映画仄暗い水の底からの紹介:2001年日本映画。離婚調停中で娘・郁子の親権を争っている最中の主人公・淑美は、生活の安定を調停で主張するため古びた中古マンションへ引っ越しすが入居当初から不可解な現象に悩まされる。何度も戻ってくる赤い子供用バッグ。誰もいない空間に話しかける我が子。淑美親子を追うように広がって行く天井の雨漏り…。やがて淑美は過去に行方不明になったという少女『美津子』にたどり着きます。
監督:中田秀夫 原作:鈴木光司 出演:黒木瞳、小日向文世、小木茂光、徳井優、水川あさみ、
映画「仄暗い水の底から」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「仄暗い水の底から」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
仄暗い水の底からの予告編 動画
映画「仄暗い水の底から」解説
この解説記事には映画「仄暗い水の底から」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
仄暗い水の底からのネタバレあらすじ1
幼少の頃孤独な少女時代を過ごした主人公の淑美は幸福な家庭を持つことに憧れていました。しかし夫とは離婚調停中で娘・郁子の親権を争うように。調停を有利に進めたい淑美は、安定した生活を調停員に主張するためマンションに引っ越すことに。紹介されたのは古びた中古マンション。廊下も薄暗くいい印象を持てない淑美だったがそこに住むことにします。住み始めると室内は明るく清潔で、淑美も郁子も明るく笑うのですがベッドのある部屋の天井に雨漏りが…。管理人や不動産会社に言っても対応して貰えず、上階を訪ねても応答はありません。水を飲もうと蛇口を捻ると髪の毛の塊が入ってくることも…。
仄暗い水の底からのネタバレあらすじ2
それと前後して娘の郁子の様子にも異変が起こるようになります。独り言が増え、落し物の赤い子供用バッグに固執し始めるように。そんな時淑美は郁子と同じ幼稚園に通っていた少女・美津子が2年前から行方不明になっていることを知ります。美津子は淑美と郁子が住んでいる部屋の上階に住んでいた少女でした。美津子は行方不明になる直前母が出ていき、父親と二人暮らし。行方不明になった日も父親の帰りを待っていたはずがそのままいなくなったという事を聞いて不安を覚える淑美。その後郁子が幼稚園で高熱をだし、美津子が娘を連れて行くつもりなのでは?と恐怖に駆られた淑美。上階の部屋が無施錠だったので踏み入ると水道が全開になっており水浸しの状態でした。
仄暗い水の底からのネタバレあらすじ3
そんな状態で挑んだ調停で夫から以前より精神的に不安定だったと指摘され怒鳴り散らしてしまう淑美。調停後弁護士に窘められ住宅トラブルの助けを求めます。弁護士の毅然とした対応により水漏れなどのトラブルは解決。これでもう大丈夫と思った淑美だったがその後も奇妙な現象が続きます。貯水タンクの傍で見知らぬ少女の姿を見た事などもあった為、屋上の貯水タンクへと向かった淑美は美津子が行方不明になった日とマンションの貯水タンクの最終点検日が同じだった事に気付きます。途端内側から激しく叩かれる貯水タンクに淑美は恐慌状態に。それと同時期、お風呂の水が出しっぱなしになっている事に気付いた郁子がそれを止めようとしたところ急に水の中に引き込まれ溺れそうになります。
仄暗い水の底からのネタバレあらすじ4
部屋へと駆け戻った淑美が見たのは浴室でぐったりとなっている郁子の姿。半狂乱で郁子を抱えエレベーターに乗り込む淑美。早くその場を去ろうとするのですが真っ直ぐに見える自宅の部屋のドアがゆっくりと開きます。中から出てきたのは母親を探す郁子。恐る恐る自分が抱いている筈の郁子に淑美が目をやると、それは美津子の姿をしていました。母親を求め淑美の首を絞める美津子と、エレベーターの前で泣く郁子。初めは抵抗していた淑美だったが最後は郁子を守るため美津子を受け入れ、二人は水の中へと消えていきます。
仄暗い水の底からの結末
10年後、高校生になった郁子は母親と住んでいた時の記憶が曖昧なまま父親と暮らしていました。偶然その時暮らしていたマンションの前を通り懐かしさを感じて中へと入ります。そこには別れた時と同じ若いままの母親の姿が。父親も再婚し赤ん坊も生まれる、自分は母親と暮らしたいという郁子に微笑むだけの淑美。そして郁子の後ろに小さな少女の影が…。気配を感じて振り向くとそこには誰もおらず、また母親の姿も消えていました。それに何かを感じた郁子は振り返らずにその場を去って行きます。
「仄暗い水の底から」感想・レビュー
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諦め、絶望、受容。
自己犠牲での愛情の示し方。
この頃の鈴木光司作品の読後感は良くない。
ハッピーエンドではないこの手の物語に共感できる人には高評価だと思う。 -
最終的に自分の子思う母親の意思がわかる気がする!幽霊でもその子は、お母さんを求めてるプラス寂しいと言う気持ちも有るから次の犠牲者出る前に自分が犠牲なれば娘に行かないと思う判断が凄い!
子供は、無邪気な面残酷だから幽霊なってもそれがあるから怖いが強いかも(−_−;)
でもこの作品は、可哀想な結末だと思う
貯水タンクが激しく叩かれたシーンがとても怖くて、私もパニックになりそうでした。そして浴槽でぐったりしているのが娘の郁子ではなく、行方不明になっている美津子だとわかり、さらにパニックに陥りました。娘の郁子が助かったのは、美津子と水の中に沈むことを選んだ母・淑美の決死の判断のおかけだと思いました。