狂乱のアメリカの紹介:1932年アメリカ映画。大恐慌のさなか、ディクソン頭取の経営方針は他の役員の批判を浴びる。そこに銀行強盗とディクソンの結婚生活の危機が。フランク・キャプラ監督の『スミス都へ行く』、『素晴らしき哉、人生!』等の作品に通じる、理想を高く掲げる主人公をウォルター・ヒューストンが演じる。
監督:フランク・キャプラ 出演者:ウォルター・ヒューストン(トム・ディクソン)、パット・オブライエン(マット・ブラウン)、コンスタンス・カミングス(ヘレン)、ケイ・ジョンソン(フィリス・ディクソン)、ほか
映画「狂乱のアメリカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「狂乱のアメリカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「狂乱のアメリカ」解説
この解説記事には映画「狂乱のアメリカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
狂乱のアメリカのネタバレあらすじ:起・銀行に迫る危機
ユニオン・ナショナル銀行の一日は、現金を収めた巨大な金庫をマットがジョークを言いながら開けることから始まる。そこから各行員が必要な現金をもっていくのだ。今日は会議の予定がなかったのに役員たちが早朝から集まってディクソン頭取の出勤を待っている。役員の半数は他行との合併を通じて、不況下にも関わらず無謀な融資を続ける頭取を追放することを画策していた。ディクソンは直感に頼った経営を続けてきた。マットも元はディクソンの家に押し入った泥棒だったが直感で銀行に採用されたのだった。
ディクソンは秘書のヘレンにマットとの結婚の予定をたずねてから役員会議室に入る。ディクソンは、人物本位の融資をして企業や労働者を守るべきである、自分の判断が間違ったことはなかったと主張して引き下がることはなかった。一方、支配人のシリル・クルエットをギャングのデュードが訪問する。デュードは、クルエットがギャンブルで作った5万ドルの借金を返済する代わりに銀行強盗のお膳立てをすること強要する。夜12時に強盗を決行するのでその時刻のアリバイを作っておくように言う。夫の会議が終わるまでの暇つぶしをするために、ギャングたちと入れ替わりに頭取の妻フィリスが支配人のオフィスに入ってきた。彼女をアリバイ作りに使おうとクルエットは思いつく。フィリスに甘い言葉をささやき強引にキスしたところにマットが部屋に入り二人の仲を誤解してしまう。
狂乱のアメリカのネタバレあらすじ:承・深夜の事件
その夜フィリスは結婚記念日を祝うつもりだったが、夫はフィラデルフィアに出かけることになる。妻との約束を軽んじる夫に腹を立てた彼女はクルエットと芝居に出かけた後クルエットのアパートに寄る。そこには彼女とクルエットの関係を心配していたマットが待っていた。フィリスと、クルエットに殴り飛ばされたマットがアパートを後にした時は夜の12時を回ったところだった。その時刻、銀行は強盗に遭っている。クルエットが事前にマットの目を盗んで警報装置を解除し、錠の解除時間を0時に変えていたのだ。強盗を発見した守衛は撃たれて命を失う。
狂乱のアメリカのネタバレあらすじ:転・パニック
翌朝、強盗と殺人が発覚。警察はマットを犯人とみなして共犯者を聞き出そうとする。ディクソンはマットを信じるが、父親のように慕うディクソンを心配させたくないマットは、犯行時簡にクルエットやフィリスといっしょにいたことを証言できなかった。銀行強盗のニュースはおひれがついて広まる。頭取が金を持ち逃げし銀行が倒産間近と噂される。次々と人々が大切な預金を下ろしに来る取り付け騒ぎに発展した。ディクソンは要求通りに金を支払うように行員に指示するが、現金は底をつきかけている。彼の個人資産も支払いに使い、役員たちにもそれを要求するが同意を得られない。有力者に次々と融資を依頼するが、色よい返事は得られない。
狂乱のアメリカの結末:ディクソンのために預金を
警察はデュードを逮捕し、強盗を手引きしたのがクルエットであることがわかる。マットへの疑いは晴れたが、ディクソンは妻が深夜クルエットのアパートにいたことを知ってしまい、愛する妻が裏切ったと思いこんでオフィスに閉じこもり自殺を考える。しかしフィリスがオフィスに来て彼の誤解を解く。解放されたマットはヘレンと助け合って電話をかけまくり、銀行の融資を受けていた人たちに協力を依頼する。それに応えてディクソンの友人たちが次々と預金をしに来て、この銀行はだいじょうぶだと言う。それを見て役員たちも自分の金を銀行に入れる。危機は回避された。翌日、ディクソンはマットとヘレンに結婚のための休暇を与える。ただし、ついでにヘレンに街で自分とフィリスの旅行の予約をするように頼むのだった。
この映画の感想を投稿する