映画「パーム・スプリングス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パーム・スプリングスの紹介：2020年アメリカ映画。米国カリフォルニア州、砂漠のリゾート地パーム・スプリングス。タラの結婚式で1人浮かない面持ちの姉サラは、お調子者で少し変わった男、ナイルズに興味を抱く。ところがナイルズといいムードになり彼を追って洞窟に入ったせいで、眠りから覚めると毎回結婚式の朝に戻るタイムループに閉じ込められてしまう。しかも、ナイルズはすでにループにハマり、これまでに数えきれないほど結婚式の日を繰り返していた。永遠に続くループに巻き込まれたふたりの行く末を描く。監督は本作が長編映画デビューとなるマックス・バーバコウ。ポップなラブコメをベースにファンタジーをのせ、ヒューマンドラマを融合させるというジャンルの枠を超えた作品。
監督：マックス・バーバコウ 出演：アンディ・サムバーグ（ナイルズ）、クリスティン・マリオティ（サラ）、J.K.シモンズ（ロイ）、メレディス・ハグナー（ミスティ）、カミラ・メンデス（タラ）、タイラー・ホークリン（エイブ）、ピーター・ギャラガー（ハワード）ほか
この解説記事には映画「パーム・スプリングス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
米国カリフォルニア州。セレブが愛したロサンゼルスからの最短リゾート地パーム・スプリングスで、ナイルズ（アンディ・サムバーグ）は恋人ミスティ（メレディス・ハグナー）と宿泊しているホテルの一室で目を覚まします。今日11月9日はミスティの親友タラ（カミラ・メンデス）の結婚式。ミスティは朝から支度に余念がありません。
一方、タラの姉サラ（クリスティン・マリオティ）は憂鬱な気分で目が覚めました。家族の中で問題児扱いされ、家族にも周囲にも馴染むことのできない彼女は孤独感に襲われていたのでした。
結婚式がはじまり、お気軽に振る舞うアロハシャツに短パン姿のナイルズ。しかし、サラがスピーチに尻込みをしていると、サラに代わってマイクを握り見事なスピーチで彼女の窮地を救いました。
ナイルズに興味を抱いたサラは、砂漠の真ん中でワンナイトラブを楽しもうとしましたが、突然どこからか矢が飛んできてナイルズに命中。逃げるナイルズを迷彩服の男ロイ（J.K.シモンズ）が追いましたが、見失いロイは洞窟へ消えていきました。
驚くサラがナイルズに近寄ろうとすると「ついてくるな」と制されました。しかし、彼を心配するサラはそれを聞かず、怪しい光を放つ洞窟へ足を踏み入れてしまいました。
サラは気がつくと、昨日と同じベッドの上にいました。ところが何かがおかしい。昨日の朝と同様、家族は結婚式の準備をして、すべてが昨日と同じように進んでいました。時計を見ると11月9日の朝。訳もわからずナイルズを見つけたサラは問い詰めました。
ナイルズの説明では、あの洞窟に足を踏み入れて以来、寝るか命を落とすと11月9日の朝に逆戻りしてしまう。そしてナイルズはすでに数えきれないほどの同じ朝を迎えているとのこと。
そう聞いても納得のできないサラはループから抜け出そうと様々な手段を試します。しかし毎回11月9日の朝に戻るのみ。開き直ったサラはナイルズと毎日楽しんで暮らすようになりました。
虚無感をごまかして生きてきたナイルズにとっても、サラと過ごす時間はかけがえのないものになっていきました。そしていつしかふたりは惹かれ合い、ついに結ばれるまでに。
しかし、のちに口論をきっかけにナイルズの嘘が明らかになります。サラがループにハマる前に、ナイルズは何度も身体の関係を持っていたのでした。
その告白にサラは激怒し、ナイルズの前から姿を消してしまいました。
幾度となく11月9日に戻ってもサラと会うことができないナイルズ。思い当たるところ全てを探してもサラはいません。ナイルズは自分にとってサラの存在がいかに大きかったかを思い知ることになりました。
そんなある日、結婚式の後に新郎エイブ（タイラー・ホークリン）の部屋に友人たちと集まりどんちゃん騒ぎの場にいたナイルズは、エイブの枕にサラの匂いを感じたことで、結婚式の前日に2人が体の関係を持ったことを知ります。
ナイルズは、結婚式にサラが浮かない顔をしていたのは、浮気に対する罪悪感からだったのだと悟りました。
虚しさに襲われたナイルズは、ロイの家を訪れました。
事故で自分を見つめ直したロイは、復讐が無意味なものでしかないことに気付き、妻と子供達との何事もなく平和で同じ毎日が続くことこそ、かけがえのないことだと実感していたのでした。
そしてナイルズに向かって、サラを探し出して一緒に過ごす時間を大切にしろ、と伝えました。
一方、姿を消していたサラは、朝早くにパーム・スプリングスを出て近くのダイナーへ行き、量子力学など、ループから抜け出すために必要な知識を大学のオンライン講義で受講していたのでした。
何度も何度も学習を重ねた結果、あるひとつの仮説にたどり着きました。
そしてその仮説を実証するために、ヤギを使って洞窟で実験を行ったサラ。
結果は大成功。ヤギが爆発とともに洞窟から消えたことで、ループの世界から抜け出すことができたと確信を得たのでした。
11月9日の朝。
ナイルズはサラの声で目覚めました。会いたくてたまらなかったサラが目の前にいることに感動しているナイルズを軽く流して、タイムループから抜け出す方法を見つけたことを意気揚々と説明するサラ。
しかしナイルズの反応は異なるものでした。
何が起こるか分からない明日を待つ世界に戻るよりも、平和に繰り返されるループの中でサラとずっと一緒に生きていたい。ナイルズはサラに愛してると伝えました。
サラはタラの結婚式を平穏に参加した後に、ひとりでもループからの脱出を決行すると言い放ち、ナイルズの前から去っていきました。
失意の底に突き落とされたナイルズは、ミスティに別れを告げ、パーム・スプリングスを出て、サラと訪れたことがあるバーへ向かいました。
そこでナイルズは気付きます。例えどうなるか分からない未来が待つ世界でも、サラと一緒にいたいと。ナイルズは急いで洞窟へと向かいました。
洞窟で再び一緒になった2人は、万が一のために互いの気持ちを伝え合い、熱くキスを交わしながら爆弾にスイッチを入れました。
2人は以前よく来ていた、持ち主が留守中のプールにいました。ところが、留守のはずの家族が帰ってきたのです。
日付は11月10日に変わっていたのでした。
以上、映画「パーム・スプリングス」のあらすじと結末でした。
カリフォルニアのリゾート地であるパーム・スプリングスの景色がすごく綺麗。岩肌に囲まれた砂漠は迫力があり、非日常感を感じながら、映画を見ることで本物の旅行を疑似体験ができる。また、ストーリーは、個性的なコメディSFで、最後まで楽しめるエンターテイメント映画。