メモリーズ・オブ・サマーの紹介:2016年ポーランド映画。1970年代のポーランド、12歳の少年ピョトレックが迎えた12回目の夏、出稼ぎ中の父に仲の良い母、そして都会からやってきた少女とのふれ合い、甘酸っぱいとはとても言い難い出来事がピョトレックに降りかかります。映像美が素晴らしく話の重さと対比してより美しさを見せてくれます。
監督:アダム・グジンスキ 出演:マックス・ヤスチェンプスキ(ピョトレック)、ウルシュラ・グラボフスカ(母・ヴィシャ)、ロベルト・ヴィェンツキェヴィチ(父・イェジ)、パウリナ・アンゲウチク(マイカ)、ほか
映画「メモリーズ・オブ・サマー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「メモリーズ・オブ・サマー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
メモリーズ・オブ・サマーの予告編 動画
映画「メモリーズ・オブ・サマー」解説
この解説記事には映画「メモリーズ・オブ・サマー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
メモリーズオブサマーのネタバレあらすじ:起
夏休みが終わり、母ヴィシャ(ウルシュラ・グラボフスカ)に連れられて学校に向かう12歳の少年ピョトレック(マックス・ヤスチシェンプスキ)。踏切に差し掛かり、いつものように踏切を渡ったヴィシャは、ピョトレックが踏切の真ん中で立ち止まっていることに気づき悲鳴をあげました。列車はすぐそこまでやってきています。ーー
ーー舞台は1970年代のポーランドの田舎町。夏休み、12歳のピョトレックは母親のヴィシャと仲が良く、いつも一緒にいました。石切り場の池で遊んだり自転車に乗ったりと、まるで友達や恋人のように休日を過ごしていたのです。
本当に仲が良くピョトレックは母親がいればそれでいいとまで考えていました。それほど二人の絆は強いものだったのです。外国に出稼ぎに行っている父親のイェジ(ロベルト・ヴィエツキーヴィッチ)からは、月に一度電話がかかってきます。
しかし、そんなピョトレックを不安にさせる出来事が起こりました。ヴィシャが職場から呼び出しを受けた等、何かと理由をつけて出かけるようになったのです。仕事の割には着飾っておしゃれをするヴィシャを見て、ピョトレックは不安になってしまいます。
メモリーズオブサマーのネタバレあらすじ:承
そんな中、マイカという少女がやってきます。都会から来た彼女は田舎が気に入らないらしく、終始不機嫌でした。しかし少しずつ打ち解けていった二人は仲良くなっていきます。ヴィシャと行った石切り場の池で遊んだり、自転車に乗って遊んだりして楽しく過ごしました。
ヴィシャはというと、さらに出かけることが多くなります。それがどうにも気に入らなかったピョトレックは、わざとテーブルクロスにジュースをこぼして関心をひこうとします。それによってヴィシャのドレスも汚してしまい、ピョトレックはこっぴどく叱られてしまいました。
しかし、また夜遅く帰ってきたヴィシャは新しいドレスを着ていて、酒に酔い終始ご機嫌でした。
イェジから電話がかかってきます。「元気でやっているか?」そう問いかけるイェジにうまく答えられないピョトレック。本当は父からの電話はうれしいはずなのに、うまく言葉が出てきません。ヴィシャは慌てて受話器を奪い取り、必死でごまかしていました。
そして電話の後、ヴィシャは「お父さんを心配させるような言動は許さない」とピョトレックを叱り飛ばしたのです。母親が何かおかしい・・・そう気づいているピョトレックですが、それを父に話すことはヴィシャを裏切ることになるのだ。そう考えたピョトレックは、ヴィシャの言うことを黙って聞いておこうと決めました。
メモリーズオブサマーのネタバレあらすじ:転
仲の良かったマイカも年上の不良少年とばかり一緒にいるようになり、まるで相手にされなくなったピョトレックは、裏切られたような気分になります。悲しくなったピョトレックはまたしても出かけようとしているヴィシャに泣きつき、マイカへの愚痴をヴィシャにぶつけました。
それはヴィシャにぶつけているように見えます。見かねたヴィシャは外出を取りやめ、ピョトレックと一緒にいてくれたのです。しばらくして電話が鳴り、ピョトレックが出ますがすぐに切れてしまいました。そういえばヴィシャの留守中に見知らぬ中年女性がやってきてしばらく居座ったこともありました。
その後ヴィシャは頻繁に出歩くことがなくなりました。おしゃれをすることも無くなり、元気も無くなってしまったようです。
メモリーズオブサマーの結末
そんな中、突然イェジが帰ってきました。ヴィシャもピョトレックも久々に会えたことを喜び、その日は家族水いらずで思いっきり楽しみました。お土産を買って帰ったイェジ、ピョトレックには本格的なチェス盤、ヴィシャにはドレスを買って帰ったのです。
しかしそのドレスは、ヴィシャが誰かに買ってもらったあの夜のドレスと同じものだったのです。その後あんなに仲の良かった家族に暗い雰囲気が漂います。
そして冒頭のシーンに戻ります。前の仲が良かったヴィシャとピョトレックとは違い、互いに暗い表情のまま歩いていた踏切の場面、やってくる列車、ヴィシャの悲鳴が響き渡りました。
線路の真ん中で立ち尽くしていたピョトレックは、後ろに下がり列車を回避していました。今までとは違う関係性になったヴィシャとピョトレックの間を列車が通り過ぎていきます。
以上、映画「メモリーズ・オブ・サマー」のあらすじと結末でした。
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