A.I.ライジングの紹介:2018年セルビア映画。ゾラン・ネスコヴィッチの短編小説を映画化したセルビア発のSF映画です。近未来を舞台に、人類移住計画のため移住先の惑星調査へ旅立った宇宙飛行士と女性型サイボーグとの関係と心理の変化を描きます。ベオグラード国際映画祭で長編映画賞など5部門を受賞しています。
監督:ラザル・ボドローザ 出演者:セバスチャン・カヴァーツァ(ミルーティン)、ストーヤ(ニマーニ1345)、マルーシャ・マイエル(社会工学者)、クリスティ・ベスターマン(コンピューターの声)ほか
映画「A.I.ライジング」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「A.I.ライジング」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
A.I.ライジングの予告編 動画
映画「A.I.ライジング」解説
この解説記事には映画「A.I.ライジング」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
AIライジングのネタバレあらすじ:起
2148年、地球は資本主義の横行により荒廃、国家に代わって社会主義体勢が敷かれていました。
世界最大の宇宙開発関連企業「エデルレジ社」は、地球から約4光年先にあるケンタウルス座アルファ星を人類の移住先に定め、アルファ星の調査のためユーゴスラビア人のベテラン宇宙飛行士ミルーティン(セバスチャン・カヴァーツァ)を雇いました。
バイコヌール宇宙基地から飛び立つミルーティンに、エデルレジ社から与えられたのは女性型サイボーグのニマーニ1345(ストーヤ)でした。ニマーニは容姿や性格など様々な面でミルーティンの好みを反映させてプログラミングされており、ニマールに興味を示したミルーティンは同行させることにしました。
地球を飛び立ったミルーティンは19日後にニマーニを起動しました。最初のうちはニマーニはただミルーティンの言うことを素直に聞くだけでしたが、次第にミルーティンの性格などを学習したのか彼を誘惑してきました。
ミルーティンはニマーニを自分の補佐だけではなく、性欲を満たす存在に設定、彼女と体を重ねました。やがてミルーティンはニマーニを若く設定、嫌がるニマーニを性の奴隷のように扱いました。
AIライジングのネタバレあらすじ:承
飛行は順調に進み、出発から1ヶ月を過ぎたところで、ミルーティンはエデルレジ社に最初の報告を行いました。
やがて出発から298日目を迎え、ミルーティンはニマーニを話し相手のモードにしたところ、ニマーニは突然唐突に怒り出し、驚いたミルーティンが慌てて彼女のモードを切り替えると、ニマーニはいつもこのパターンだと嘆きました。
彼女に“自我”が芽生えたのではないかと考えたミルーティンは、彼女をより“人間らしく”するために一旦再プログラミングしようと考えました。
ニマーニにはミルーティンとのやり取りなどの記憶の全てを蓄積する機能が備わっており、宇宙船のコンピューター(声:クリスティ・ベスターマン)に確認したところ、記憶を保ったままプログラムを書き換えることは可能だとのことでしたが、再プログラミングには“上級ユーザー”になる必要があり、それはエデルレジ社の許可が必要でした。
そこで一計を案じたミルーティンは、わざと宇宙船に緊急事態を起こさせ、狙い通りにニマーニのプログラムを強制的に書き換えることに成功しました。
AIライジングのネタバレあらすじ:転
ところが、再起動されたニマーニはミルーティンに対して反抗的な態度を取るようになり、感情が消え去ったかのように事務的にミルーティンを突き放しました。
ニマーニから性的関係をも拒まれたミルーティンは、彼女との口論が絶えなくなり、ミルーティンはせっかくニマーニを“人間”にしてやったのにと愚痴をこぼしました。
その一方でミルーティンは、エデルレジ社から宇宙船の緊急事態の件を問われますが、特にニマーニの件については深く問われることはありませんでした。
やがてニマーニを性の奴隷のように扱ってしまったと自責の念に駆られるようになったミルーティンは、次第に精神不安定となり、毎日のようにニマーニに暴言を吐くようになっていきました。
診断の結果、ミルーティンは重度のうつ状態に陥っていることが分かり、このままだと任務を続行できるか非常に危うい状態となっていました。ニマーニは何とかミルーティンを回復させようと関係を見直すことにしましたが、もはやニマーニの声はミルーティンには届きませんでした。
AIライジングの結末
なす術もなくなったニマーニは、宇宙船のコンピューターに一体どうすればよいのかと相談したところ、コンピューターはミルーティンがうつ状態に陥った要因を取り除けばいいと回答しました。
しかし、それはニマーニ自身を破壊するということであり、最終的に自分がいなくなればいいと判断したニマーニは自らを破壊すべく、ミルーティンが寝ている間に自らの充電池を放電しました。
目覚めたミルーティンはニマーニが今まで流したことのない“涙”を流していることに気付き、何としてもニマーニを復活させようと決意しました。
しかし、宇宙船の電力ではニマーニを再起動させられるだけの電力は確保できず、ミルーティンは危険を顧みず宇宙船の外に出て太陽電池から充電池の電力を得ることにしました。
ミルーティンは強い放射線を浴びて火傷を負いながらも充電池の充電を完了させ、あと一歩でニマーニの記憶が消去されるギリギリのところで何とか彼女を再起動させることに成功しました。
その直後、ミルティーンはそのまま意識を失い、再起動したニマーニはミルティーンを抱き寄せてキスをしました。
以上、映画「A.I.ライジング」のあらすじと結末でした。
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