スプリーの紹介:2020年アメリカ映画。SNSの恐怖と不条理をテーマに、新進気鋭のユージーン・コトリャレンコ監督とNetflixドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のジョー・キーリーがタッグを組んで製作されたジェットコースタースリラーです。ネット社会で伸び悩むライドシェアドライバーの男がSNSのフォロワーを増やそうと狂気に走っていく様を描きます。
監督:ユージーン・コトリャレンコ 出演:ジョー・キーリー(カート・カンクル)、サシーア・ザメイタ(ジェシー・アダムス)、デヴィッド・アークエット(クリス・カンクル)、カイル・ムーニー(マイルズ・マンダーヴィル)、ミーシャ・バートン(ロンドン・ザックス)、フランキー・グランデ(リチャード・ベンティ)、ララ・ケント(ケンドラ・シェラトン)、ジョシュ・オバージェ(ボビー)、サニー・キム(DJ uNo)、ライナス・フィリップス(フレデリック・ペングラー)、ジョン・デルカ(マリオ・パパジアン)、ジェサリン・ギルシグ(アンドレア・アーチャー)ほか
映画「スプリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スプリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
スプリーの予告編 動画
映画「スプリー」解説
この解説記事には映画「スプリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スプリーのネタバレあらすじ:起
23歳の青年、カート・カンクル(ジョー・キーリー)はSNSの世界で大成功を収めたいと10年間もの間励んできましたが、フォロワー数は未だに伸び悩み、2桁台にすら乗せられずにいました。
そんなある日、カートはフォロワー数を増やすために、ライドシェア(相乗り)アプリ「Spree(スプリー)」のドライバーとして働く姿を、車内に取り付けた複数台のカメラで撮影し、それをSNSに投稿することを思いつきました。
カートは自ら開設したライブストリーミングチャンネル「The Lesson」を通じてネットユーザーたちにアピールを始め、最初の乗客としてフレデリック(ライナス・フィリップス)という男を車に乗せました。
カートは車を運転しながら、チャンネルのコメント欄に寄せられたメッセージに目を通しました。それは以前カートがベビーシッターをしたことのある少年で、カートのチャンネルの唯一のフォロワーであるボビー(ジョシュ・オバージェ)からのコメントでした。ボビーはカートよりも遥かに多い視聴者数を誇っており、カートは密かに対抗心を燃やしていました。
カートとフレデリックは車内でたわいもない話をしていましたが、ボビーの話題となるとカートの態度は一変、急に運転が荒っぽくなりました。フレデリックはカートのドライビングテクニックは上手いとお世辞を言うと、カートはフレデリックにペットボトルの水を飲ませました。実はこの水には劇薬の防水剤が入っており、飲んでしまったフレデリックは突然激しくせき込んで倒れ、そのまま死んでしまいました。
実はカートの狙いは、乗客を殺害してその様子を配信することでフォロワー数を稼ごうというものでした。フレデリックの死体を処分したカートは次のターゲットを探しに車を走らせました。
スプリーのネタバレあらすじ:承
カートは次なる乗客として、キャリアウーマンのアンドレア(ジェサリン・ギルシグ)を乗せました。アンドレアもまたカートに防水剤入りの水を飲まされて死んでしまい、カートはアンドレアのスマホを奪うと「Spree」の自分の評価を星5つにしておきました。
カートが3人目として乗せたのはマリオ(ジョン・デルカ)という男でした。カートはマリオが指示する目的地には向かわず、途中で女性コメディアンのジェシー・アダムス(サシーア・ザメイタ)を乗せました。ジェシーはSNSで数多くのフォロワーを獲得している人気者であり、カートもジェシーに一目を置いていましたが、ジェシーはフォロワー獲得のためにはなりふり構わないカートの姿勢に失望して、途中で車を降りていきました。
その後、カートは車を山奥へと走らせ、怒って車を降りたマリオを轢き殺しました。
カートは自らの犯行の一部始終を配信し、これでフォロワー数も増えるだろうと考えていましたが、ボビーや配信を見た人々は“やらせ”だと思い込んでおり、結局ボビー以外にフォロワーが増えることはありませんでした。
