柴公園の紹介:2019年日本映画。3匹の柴犬と、その飼い主の3人の中年男をユーモラスに描いたテレビドラマ「柴公園」(2019年放映)の劇場版です。いつものように公園で愛犬と共にダラダラと過ごす3人。うち唯一の独身男にまさかの恋の予感が…。どこにでもあるような公園を舞台に、衝撃のまったり感をもった公園ダベリエンターテインメントが展開されます。
監督:綾部真弥 出演者:渋川清彦(あたるパパ)、大西信満(じっちゃんパパ)、ドロンズ石本(さちこパパ)、桜井ユキ(ポチママ)、水野勝(謎のイケメン・ヒロト)、山下真司(校長先生)、佐藤二朗(芝二郎)ほか
映画「柴公園」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「柴公園」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
柴公園の予告編 動画
映画「柴公園」解説
この解説記事には映画「柴公園」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
柴公園のネタバレあらすじ:起
東京近郊にある「ふじみ町公園」では、3匹の柴犬とその飼い主である3人の中年男が毎日のように集っていました。あたると飼い主のあたるパパ(渋川清彦)、じっちゃんと飼い主のじっちゃんパパ(大西信満)、さちこと飼い主のさちこパパ(ドロンズ石本)は毎日散歩がてらこの公園に集い、いつものようにゆるい世間話をしていました。
あたるパパは友人の芝二郎(佐藤二朗)がアルゼンチンに行っているので、二郎の愛犬である豆柴の一郎を預かっていました。あたると一郎を連れて散歩に出かけたあたるパパは、いつものようにじっちゃんパパやさちこパパと世間話を始めました。
じっちゃんパパとさちこパパは既婚者ですが、あたるパパは未だに独身のままでした。じっちゃんパパとさちこパパはそろそろあたるパパも結婚相手を探したらどうかと勧めましたが、あたるパパはかつて頑固者の父のせいで一家離散したことを理由に渋りました。
あたるパパの職業は大学教授であり、とある大学の理学部自然環境科・植物分類学研究室でコケの研究をしています。この日の朝、あたるパパは朝の散歩から戻って来ると、二郎から電話がかかってきました。二郎は当分の間アルゼンチンに滞在するようで、一郎が自分よりもあたるパパに懐いていることに落胆しました。
あたるパパは出勤時も常にスマホであたるの様子を確認できるAI搭載型ドッグカメラ「Furbo」であたると一郎の様子を確認しました。あたるパパの勤める大学ではマイナーな分野であるコケを学ぶ学生は少なく、この日もあたるパパの授業にやってきた学生はわずか3人でした。昼の休憩中、あたるパパは同僚の室町洋子(松本若菜)からスマホで何を見ているのかと質問されましたが、あたるパパは見せようとしませんでした。
柴公園のネタバレあらすじ:承
あたるパパはバスの中でスマホを開き、室内の様子を確認したところ、部屋の中に人影がいたので慌てて帰宅しました。実は人影の正体はあたるパパの父(寺田農)であり、あたるパパは父からなぜ犬を飼っているのか説明するよう求められました。
それは3年前、あたるパパがこのマンションに引っ越してきた時のことでした。引っ越し業者からこの部屋は確かに眺めがいいけれどすぐに飽きるだろうと言われたあたるパパはなにか生活に変化をもたらしたいと考え、近くのペットショップで売られていたあたるを買ったのが始まりでした。
あたるパパの話を聞き終えた父は、息子に縁談があると持ち掛けてきました。相手はあたるパパと同じ大学の医学部に勤める助手の女性で、今は誰とも付き合っていないとのことでした。
その翌日。じっちゃんパパとさちこパパは最近よくこの界隈に出没する、やたらと話の長いゴールデンじいさん(大槻修治)の話題をしていました。そこにあたるパパが合流、かなりの高齢であるゴールデンじいさんが最近まだ1歳のゴールデンレトリバーを飼い始めたという話題になりました。
その流れで3人は「ペット信託」の話に移行しましたが、最終的には家族がいれば手っ取り早いという結論に至りました。あたるパパは婚活についてはまんざらでもない様子で、じっちゃんパパとさちこパパはニンマリとしました。
じっちゃんパパは帰り道、柴犬ポチの飼い主である若い女性・ポチママ(桜井ユキ)と出くわしました。ポチママは引き籠りがちでコミュニケーション能力が低く、たどたどしい口調で話しかけてきました。ポチママは時々あたるパパのことを見かけると意味深な発言をしました。
翌日、じっちゃんパパとさちこパパはこっそりとあたるパパの後をつけてみることにしました。すると、何とあたるパパは謎のイケメン男(水野勝)と親密そうにしていました。じっちゃんパパとさちこパパは一瞬「まさか」と思い、翌日にあたるパパから事情を聞いてみることにしました。
柴公園のネタバレあらすじ:転
翌日、あたるパパはさちこパパによく効くというツボを教えてあげました。それを見たじっちゃんパパは思わず息を飲みました。その後、3人の話題は学生時代の同級生の話となり、中村という同級生のあだ名は“ちゅうそん”だったということで盛り上がりました。
その時、あたるパパは自分の学生時代にも“ちゅうそん”というあだ名の同級生がおり、その“ちゅうそん”はゲイであること、そして今は新宿でゲイバーをしていることを語りました。じっちゃんパパとさちこパパが驚いていると、そこにゴールデンじいさんが近付いてきたため、3人は撤収することにしました。
