銀のエンゼルの紹介:2004年日本映画。妻の交通事故をきっかけに、田舎のコンビニエンス・ストアで働くことになった主人公が、コンビニエンス・ストアに集まる人々との交流の中で、家族との向き合い方を見つめなおしていく、北海道を舞台にした心温まるヒューマン・ドラマ。見た後にほっこりとした気持ちになれる作品です。水曜どうでしょうでお馴染みの鈴井貴之が原案・監督を務める。
監督:鈴井貴之 出演:小日向文世(北島昇一)、佐藤めぐみ(北島由希)、山口もえ(小林明美)、辻本祐樹(中川武)、安田顕(担任)、大泉洋(ロッキー)、西島秀俊(佐藤耕輔)、ほか
映画「銀のエンゼル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「銀のエンゼル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
銀のエンゼルの予告編 動画
映画「銀のエンゼル」解説
この解説記事には映画「銀のエンゼル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
銀のエンゼルのネタバレあらすじ:起
北海道の田舎町で農家をしていた北島昇一(小日向文世)は、今はコンビニエンス・ストアのオーナーをしています。店長の仕事は妻の佐和子(浅田美代子)に任せ、悠々自適の生活を送る昇一には、佐和子との間に高校3年生の一人娘・由希(佐藤めぐみ)がいます。しかし娘との対話はほとんどなく、話しかけても無視される昇一。
ある日、由希の三者面談のために佐和子が車で学校へ行こうとします。しかしコンビニの駐車場を出た瞬間に交通事故に遭ってしまい、佐和子は入院することとなりました。佐和子は、「いい機会だから少し休ませてもらいます。」と言って、コンビニの仕事を昇一に託します。
その頃、由希は担任と面談をはじめていました。東京の学校に進学を考える由希ですが、そのことをまだ父親には話していません。もし反対されたとしても行くつもりでいる由希。一方、昇一は慣れないコンビニの仕事に四苦八苦していました。学校から帰った由希に仕事を手伝うよう頼みますが、「私も忙しいの!」と言われてしまいます。
母親の見舞いに病院を訪れた由希は、進学についてきちんと昇一と話をするよう佐和子からすすめられます。そして、「お父さんこと頼んだわよ。」と、佐和子は笑って言うのでした。
銀のエンゼルのネタバレあらすじ:承
夜になると、夜勤アルバイトの佐藤耕輔(西島秀俊)がやってきます。彼は、昼間は老女の家の前の木を切って道を作る親切な男性です。しかし、ミステリアスな一面があります。
由希の同級生・中川武(辻本祐樹)が、友人を引き連れてコンビニの駐車場でダンスの練習をはじめます。その他にも、電話越しに彼氏と喧嘩している女性など、変わった客が夜のコンビニにはたくさんやってきていました。
コンビニ商品の配送業者であるトラック運転手・ロッキー(大泉洋)は、由希に恋心を抱いています。この日も、由希のためにギターを取り出し、自作した曲を歌い始めるロッキー。しかし由希には見向きもされません。
商品を店内に運んでいたロッキーは、見慣れない顔の昇一をバイトの新人だと思い込み、「挨拶は?手伝ってよ!」と大きな態度に出ます。しかし昇一が由希の父親と知ったとたん、態度を改め礼儀正しくなるロッキー。
コンビニにはもう一人、毎晩のようにチョコボールを買いに来る謎の美女・明美(山口もえ)がいました。彼女は銀のエンゼルを5枚集めるために、毎晩コンビニにきてチョコボールを買っていました。昔の知り合いである明美に久しぶりに会った昇一は驚き、彼女がすっかり綺麗になっていたこともありドギマギしてしまいます。
明美は、「今度、うちのお店に遊びに来てくださいね。」と、ライターを渡しました。そして、明美の何気ない一言で由希が東京の大学へ進学を希望していることを知ってしまう昇一。佐藤も由希が東京に行きたがっていることを知っており、自分だけが知らなかったことに昇一は愕然としました。
そして、父親として頼りにされていないことに疎外感を感じる昇一は、由希から話を聞こうと娘の部屋へ行きました。昇一が部屋のドアを開けようとしましたが、鍵がかかっていて開きません。由希は「もう寝るから…」と言って、結局東京の話は聞くことができませんでした。
翌日、昇一は佐和子の見舞いに行き、由希が東京へ行きたがっていることを知っていたか尋ねます。「自分だけが知らなかった!」と憤慨する昇一ですが、佐和子は二人できちんと話をするようすすめました。
銀のエンゼルのネタバレあらすじ:転
雪かきの道具を買いにホームセンターを訪れた昇一は、偶然明美を見かけます。明美にはカオリという一人娘がいることを知り、驚く昇一。明美は、シングルマザーとして一人で娘を育てていました。
その日の夜、発注ミスで大量の冷ややっこが店に届きます。ロッキーには「アルバイトに発注を任せたのが悪い。」と言われて、昇一が反省していると由希が帰ってきました。夜遅くに帰宅した娘に「お母さんがいない時に何かあったらどうするんだよ!」と昇一が話しかけますが、由紀はすぐに部屋に閉じこもってしまいます。それでも昇一がしつこく話しかけると、「お互い興味ないんだし、これ以上干渉するのはやめたほうがいいかも…」と由希から言われました。昇一は何も言えず、下を向いたまま店に戻って行きました。
翌朝、由希はコンビニでレジ打ちをしていた昇一に「今から家出するから!」と宣言します。突然、家出をすると言われて昇一は動揺しますが、由希は「止めても無駄だから。お父さんも自分のこと真面目に考えたほうがいいんじゃない?」と言って出ていきました。娘が家出をしても店を閉めるわけにはいかず、コンビニで働き続ける昇一。
夜になりやってきた夜勤の佐藤からは、バイトを辞めると言われ、昇一は呆然とします。そこへ商品を届けにやって来たロッキーから「こんなところで働いていて良いんですか?娘が可愛くないんですか?」と言われて、むしゃくしゃした昇一は、ロッキーを殴ってしまいました。するとロッキーは、「親父さんの気持ちをバカ娘に届けてやる!」とトラックで走り出します。
銀のエンゼルの結末
その頃、由希は電車で東京に向かっていました。しかし大雪で停電となり、電車が止まってしまいます。途方に暮れる由希の前にロッキーが現れました。ロッキーは、昇一が由希のことを死ぬほど心配していることを伝えます。
一方、コンビニも停電となり、店内は真っ暗になっていました。そこへ、いつも電話で彼氏と喧嘩している女性客がやってきます。「3年ぶりに彼と会えるのに、コンビニの看板がついていないと目印がないから会えない!」と泣き出す女性。昇一は雪の降る中を脚立を使って看板によじ登り、電気を付けようと奮闘します。そしてなんと電気をつけることに成功し、女性は大喜びしました。
するとそこに、パトカーに乗った警察官がやってきます。佐藤を探す警察官ですが、彼はすでにコンビニからいなくなっていました。実は佐藤は、強盗殺人犯として指名手配されていたのでした。
翌日、由希が歩いて帰ってきます。昇一は、「お腹すいてないか?」と、優しい言葉をかけました。すると由希が、「東京でしっかり勉強したいです。」と初めて自分の想いを昇一に伝えます。昇一は、「ゆっくり考えよう…」と言って、涙を流しながら温めたおにぎりを手渡すのでした。
以上、映画「銀のエンゼル」のあらすじと結末でした。
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