BLISS ブリスの紹介:2019年アメリカ映画。堕ちた先に待ち受ける戦慄のクライマックス―――。スランプに陥った女流画家がインスピレーションを得ようと危険なドラッグに手を出したことがきっかけで狂気と暴力に満ちた世界に溺れていく様を描いたバイオレンスホラー映画です。タイトルの『BLISS』は『恍惚』を意味しています。
監督:ジョー・ベゴス 出演者:ドーラ・マディソン(デジー)、トゥルー・コリンズ(コートニー)、リース・ウェイクフィールド(ロニー)、ジェレミー・ガードナー(クライヴ)、グラハム・スキッパー(ヘイドリアン)、クリス・マッケナ(デヴィッド)、レイチェル・エイブリー(ニッキー)、マーク・ベルツマン(ランス)、ジョージ・ウェント(ポップス)、アブラハム・ベンルービ(エイブ)、ジェシー・マーリン(ダンテ)ほか
映画「BLISS ブリス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「BLISS ブリス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
BLISS ブリスの予告編 動画
映画「BLISS ブリス」解説
この解説記事には映画「BLISS ブリス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
BLISS ブリスのネタバレあらすじ:起
女流画家のデジー(ドーラ・マディソン)はスランプに陥っていました。全く筆が進まず悩むデジーは、自宅アパートの大家であるランス(マーク・ベルツマン)から家賃を請求されました。デジーはこれからエージェントのデヴィッド(クリス・マッケナ)に会って金をもらうからとランスを説得し、恋人のクライヴ(ジェレミー・ガードナー)と共にデヴィッドの元に向かいました。
ところが、デヴィッドの口から伝えられたのは、デジーがいつまで経っても絵を完成させないことに業を煮やしたギャラリーのオーナーであるニッキー(レイチェル・エイブリー)が契約を打ち切ったという知らせでした。デヴィッドもまたデジーを見限ろうと考えていました。
精神的に追い詰められたデジーは、馴染みのドラッグ売人ヘイドリアン(グラハム・スキッパー)の店を訪れました。デジーは何かいいドラッグはないかと尋ねると、ヘイドリアンは取り扱いが要注意なほど超強力な悪魔の合成麻薬“ディアブロ”を勧めてきました。デジーは早速“ディアブロ”を試してみると、あまりの強力さに現実と虚構、意識と時間の感覚を失っていきました。
気が付いた時には既に外は夜になっており、デジーは帰宅しようとしたところでしばらくご無沙汰だった旧友のコートニー(トゥルー・コリンズ)と偶然にも再会しました。デジーはこれまで溜まっていた鬱憤を晴らすかのように、コートニーと共に酒とドラッグに明け暮れました。
そこに今度はコートニーのパートナーであるロニー(リース・ウェイクフィールド)も現れ、コートニーはロニーのマネジャーであるダンテ(ジェシー・マーリン)を紹介したいと言い出しました。その後、ドラッグに溺れていった三人は欲望のままに体を求め合いました。いつしか朝を迎えた時には、その場にはデジーだけが残されていました。
アパートに帰ったデジーは、これまでのスランプがまるで嘘だったかのように創作意欲を高ぶらせ、何やら絵を描き始めました。デジーは昨晩の出来事を全く覚えていませんでしたが、再び絵を描けるようになった喜びを電話越しにクライヴに伝えました。その頃から、デジーは首から血を流す幻覚に襲われるなど現実と幻想との境目がつかなくなっていきました。
BLISS ブリスのネタバレあらすじ:承
その夜、デジーはクライヴと共に酒を飲みに出かけました。クライヴはデジーが創作意欲を取り戻してくれたことを喜びましたが、クライヴの目を盗んでドラッグをキメたデジーはファンの男を冷たくあしらい、エージェントの悪口を言い始めるなどの奇行が目立ちました。
やがてデジーらの元にコートニーとロニーが現れ、コートニーは先日話したダンテがデジーの熱烈なファンなので会ってやってほしいと再度頼んできました。デジーは断りましたが、コートニーとロニーはデジーをダンテがいるライブハウスへと連れていきました。
デジーはダンテと共にドラッグをキメていましたが、デジーは体調不良を起こし、駆け込んだトイレで吐血してしまいました。それでもコートニーはトイレに来ると「私を信じろ」と、更にデジーにドラッグを勧めてきました。そんな時、コートニーはトイレに入ってきた女性の喉に噛みつき、その女性の血を含んだ口でデジーにキスをしました。その後、立ち上がったデジーはコートニーと共に音楽を楽しんでいました。
