ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像の紹介:2018年フィンランド映画。絵画に魅せられ、家族を省みずに仕事一筋に生きてきた老美術商が、作者不詳の一枚の肖像画に心を奪われ、人生最後の大勝負に挑む姿を描いたフィンランド発の人間ドラマです。
監督:クラウス・ハロ 出演:ヘイッキ・ノウシアイネン(オラヴィ)、ピルヨ・ロンカ(レア)、アモス・ブロテルス(オットー)、ステファン・サウク(アルバート・ジョンソン)、ペルッティ・スヴェホルム(パトゥ)ほか
映画「ラストディール 美術商と名前を失くした肖像」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラストディール 美術商と名前を失くした肖像」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像の予告編 動画
映画「ラストディール 美術商と名前を失くした肖像」解説
この解説記事には映画「ラストディール 美術商と名前を失くした肖像」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラストディール美術商と名前を失くした肖像のネタバレあらすじ:起
フィンランドの首都ヘルシンキ。年老いた美術商のオラヴィ(ヘイッキ・ノウシアイネン)はこの街で小さな美術専門店を営んでいました。しかし、オラヴィの商売も今や時代の波に押され、客は大手百貨店やネット販売に流れて売り上げも減少しており、たまに訪れてきた客からも値切りを要求されてばかりでした。
オラヴィは年齢的なことから、そろそろこの商売から引退しようと考えていましたが、その前に何かひとつでもいいから、大きな仕事がしたいと考えていました。
そんなある日、オラヴィは絵画オークションの下見に行った際に、とある肖像画に目をつけました。それは長髪に髭をたくわえ、ただ真っ直ぐに正面を見据えた表情の男の肖像画でしたが、この絵には作者を示すサインがなかったため、誰が描いたかは謎のままでした。オラヴィはそれでもこの絵画は名作に違いないと確信しました。
ラストディール美術商と名前を失くした肖像のネタバレあらすじ:承
ある日、オラヴィは長年連絡すら取っていなかった一人娘のレア(ピルヨ・ロンカ)から、レアの息子でオラヴィの孫であるオットー(アモス・ブロテルス)に、オラヴィの店の職場体験をさせてほしいと頼まれました。乗り気ではないオラヴィは訪ねてきたオットーを一度は追い返しましたが、その後考え直して、自分があの肖像画の作者を探している間、オットーに店番をしてもらうことにしました。
オラヴィはキャンバスの裏に貼られていた「ゴーデン」と書かれた切れ端が数少ない手掛かりだと感じ、図書館に出向いて片っ端から美術書を読み漁っていきました。その時、店番をしていたはずのオットーが図書館に現れ、店の売り物である1250ユーロの絵画を1500ユーロで売ったことを報告してきました。
オラヴィはオットーを誉めると、彼にも肖像画の作者探しを手伝わせることにしました。オラヴィは絵画についての知識も情熱も乏しいオットーを美術館に連れて行き、絵画の奥深さ、素晴らしさを説明していきました。
オラヴィの執念の調査の結果、この肖像画の作者は19世紀後半から20世紀初頭にかけて活躍したロシア帝国の巨匠イリヤ・レーピンの作品である可能性が浮上してきました。
もしこの絵がレービンの描いた本物ならば、少なくとも10万ユーロ以上の価値があるため、オラヴィはオークション開催までの残り2日の間で、この絵が本物である証拠を探さねばなりませんでした。
オラヴィを手伝っていたオットーは、スウェーデン・ストックホルムにあるミレスゴーデン美術館の所蔵品一覧の中から、キャンバスサイズが例の肖像画と同一の「キリスト」と題された絵画の目録を発見しました。
オットーはネットで検索をかけ、「キリスト」の元の所有者の割り出しに成功すると、元所有者が現在入居している高齢者施設に身分を偽って潜り込みました。オットーは元所有者の部屋に無断で立ち入り、沢山の荷物の山の中から証拠となりそうなものを探し初めました。
ラストディール美術商と名前を失くした肖像のネタバレあらすじ:転