マリオを殺した帰り道、カートはジェシーのインスタグラムで、彼女が何百万ものの視聴者が見る生放送のコメディ番組に出演することを知りました。ガソリンスタンドで給油していたカートはパトカーが入ってくるなり、車体に付いたマリオの血痕をこっそり拭き取って何とか証拠を隠滅することに成功しました。
スプリーのネタバレあらすじ:転
カートが次に乗せたのは、パーティー帰りのリチャード(フランキー・グランデ)、ケンドラ(ララ・ケント)、ロンドン(ミーシャ・バートン)の3人組の若者でした。カートは車を人気のない廃車工場へと走らせ、車のサンルーフを開けて速度をぐんぐんと上げていきました。ロンドンが恐怖に怯える一方、リチャードとケンドラはサンルーフから顔を出し、まるでジェットコースターに乗っているかのようなスリルを楽しんでいました。
するとカートは突然車を止め、リチャードとケンドラを挟み込むようにサンルーフを閉めると、解き放った狂犬にリチャードとケンドラを喰い殺させました。カートは泣き叫ぶロンドンをドリルで刺し殺しました。
ますます行動がエスカレートしていくカートは、今度はボビーとコラボすることによって更なるフォロワー獲得を目論みましたが、ボビーはカートの申し出を断りました。相変わらず自分よりも多くのフォロワーを抱えるボビーへの嫉妬心を募らせたカートはボビーを殺してしまい、返り血を浴びたまま生配信を行いました。
カートは父・クリス(デヴィッド・アークエット)から、とあるクラブまで乗っけてほしいと頼まれました。そのクラブでは有名な女性DJのuNo(サニー・キム)がプレイしていました。カートはuNoに声をかけ、タグをつけてくれるよう依頼しました。最初は断っていたuNoも、タコスの移動販売車まで連れて行くことを条件に引き受けることにしました。
ところが、カートが目を離した隙にuNoはカートの車内から、カートがボビーから奪った拳銃を発見してしまいました。さらにuNoは車内にあったペットボトルの水を飲んでしまい、意識を失ってしまいました。
カートが異変に気付いたその時、近くに2名の警官が近づいてきました。カートの不審な行動を怪しんだ警官らが近付き、事情を聞こうとしたところ、意識を戻したuNoがカートを撃とうとして誤って警官の一人を射殺してしまいました。もう一人の警官が逃げたuNoを追っている間にカートはその場から逃げ出しましたが、途中でパトカー数台の追跡を受けたカートは高速道路で事故を起こしてしまいました。
その頃、ジェシーは生中継のコメディ番組に出演していました。ジェシーはカートとのデピソードやSNSでの名声などについて語り、最後はスマホを壊してみせました。ジェシーの行動は早速ネット界の話題をかっさらいました。
スプリーの結末
この頃からカートの起こした事件はマスコミにも取り上げられ始め、警察も本格的に捜査に乗り出しました。カートの使っていた「Spree」は一時的に使用不能となり、カートは別のライドシェアアプリ「GoGo」で配車を依頼すると、運転手を殺して車を奪いました。
その直後、ジェシーが「GoGo」で相乗りを依頼してきました。ジェシーが車に乗ると、運転していたのは何とカートでした。カートはジェシーを自宅に連れて行こうとしていることに気付いたジェシーは危険を感じ、スマホの充電コードでカートの首を絞めましたが反撃されて気絶させられました。
カートは自宅に戻ると、まだ意識の戻らぬジェシーを車の外に出して再び車に乗り込みました。一部の熱狂的なネットユーザーからジェシーを殺せと言われたカートは彼女を轢き殺そうとしましたが、間一髪で意識を取り戻したジェシーはその場から逃げ出しました。
カートが車を降りてジェシーを探しに行っている間に、ジェシーはカートの車を奪って逃げるカートを追おうとしましたが、誤って家の壁に激突してしまいました。突然の騒ぎに驚いたクリスがジェシーの元に向かうと、そこにはカートによって殺された、カートの母の死体がありました。クリスがあっけに取られている間に、背後から近づいたカートがクリスを射殺しました。
ジェシーは生配信中だったカートのスマホを拾い、車の後ろに隠れましたが、彼女の存在に気付いたカートが発砲しようとしました。しかし、カートが弾切れを起こしており、車に乗り込んだジェシーは急発進してカートを壁に挟み込みました。ジェシーが様子を確かめたところ、カートはまだ息があったので、ジェシーはスマホでカートを殴り、カートは今度こそ息絶えました。
こうしてカートの犯罪を阻止したジェシーは全国的な人気者となった一方、カートと彼が起こした事件はネットの隅っこで小さく取り上げられる程度に終わりました。
以上、映画「スプリー」のあらすじと結末でした。
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