気が付くとデジーは全裸で自宅のキャンパスの前に倒れていました。そこにニッキーが訪れ、デジーの描きかけの絵を見ると満足し、3日以内に完成させてほしいと頼みました。ニッキーが帰った後、デジーはシャワーを浴びましたが、いつしか水は真っ赤な血へと変わっていました。
早速絵を描き始めたデジーでしたが、昨夜のことがフラッシュバックしたのか中々筆が進みませんでした。デジーはコートニーに電話をかけ、昨夜自分に何をしたのか問い詰めました。そんな時、部屋のドアから激しいノック音が聞こえ、デジーは取り乱してしまい、気を失ってしまいました。
気が付いた時、部屋にはクライヴが駆け付けていました。クライヴはデジーがドラッグからインスピレーションを得ようとしていることを咎め、このままでは身を滅ぼすことになると警告しました。しかし、デジーは創作のためなら自分の命も惜しくないと反論、呆れたクライヴはその場を後にしました。
BLISS ブリスのネタバレあらすじ:転
デジーはヘイドリアンに電話をかけ、コートニーがどこにいるのかの尋ねました。その後、デジーはヘイドリアンの店を訪れ、コートニーが女の生き血を吸ったことを伝えましたが、ヘイドリアンはデジーがラリって突拍子もないことを言っているのだと思い相手にしませんでした。デジーは体調不良を訴え、病院に行こうと説得するヘイドリアンの呼びかけも聞き入れませんでした。
その時、店内では常連客の老人二人がいざこざを起こし、止めに入ったヘイドリアンは殴られて流血してしまいました。その血を見たデジーは一気に豹変、ヘイドリアンに襲い掛かってその指を咬みちぎると、老人たちに襲い掛かりました。デジーはヘイドリアンと老人二人を殺してその血をすすり、その場にあったドラッグをキメると店からドラッグと拳銃を奪って帰路につきました。
自宅に戻ったデジーはドラッグをキメ、大音量でヘヴィメタルを流しながら筆を走らせました。デジーはうるさいと文句を言いに来たランスをも殺し、その血を飲んで再びドラッグを使いました。
気が付くとデジーはまたもや全裸のまま倒れていました。記憶の定かではないデジーの元に契約を打ち切ったはずのデヴィッドが現れ、ニッキーから絵の評判を聞いて様子を見に来たことを伝えました。デジーは怒ってデヴィッドを追い返しました。絵はどんどん描き進められ、それは何かにすがりつこうとする人々の群れを表していました。
ふと我に返ったデジーはランスの部屋をノックし、続いてヘイドリアンの店を訪れましたが、何の反応もありませんでした。デジーはロニーと一緒にいたコートニーの元を訪れ、一体何が起こったのか、自分に何をしたのか問いましたが、コートニーはドラッグは毒ではなく永遠に続く恍惚だと語りました。
デジーが帰宅すると、彼女を心配して来たクライヴがいました。デジーはクライヴを怒鳴りつけましたが高熱を出して倒れてしまい、クライヴは彼女を介抱しようとしましたが、デジーはクライヴに襲い掛かって殺害し、その血を飲んで笑い出しました。
デジーは様子を見に来た男を拳銃で射殺、自らの頭をも拳銃で撃ち抜きましたが、なぜかデジーは生きていました。もはやデジーは現実と幻影の区別が完全につかなくなっていました。
BLISS ブリスの結末
デジーは混乱したままキャンバスに立つと、絵はいつのまにか更に描き進められていました。デジーの前には殺したはずのクライヴの姿があり、その絵を描かせたのは恍惚かそれとも血の味かと尋ねてきました。クライヴはデジーとは永遠のパートナーだと言って迫りましたが、その時、クライヴは背後から心臓を貫かれました。
クライヴを刺したのはコートニーであり、その正体は何と吸血鬼でした。デジーはドラッグを通じていつの間にかコートニーに取り込まれており、コートニーに促されるままクライヴにとどめを刺しましたが、コートニーはデジーが吸血鬼としてまだ未熟なことに腹を立て、二人は激しい乱闘を始めました。
死闘の末にデジーはコートニーを倒して血を貪り、命乞いするコートニーに杭を突き刺してとどめを刺しました。
デジーは血まみれの全裸姿で再びキャンパスに向かい、彼女の元には命を落とした者たちが次々と這い寄ってきました。そして夜明け前、遂に絵を完成させたデジーは恍惚な表情を浮かべたまま、朝日を浴びて粉々に砕け散りました。
デジーの部屋には大量の血痕、そして描き上がった絵だけが残されていました。それはデジー自身をモデルとした“闇の聖母”に沢山の人々が這い寄る様を描いたものでした。
以上、映画「BLISS ブリス」のあらすじと結末でした。
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