イン・ザ・ハイツの紹介:2020年アメリカ映画。ブロードウェイミュージカルで2005年に各賞を独占した同名ミュージカルを映画化した作品。貧困などで日々の暮らしが困窮している若者たちが夢を捨てずに懸命に前を向き生きていく姿を描いています。圧巻のミュージカルシーンが見どころの一つです。
監督:ジョン・M・チュウ 出演:アンソニー・ラモス(ウスナビ)、コーリー・ホーキンズ(ベニー)、レスリー・グレイス(ニーナ)、メリッサ・バレラ(ヴァネッサ)、オルガ・メレディス(アブエラ)、ダフネ・ルービン=ベガ(ダニエラ)、グレゴリー・ディアス4世(ソニー)、ほか
映画「イン・ザ・ハイツ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「イン・ザ・ハイツ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
イン・ザ・ハイツの予告編 動画
映画「イン・ザ・ハイツ」解説
この解説記事には映画「イン・ザ・ハイツ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
インザハイツのネタバレあらすじ:起
眩しいほどきれいな南の島で、ウスナビ(アンソニー・ラモス)は四人の子供たちの前で昔の話を始めますーー。
ーー舞台は真夏のニューヨーク、ワシントンハイツです。ウスナビはここでコンビニを経営していました。彼の故郷はドミニカです。ウスナビは母が亡くなってから一度も帰っていませんでした。
彼の店には宝くじを買いに来た、街の母と呼ばれるアブエラ(オルガ・メレディス)をはじめ、馴染みの客が次々とやってきます。そんな中、ウスナビと一緒に働いている従兄弟のソニー(グレゴリー・ディアス4世)が遅刻してやってきます。
続いて入ってきたのは常連客のダニエラ(ダフネ・ルービン=ベガ)の店で働くヴァネッサ(メリッサ・バレラ)。実はウスナビはヴァネッサに恋心を抱いていましたが、勇気が出ずなかなか彼女を誘うことができずにいました。
今日もソニー達にけしかけられながらも何もできないウスナビ、彼にはいつか故郷のドミニカに帰るという夢があり、それが彼を臆病にさせていたのでしょう。
インザハイツのネタバレあらすじ:承
同じくウスナビの店の常連客であるベニー(コーリー・ホーキンズ)。ロザリオの会社で働くベニーはニーナ(レスリー・グレイス)に思いを寄せていました。幼少のころから優秀だったニーナは皆の期待を一身に受け常に期待されていました。しかし彼女は地区初の入学となったスタンフォード大学を退学しようとしていることを、誰にも言えずにいたのです。
ヴァネッサは美容室で働いていますが、彼女はいつか街を出てデザイナーとして成功したいという夢を持っていました。
ある日、ソニーの元に一本の電話が鳴ります。昨日販売した宝くじの中に96000ドルの当選が出たというのです。
すぐさまウスナビに伝えたソニー、移民である彼らにとっては途方もない金額である96000ドル、もし自分に当たったらなどと話しながら現実味のない話にため息をつきますが、彼らにも夢があり、それに向かい日々努力をしているのです。
ベニーとニーナはワシントンハイツの住民では唯一のラテン系でないアフリカ系の移民でした。ベニーはそのことでハイツ内の仲間のなかでは疎外感を感じていました。
ニーナも同じような疎外感を大学内で感じていて、そのことでベニーとニーナは心を通わせる事が出来たのです。ベニーはニーナに君がいれば全てが上手くいくと優しく声を掛けます。
インザハイツのネタバレあらすじ:転
ついにウスナビはヴァネッサをデートに誘うことに成功しました。二人でクラブに向かうことになります。ヴァネッサはとても美人で周りの男も放っておきません。次から次へと男がやってきてヴァネッサに声を掛けます。
自分に自信がないウスナビはダンスの誘いに来た男にヴァネッサを取られてしまいます。そんなウスナビにヴァネッサは少し不満げな表情を浮かべます。そんな中、突然停電が起き騒然となった現場はパニックになり、ウスナビとヴァネッサは離れ離れになってしまいます。
そのまま帰宅したウスナビは、街の母と言われる老婆のアブエラをベッドに寝かします。彼女は停電で扇風機すら動かない暑さの中で意識が朦朧としていたのです。
幼いころからキューバからアメリカに移民してきて様々な苦労を強いられました。我慢と忍耐でこれまで生きてきた彼女は自問自答を繰り返し、やがて息を引き取ってしまいます。アブエラの死はウスナビから皆に伝えられます。母を失い皆悲しみを隠せません。皆キャンドルを手に彼女へお礼を言います。
停電からくる暑さで賑やかだった街も嘘のように静まり返っていました。そんな街を鼓舞するように台に立って叫びます。それは停電の中で迎えた独立記念日でした。
この声に鼓舞されたのかハイツの皆がそれぞれの国旗を持ち踊り始めます。街には再び活気が戻っていきます。
インザハイツの結末
ウスナビはある決意をしました。店を畳み故郷のドミニカに帰る、そのことをヴァネッサに伝えます。ニーナも悩んだ末、大学を辞めずに戻ることに決めました。遠距離恋愛になりますがベニーとなら乗り越えていけるでしょう。
引っ越し当日、ウスナビは窓辺にアブエラの残した小物入れを見つけました。小物入れには彼女の思い出の数々と一枚の紙きれが入っていました。
その紙切れとはなんと96000ドルの当選くじだったのです。ウスナビは悩んだ結果、当選金を不法移民となったソニーに使うことにしたのです。
さらに片づけを進めていると、ヴァネッサが部屋にやってきました。シャンパンを持ってきたヴァネッサはウスナビに優しくキスをします。そして彼を、片付けたはずのコンビニのあった場所に連れていきます。
コンビニのあった場所にはヴァネッサがデザインした服が飾られていて、カウンターの壁にはウスナビの故郷ドミニカの海のイラストが本物そっくりに描かれていました。それはヴァネッサからの『行かないで』のメッセージだったのです。
場面は冒頭に戻り、ウスナビの話は終わりました。そこは故郷のドミニカではなく、ワシントンハイツでした。ウスナビはここが故郷と決心し、残ることにしたのです。彼の夢はここでまだ続いていきます。
以上、映画「イン・ザ・ハイツ」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する