サベイランス 監視の紹介:2001年アメリカ映画。たった1行のコードが億万長者を産む熾烈な競争のコンピュータ・ソフトウェア業界の中で、若き天才プログラマーを襲う危機を描いた社会派サスペンス映画です。キャッチコピーは「あなたは、いつも監視されている」
監督:ピーター・ハウイット 出演:ライアン・フィリップ(マイロ・ホフマン)、レイチェル・リー・クック(リサ・カリグハン)、クレア・フォーラニ(アリス・ポウルソン)、ティム・ロビンス(ゲーリー・ウインストン)、ほか
映画「サベイランス 監視」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サベイランス 監視」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「サベイランス 監視」解説
この解説記事には映画「サベイランス 監視」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:1.プロローグ:コンピュータ業界は2進法の世界。生きるか死ぬか。
「コンピュータ業界は、増殖する有機体です。敵と戦いながら成長を続ける。立ち止まっている余裕などない。新しい発見の連続、新しいアイデアは瞬時に古くなる。この業界は2進法の世界です。1でなければ0。生きるか死ぬかです。2番はない。」と主張するのは、ゲーリー・ウィンストンというコンピュータ・ソフトウェア業界のトップ企業ナーブ(NURV)のCEOです。急成長をしているナーブは、「独禁法に触れ、競争を妨げている」「市場を独占している」という批判的指摘を受けていました。その指摘に対して、ゲーリー・ウィンストンは、「“優秀”という言葉なら我が社の独占です。自由市場ですよ。…競争の原理は極めて単純です。ガレージ企業でもアイデア次第で我々に勝てるのです」と主張、反論していました。ある日「ナーブは3か月後、“シナプス”を投入、通信方法が一変します。シナプスを使えば、音声、画像、テキスト、あらゆるメディアで、受信できます。シナプスは世界村を1つ繋ぎます」と大々的にCEOのゲーリーは発表しました。しかし、業界では「3か月後の完成は無理」という噂が流れていました。これに対してゲーリーは、「間に合わせますよ。絶対に。そのためだったら何だってするつもりです」と答えました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:2.未来への選択
こうした熾烈なコンピュータ業界に身を置く多くの若者たちは、世界中にいました。スタンフォード大学卒のマイロ・ホフマン、テディ・チン、ラリー・バンクス、ブライアン・ビセルらも、そうした若者でした。彼らは殺風景なガレージにコンピュータを置き、明日の成功を夢見るコンピュータ・プログラマーでした。その中でもずば抜けて天才的な能力を誇っていたのが、マイロと彼の親友テディでした。彼らのモットーは、「人類の知識は世界の財産」でした。そんな彼らに3人のベンチャー投資家がアポをとってきました。もうくだらない会社の面接試験に受けなくてもいいと4人は喜んでいました。ただ、その中でもマイロは悩んでいました。会社への就職を考えていたのです。マイロの恋人アリス・ポウルソンは、ラリーから「マイロに俺たちと一緒に仕事をするように説得してほしい」と頼まれましたが、アリスは「彼が他の会社への就職を考えているなら、友達として応援すべきよ。人を操る一番いい方法は、“縛らないこと”よ」と言いました。ある日、ライブチャットでナーブCEO・ゲーリーが自ら、優秀なプログラマーへ向けて、ナーブの会社説明と就職を訴えていました。その放送を観ていた4人は口々にゲーリーに対して「偉そうに!」「独裁者!」「自分を演出するのがうまい」などの悪口を言っていました。すると、突然、マイロ宛に一本の電話がかかってきました。それはナーブCEOのゲーリー・ウィンストンからでした。彼はマイロとテディにナーブに入社してほしいという電話でした。ゲーリーはライブチャット中にマイロに直接電話をかけてきたのでした。その夜、アリスも入れて5人で、バーで集まり話し合いました。マイロは悩んでいました。親友のテディは、悩むマイロに猛反発し、「あんな会社、業界を独占して、他の会社を破産に追い込んで急成長した成金会社だ。連中はソース公開を考えてもいない。製品は他者のマネで、ユーザーは奴らの改悪版しか使えない。司法省も調査している」とナーブを批判し、「絶対に行くな!」とマイロに力説しました。ただ、ラリーは「入社して自分の目で確かめたらいい」と言いました。マイロはそのラリーの言葉で面接試験を受けることにしました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:3.マイロ、ゲーリー・ウィンストンに会う
