかと言い募ります。しかしジェシカはもう遅いと話し、「ここの“母”は1人よ」と言いました。戦争をしかけた女性は例外なく殺されます。ローレンも、サラも、そしてアンジェラも。ジェシカに殴りかかったデビッドはあっさり倒され、殺されそうになりました。そこにジェイクの銃を抱えたショーンが現れ、ジェシカを射殺。ショーンは殺人罪で命を奪われ、デビッドは“荒れ地”への追放を言い渡されます。
天使の毒で痙攣するデビッドは、意識を失う直前、むき出しになったジェシカの頭の中で蠢く別の生命体を目撃しました。その後“荒れ地”で目を覚ましたデビッドはクラブと合流し、戦争を仕掛けるとは、“妊娠”を意味すると説明されます。ローレンは性行為の意味すら知らず、マークの子を妊娠していたのです。
デビッドとキャシーも無意識の内に結ばれていました。“赤ん坊”や“出産”について初めて聞いたデビッドは、まるで“祝福”のようだと感じます。“祝福”は蜘蛛状の生物との融合を意味し、頭の中で育った生命体は元の体を捨て、新しい体を得るために“庭”に潜るのだとデビッドは理解していました。クラブは天使の毒で気が狂い、フェンスを越えようとして感電死した男性の話をします。デビッドが確かめてみると、それはマークでした。
EXILE 終末の子供たちのネタバレあらすじ:自由への戦い
キャシーはデビッドを探して“荒れ地”に入り、無事に合流しました。天使は自分の子供だけを増やしたいがために、妊娠した女性を殺害しているのだと説明するデビッド。天使は不完全な人間を蜘蛛状の生物と融合させることで補おうとしているようですが、デビッドは「俺たちは補い合える」とキャシーを見つめます。デビッドは天使の支配下から逃れるため、フェンスを越えることを決意しました。
キャシーとクラブにも協力して貰い、夜になって行動を開始します。コミュニティの大人の1人ネイサンからトラックを盗み、フェンスへ向かう3人。しかしその前に天使が立ちはだかります。デビッドはキャシーを下ろし、フェンスを開錠するよう頼みました。デビッドはトラックで天使に突っ込みます。倒れた天使にクラブがチェーンソーで襲いかかり、見事息の根を止めました。
しかしクラブはネイサンに射殺され、そのネイサンは駆けつけたキャシーに射殺されます。横転したトラックから這い出たデビッドは、絶叫するキャシーを強く抱きしめました。夜が明け、2人はフェンスの前に立ちます。そこにクラスメイトの少年が現れました。天使の死を知った彼は、自分と兄も行っていいかと尋ねます。彼は壊れたマネキンの頭を兄と呼んでいました。デビッドはもちろんだと笑います。デビッド達が外の世界へと歩き出し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「EXILE 終末の子供たち」のあらすじと結末でした。
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