遂に肖像画のオークション当日が来ました。オラヴィは自らの所持金も省みず積極的に入札の手を挙げ、売値がどんどん吊り上がっても強気な姿勢を崩すことはありませんでした。実はオークション開始直前に、オットーがこの肖像画が紛れもなくレーピンの作品であることを裏付ける画集を見つけてくれており、最終的にオラヴィは1万ユーロ(本作製作時の2018年当時のレートで日本円で約130万~135万円)で落札することに成功しました。
オラヴィは同業者のパトゥ(ペルッティ・スヴェホルム)にレービンの画集を見せて勝ち誇り、スウェーデン人富豪のアルバート・ジョンソン(ステファン・サウク)にレービンの絵画を落札したことを伝えました。
しかし、オラヴィは所持金のことを全く考えずにバンバン入札し続けたため、1万ユーロの落札金額を払えるだけの持ち合わせは何もありませんでした。困ったオラヴィは金融機関に融資を頼みましたが、担保となる不動産を持っていないことから冷たく突き放されました。オラヴィは店の商品や亡き妻の形見の品をかき集めて質屋で換金しましたが、あと3600ユーロ足りませんでした。
オラヴィは最後の手段としてレアから金を借りることを思いつき、夕食を食べるという名目でレアの家を訪れると、単刀直入にレアに金を貸してくれと頼みました。しかし、レアは前の夫が残していった多額の借金を抱えており、すんなりとオラヴィに金を貸せる状況ではありませんでした。
それでもレアは、せめてオットーに十分な教育を受けさせるために大学進学費用をコツコツ貯めていたのですが、オラヴィはその金に目をつけてしまい、怒ったレアはオラヴィを追い出しました。それでも諦めきれないオラヴィはオットーを上手く懐柔し、彼の口座から貯金を引き出させました。
ラストディール美術商と名前を失くした肖像の結末
紆余曲折の末に何とか1万ユーロをかき集めたオラヴィは、オークション主催者に落札金額を支払ってようやく念願の肖像画を手に入れました。オラヴィは早速アルバートに商談を持ちかけ、この肖像画を12万ユーロで売りつけようとしました。
しかし、アルバートは先立ってオークション主催者から、サインのない絵画は買わない方が良いと助言されており、この商談はなかったことにしようと申し出ました。
せっかく手に入れた肖像画を売る当てが外れ、しかもレアからオットーの進学資金を勝手に引き出したことを責められたオラヴィは、深い失意に陥りました。オラヴィは自分の店を売りに出し、その金をレアへの返済に充てることにしましたが、レアはオラヴィからの連絡には一切応じることはありませんでした。
オラヴィはオークション主催者に詰め寄り、アルバートに入れ知恵したことで商談を妨害したのかと問い詰めましたが、もはやどうすることもできませんでした。
店も失い、レアから完全に見捨てられ、もはやオラヴィの手元に残ったのは売れなかった肖像画1枚のみでした。そんな時、オットーの職場体験の評価シートが届き、オットーは5点満点中6点をつけてくれていました。
さらに今度はミレスゴーデン美術館から連絡があり、肖像画にサインがなかったのは、この絵は元々聖画にするつもりだったためであり、レービンはおそらく誇示よりも謙遜を選んだのだろうという見解を示しました。これによりすっかり機嫌を取り戻したオラヴィは部屋の片付けを始めましたが、その途中で倒れ、そのまま帰らぬ人となりました。
オラヴィの葬儀の後、遺品整理をしていた時、肖像画の裏にオラヴィの遺言状が挟まれていました。オラヴィはこの絵をオットーに譲ると書き残しており、遺言状にはその他にもレアにとっては良き父ではなかったことを深く反省する言葉、そしてオットーに期待を寄せる言葉が綴られていました。
以上、映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」のあらすじと結末でした。
この映画を先程見終わり、見終わった勢いのまま考察や感想を検索していた者です。
個人的にはオラヴィは最後自殺したのではないかと考えています。
理由はテナントを買ったチャラ男(名前を忘れましたが)が物語冒頭でオラヴィたちとカフェしてる時に「あいつは残念だったよな。店を辞めて半年で自殺したんだ」と伏線まがいの事を喋っているのと、
遺書を用意していたこと。
最後「美術館から電話が来て息子の写真と相俟って前向きになって口笛吹いて整理整頓中に倒れた」のではなく「美術館から電話が来て息子の写真と相俟って人生の中で大事なものを見つけ聖画も天からのお告げ的解釈で台座に丁度いい箱を選んで運んで首を吊った」なのかなと。
支離滅裂ですみません。