その後、じっちゃんパパとさちこパパは偶然にも謎のイケメンを見かけ、尾行してみると謎のイケメンはあたるパパから謎の封筒を受け取っていました。じっちゃんパパとさちこパパが更に謎のイケメンを追跡すると、今度は謎のイケメンは中学校の校長先生(山下真司)と会話をしていました。謎のイケメンはどうやらこの中学校の卒業生のようでしたが、校長先生は謎のイケメンのことははっきりと覚えていませんでした。
そこでじっちゃんパパとさちこパパは、今度はあたるパパが住むマンションで待ち伏せすることにしました。しかし、いつまで経ってもあたるパパが現れないため、じっちゃんパパとさちこパパは仕方なく引き上げようとしましたが、そこにあたるパパが謎のイケメンと共に現れました。じっちゃんパパとさちこパパはあたるパパから事情を聞いてみました―――。
―――あたるパパの父はガン検診で引っかかり、再検査待ちではあるものの自分が死んだ時のことを考えてあたるパパの部屋を訪れたのです。結局縁談は取りやめになったものの、あたるパパは父のと会話を通じて改めて自分自身の人生について考えてみることにしました。そんなある日、あたるパパは通勤中のバスでポチママを見かけたのです。
その後、あたるパパはゴールデンじいさんから逃げている途中でポチママと遭遇し、それからというものあたるパパとポチママは頻繁に会うようになりました。あたるパパは本格的にポチママとの交際を考えていた矢先、ポチママはあたるパパの前から姿を消してしまったのです。
あたるパパはそのことを二郎に相談しましたが何の解決にもならず、意を決してポチママの自宅を訪ねました。そこに現れたのはあの謎のイケメンであり、イケメンは何とポチママの弟・ヒロトだったのです。ヒロトはポチママが引き籠ったのはあたるパパがプロポーズまがいの発言をしたからだと言い、あたるパパに本当に結婚の意思はあるのかと迫ると、ポチママの当面の生活費を払えと軽く脅してきたのです。あたるパパがヒロトに渡していた封筒の中身はその生活費だったのです―――。
柴公園の結末
あたるパパから事情を聞いたじっちゃんパパとさちこパパは、あたるパパはあの姉弟に騙されて金をふんだくられているのではないかとの疑いを抱きました。そこで3人はポチママを誘い出すため「柴犬オフ会」を企画、バーベキューを催すことにしました。3人は作ったチラシをポチママの家に投函したところ、なぜかじっちゃんパパの元にポチママから連絡がありました。
ポチママも参加したいと申し出たことから、あたるパパ・じっちゃんパパ・さちこパパ・ポチママ・あたる・じっちゃん・さちこ・一郎・ポチからなる4人と5匹はさちこパパの運転する車で森林公園へと向かいました。
一行はバーベキューを始め、じっちゃんパパとさちこパパは何とかして場を盛り上げようとしましたが、一同はバーベキューを仕切るさちこパパの手際の良さを褒めたことであたるパパは機嫌を損ねてしまいました。楽しい場は一転してギスギスしたものとなりましたが、そこでポチママが雰囲気を変えるべく、帰りの車を運転したいと言い出しました。ポチママはかれこれ10年間もペーパードライバーでしたが、自分が運転している姿をあたるパパに見てもらいたかったのです。ポチママの運転は酷いものでしたが、何とか帰宅することができました。
翌日。あたるパパ・じっちゃんパパ・さちこパパはいつもの「ふじみ町公園」が閉鎖されることを知りました。既にに昨年末の区議会で決定しており、閉鎖後の公園跡地は何に使われるかは未定とのことでした。
その後、あたるパパはポチママが自分の運転を見てほしかったというのは彼女が自分のことを理解してもらおうということだと気づき、今度は自分のありのままの生活をポチママにも見せることにしました。あたるパパは早速、室内のドッグカメラのIDとパスワードをポチママのLINEに送りました。
その夜、あたるパパの元に二郎から電話がありました。二郎は既に帰国していたのですが一郎を預かったままであり、寂しくなったので近々引き取りに行くと告げてきました。二人が通話しているとドッグカメラが起動し、ポチママが自分を見てくれていると察したあたるパパは彼女に伝わるように元気に振る舞ってみせました。
ある日の夕方、あたるパパはヒロトと会いました。ヒロトはポチママがあたるパパの生活ぶりを見るようになってから生き生きとしてきたことを明かし、あたるパパをポチママの交際相手と正式に認めると、これまで受け取っていた生活費を全額返金しました。
そんなある日、二郎が一郎を引き取りに来ました。二郎は一郎との別れを惜しむあたるパパに「自分を認めると楽になる」と助言し、一郎を連れて帰っていきました。あたるパパもあたるもすっかり寂しがっていたところにドッグカメラのマイクが起動し、ポチママが「見てました。今から公園に」と告げてきました。
あたるパパは勇気を出してあたると共に公園へ向かい、そこでポチを連れてきたポチママと落ち合いました。あたるパパは自分を見ていてくれたことへの感謝の気持ちを伝え、ポチママに今度うちに来てほしいと誘いました。また互いの名すら名乗っていなかったあたるパパとポチママは初めて互いに自己紹介しました。
その後、公園は閉鎖され、出入り口はバリケードで塞がれました。しかし、あたるパパ・じっちゃんパパ・さちこパパは公園にこっそりと侵入し、それぞれの愛犬のリードを外して思い切り遊ばせていました。
あたるパパはポチママとの交際をスタートさせ、近々同棲することになりました。あたるパパ・じっちゃんパパ・さちこパパはまた別の公園を探そうと話し合っているところにあのゴールデンじいさんが近付いてきたので、3人は急いでその場から退散しました。
以上、映画「柴公園」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する