肉の蝋人形の紹介:1933年アメリカ映画。遺体安置所から死体が消えた。事件を追う女性記者は新しくオープンした蝋人形館に目をつけるが、彼女のルームメイト(『キングコング』のフェイ・レイ。本作品でも悲鳴を上げます)に危険が迫る。大手撮影所で作られた最後の二色テクニカラー作品(1935年に三色テクニカラーによる最初の長篇映画が製作され、『白雪姫』、『オズの魔法使』等の名作を生みだし、イーストマンカラーの普及までカラー撮影の主流になる)。1953年にアンドレ・ド・トス監督・ヴィンセント・プライス主演の3D映画としてリメイクされる。
監督:マイケル・カーティス 出演者:ライオネル・アトウィル(イワン・イゴール)、フェイ・レイ(シャーロット・ダンカン)、グレンダ・ファレル(フローレンス・デンプシー)、フランク・マクヒュー(ジム)、アレン・ヴィンセント(ラルフ・バートン)、ギャヴィン・ゴードン(ジョージ・ウィントン)、エドウィン・マクスウェル(ジョー・ワース)ほか
映画「肉の蝋人形(1933年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「肉の蝋人形(1933年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
肉の蝋人形の予告編 動画
映画「肉の蝋人形(1933年)」解説
この解説記事には映画「肉の蝋人形(1933年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
肉の蝋人形のネタバレあらすじ:ロンドンからニューヨークへ
1921年のロンドン。彫刻家イワン・イゴールは蝋人形館を開いている。リアルな蝋人形に高い芸術的評価を下す人もいたが、歴史上の人物をかたどった彼の人形に大衆の人気はなかった。
嵐の夜、事業のパートナーのジョー・ワースが保険金目当てに放火し、止めようとしたイゴールが投げ飛ばされて気絶しているうちに火は館内に燃え広がり、イゴールが自分の子供とも考える蝋人形は溶けていった。
時は流れ、ニューヨークは1933年の新年を祝っていた。そこに救急車のサイレンが鳴り響く。ジョーン・ゲイルというモデルが死んだのだった。その喧騒をイゴールが窓から見下ろしている。彼は車椅子生活で手も効かなくなったが工房で弟子を指導しながら、ロンドンの蝋人形館を間もなくニューヨークに再建しようとしていた。一方、ワースもニューヨークにいて密造酒を売っていた。
その夜、男勝りな新聞記者フローレンス・デンプシーは、激しさでは彼女に負けていない編集長のジムからニュースを取って来なければクビだと言われて警察署へ。旧知の警官から、自殺と報じられたゲイルだが、元恋人で大金持ちの息子のジョージ・ウィントンが殺したと警察は疑っていてウィントンを逮捕したという特ダネを取る。
そしてゲイルの検死を取材に行ってゲイルの遺体が遺体安置所から奪われたことをいち早く知る(前夜、遺体安置所に忍び込んだ顔全体に火傷のある男の手引きでジョーン・ゲイルの遺体が奪われていた)。留置場のウィントンにインタビューして自分は味方だと伝える。
肉の蝋人形のネタバレあらすじ:蝋人形の不思議
フローレンスのルームメイト、シャーロット・ダンカンの婚約者であるラルフはイゴールの弟子だった。シャーロットにつきあって開館準備中の蝋人形館に行ったフローレンスはジャンヌ・ダルクの蝋人形がジョーン・ゲイルと瓜二つなのを知る。
一方、イゴールはシャーロットがロンドンの蝋人形館のお気に入りの作品、マリー・アントワネットそっくりなのを見て、ラルフにシャーロットを紹介させる。
フローレンスは編集長ジムに、盗まれたゲイルの遺体から型を取ってジャンヌ・ダルクの蝋人形が作られたという仮説を話す。真に受けてもらえないが、彼女は取材を続ける。
肉の蝋人形のネタバレあらすじ:蝋人形館のオープン
シャーロットと共に蝋人形館のオープニングナイトに来たフローレンスはイゴールにインタビューする。ダーシー教授に蝋人形の製作をまかせているとイゴールは話す(だがダーシーはワースの所にも出入りしている麻薬中毒者だった)。
フローレンスは、釈放されたがまだ警察に疑いの目を向けられているジョージ・ウィントンの自動車に乗せてもらってダーシーを尾行し、彼の入った家(ワースのオフィスである)に忍び込む。
その家には棺桶が置いてある。顔全体に火傷のある男が部屋に入ってきてあやうく見つかりそうになるが、フローレンスは家から出て、ウィントンに質問していた刑事たちにジョーン・ゲイルの死体を見つけたと訴える。警官たちが家に踏み込むが棺桶の中にあったのは死体でなく密造酒だった。警察は家の中にいたダーシーを逮捕した。
肉の蝋人形の結末:蝋人形の秘密
夜、再び蝋人形館に行ったシャーロットにイゴールは、ラルフは地下室にいると嘘をつき、彼女を地下室に閉じ込める。イゴールは車いすから立ち上がり、「私のマリー・アントワネット」とシャーロットに呼びかける。彼は実は歩けるのだった。
シャーロットが悲鳴をあげて叩くとイゴールの顔は崩れ、火傷まみれの顔が現れる。ふだんの顔は蝋で作ったものだった。「鬼」と叫ぶシャーロットにイゴールは、鬼はこいつだと、その日復讐を果たして蝋人形に変えたジョー・ワースを見せた。気絶したシャーロットをマリー・アントワネットの蝋人形に変えるため、イゴールは彼女を台の上に縛る。
警察ではダーシーが失踪中の判事の持ち物を所持していたことがわかる。ダーシーはイゴールの蝋人形は判事やジョーン・ゲイルらの本物の死体を蝋で固めたものであることを告白した。ダーシーはイゴールの指示でジョー・ワースの身辺を調べていたのだった。
そのころフローレンスはウィントンの運転する自動車で蝋人形館に行き、ちょうどやってきたラルフに入り口を開けてもらって中に入る。地下からの悲鳴を聞きラルフと共に地下に降りる。ラルフはイゴールと争って倒されるが、後からウィントンと共に警官隊が地下にやって来る。イゴールは撃たれて高温の蝋の桶の中に落ち、シャーロットは間一髪のところで蝋人形にならずに済んだ。
特ダネ記事を書きあげたフローレンスに編集長のジムがプロポーズする。新聞社の外で彼女を待つウィントンからもプロポーズされたばかりだが、フローレンスはジムを選ぶ。
以上、映画「肉の蝋人形」のあらすじと結末でした。
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