反逆のパンク・ロックの紹介:1983年アメリカ映画。家庭内で問題を抱えて家を出た孤児たちは自身をT.R.(The Reject=拒否された脱落者)と呼び、仲間を求めて集ってはパンク・ロックに酔いしれる日々を過ごす。彼らを嫌悪し街からの排除を求める住民たちは次第に激化、T.R.たちは追い詰められていく。社会に馴染めず、T.R.ハウスで生活を送るパンクスたちのはかない日常を描く。パンク映画のバイブルとされる本作は、T.S.O.L.、ヴァンダルズ、D.I.などのUSハードコアバンドのライヴが盛り込まれ、本物のパンクスたちの非情な現実を映し出す。
監督:ペネロープ・スフィーリス 出演:クリス・ペダーソン(ジャック・ディドリー)、ビル・コイン(エヴァン・ジョンソン)、ジェニファー・クレイ(シーラ)、ティモシー・オブライエン(スキナー)、ウェイド・ウォルストン(ジョー・シュモ)、マイク・B.ザ・フリー/フリー(ラズル)、アンドリュー・ピース(イーサン・ジョンソン)、ニッキー・ビート(クラブオーナー)、ドン・アレン(ビル・レナード)、グラント・マイナー(キーフ)ほか
映画「反逆のパンク・ロック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「反逆のパンク・ロック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「反逆のパンク・ロック」解説
この解説記事には映画「反逆のパンク・ロック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
反逆のパンク・ロックのネタバレあらすじ:起
南カリフォルニア、インターステート・ハイウェイ605。夜の路上でヒッチハイクしている家出少女シーラ。ほどなく赤ん坊連れの親切な女性が止まりましたが、すぐにタイヤがパンクし女性は車を置いて電話ボックスへ。すると獰猛な大型犬が近付き、赤ん坊をいきなり噛み殺しました。
郊外の住宅地。あるシングルマザー家庭で酒に酔いながら長男エヴァンを怒鳴り散らし、「ムカムカするのよ!」とビンタする母親。エヴァンは、外で三輪車を乗り回す幼い弟イーサンに「家を出る。電話するから心配するな」と言い残し、去っていきました。
家を出たエヴァンは、ライヴハウスへ引き寄せられるように入っていきました。『Richard Hung Yourself』を演奏するD.I.に魅入っていると、キーフと名乗る青年からさっそくドラッグを勧められるエヴァン。目の前では、男たちが女子客の服を引き裂き全裸にする騒動が始まっていました。それによりライヴは閉演しましたが、知らぬ間にドリンクに混ぜられた薬のせいでエヴァンは倒れてしまいます。
反逆のパンク・ロックのネタバレあらすじ:承
そんな彼に金髪でどこか聡明さを備えた不良のジャックが声をかけてきました。エヴァンは彼のボロ車に乗り込み、豪邸に引きこもる少年ジョーを拾うと、“T.R.ハウス”へと向かいました。
T.R.ハウスは明るく整備された住宅街から外れたハイウェイ沿いの不潔な廃墟です。もとは群が管理しきれず放置した公営住宅で、今となってはドブネズミやゴキブリの住み家となっています。それでも男女問わず大勢の若いパンクスたちにとっては唯一の居場所であり自由な楽園です。リーダー格のジャックをはじめとして、中心的メンバーのスキナー、ネズミを飼いならすラズルなど、個性豊かな彼らは仲間の印として腕に“TR”の焼き印を入れていました。
ある日のこと、T.R.ハウスに銃声音が鳴り響きました。2人の中年男が野犬狩りに興じ乱射していたのです。彼らは長年勤めた自動車メーカーのGMを解雇され、ひっ迫される生活の憂さ晴らしをしていたのでした。その行き場のない怒りはT.R.との抗争に発展していきました。
エヴァンは自らの母親が飲酒運転で事故を起こしていることを知り、弟イーサンを迎えにいきます。ハウスに迎え入れられたイーサンはさっそくモヒカンに刈られ、仲間たちからも可愛がられました。
反逆のパンク・ロックのネタバレあらすじ:転
彼らを排除したい住民たちは次第に激化していきます。ジャックの義父で、T.R.キッズに良心的な黒人警官ビル・レナードは忠告にやってきましたが、彼らの居場所はここしかありませんでした。
そんな中、彼らを悲劇が襲います。
T.R.の中心格スキナーがTシャツを探すためにシーラの部屋に入ると、冷たくなったままベッドに横たわる彼女の姿がありました。薬物中毒である仲間のひとりの薬を飲み、シーラは自ら命を絶ったのでした。彼女と交際していたジョーは涙ながらに残された遺書を読み上げました。
「父親から虐待され辛い人生だったけれど、ハウスに来てからは最高の日々を送ることができた」と綴られていました。ジョーはただ泣くことしかできませんでした。
後日、シーラの葬式で教会に参列したT.R.キッズは、そこでも「彼らがいると気分が悪い」というだけで住民たちから疎ましがられます。シーラの父親が力ずくで彼らを追い出そうとしたことで騒動となり、仕方なく教会をあとにしました。彼らは仲間だったシーラの葬列すらも許さなかったのです。
反逆のパンク・ロックの結末
憤りを感じながらライヴハウスへと流れこむ一行は『THE LEGEND OFPAT BROWN』を演奏するVANDELSを聴きながら負の感情を溶かしていきました。
そこへ、警官ビルが再びやってきます。教会での騒動に呆れたビルは、今日中に街を出るよう強く言いました。
一度は荷物をまとめて、出て行く準備をはじめたT.R.たちでしたが、最後まで戦うことを考え直しました。もうこれ以上逃げたくありませんでした。
戦いの準備を万全に整え敵を待っているところへ、2人組がやってきました。様々な仕掛けと攻撃により、見事撃退し満面の笑みを浮かべるT.R.たち。しかし喜んだのも束の間、2人組が車で引き返してきました。そして、その車は三輪車に乗ったイーサンめがけて突進し、ひき殺してしまいました。一瞬の出来事でした。
むなしく響くパトカーのサイレンを聞きながら、エヴァンはイーサンを抱き寄せました。
以上、映画「反逆のパンク・ロック」のあらすじと結末でした。
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