マイロはナーブが手配した航空券を使い、面接試験に行きました。マイロはナーブの迎えの車に乗り、ナーブのキャンパスでなく、直接、CEOのゲーリー宅に行きました。ゲーリー宅は豪邸で、ゲーリーはその一部屋を社長室としていました。ゲーリーはマイロを歓迎し、部屋を案内して回りました。部屋の壁にはデジタル絵画が飾っていました。それは部屋にいる者の好みに合わせて絵が変わるというものでした。マイロはゲーリーに「仲間たちと動画や音声の配信システムを開発し、サポート費だけで、ソースは無料で公開する」という起業構想を語りました。ゲーリーはそんな考えのマイロに「この業界は競争が熾烈だ。誰かが君の技術を“拝借”して、10億ドル稼ぐかもしれない。10億あったらどうする?…色々できる。新たな技術開発に投資、教育、芸術でもいい。文化も変えられる。…世間が皆、君のように利他主義なのか?君の親切に乗じて、儲ける者が必ずいる」と自身の考えを述べました。そして、ゲーリーは書斎に案内しました。彼はマイロに開発途中の“シナプス”の説明をしました。シナプスは、12の軌道ごとに20機、合計240機の通信衛星を使って、画像や動画、音声、テキストなどをタイムラグなく世界中の情報媒体に送信できる画期的なシステムでした。その衛星通信には軌道ごとにマザー衛星があり、それが毎晩10時に上空を通過するとき、新しい命令を与え、そこからキッズ衛星に伝えるというシステムでした。そのマザー衛星の起動コード、IPアドレス、飛行経路などをゲーリーは、その書斎で管理していました。ゲーリーは「NASAの管制センターにいる気分だ」と子供のようにはまっていました。しかし、問題がありました。マイロはそれを「モバイル通信の伝送容量の限界。データ受信が遅くて、画像が不鮮明になる」と言い当てました。マイロはゲーリーに「予定日まで解決できますか?」と問うと、ゲーリーは「君がいればね」と答えました。ゲーリーはマイロに「シナプス完成させられるのは君を含めて世界に20人しかいないだろう。是非、我が社に。未来には無限の可能性がある。どの未来か決めたら、連絡してくれ。君を見ていて、20年前を思い出したよ。若い時の私を」と厚く語りかけてきました。マイロは暫く考えて、ナーブに入社する決心をしました。引っ越しの日、テディが見送りにやって来ました。テディはマイロを再度、説得しました。「人類の知識は世界の財産」という自分たちのこともモットーも確認し合いました。テディはマイロが抜けたために、投資家から額は減りましたが85万ドル投資を受け、起業することができました。マイロは安心し、テディとはこれからライバル同士になるが、互いにがんばろうと励ましあって別れました。家に戻ると、司法省のライル・バートンという男が訪ねてきました。彼はナーブ調査のためにマイロに司法省に入省してほしいと勧誘に来たのでした。マイロは「今の僕は、この業界で成功したい」と勧誘を断り、名刺を彼に返そうとしましたが、バートンは「何か不正を見つけたら、連絡してほしい」と言い残して、出ていきました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:4.“ナーブ(NURV)”
マイロは恋人・アリスと共に、ナーブのキャンパスのある地に引っ越しました。マイロは初めて、ナーブのキャンパスに行きました。広大なキャンパスには、様々な施設がありました。まだ工事中で完全立入禁止ですがデジタル放送局、託児所などがありました。まず、マイロは、案内役のレドモンドに連れられ、警備室に連れて行かれました。そこでどの施設に出入りしたかを全て記録するIDカードを渡され、アナログ人間の元警察官で警備主任のボブ・シュロットから施設へ出入の際の注意事項を受けました。食堂である女性がマイロをちらっと見て通り過ぎて行きました。レドモンドは驚き、彼女のことをマイロに話しました。彼女はリサ・カリガンと言い、CGが専門でシナプスのインターフェースを開発していました。頭は良く、美人ですが、絶対に男を近づけないことで有名でした。そのリサがマイロをちらっと見たので、レドモンドは驚いたのでした。そして、マイロは“エッグ”と呼ばれる開発室に入りました。そこではあちこちからスカウトされてナーブに入社した天才プログラマーたちが、コンピュータと向き合っていました。マイロは自分のデスクに案内されました。机の上にはコンピュータと、ゲーリーが書いた本の電子ブックにプレーヤー、本人が朗読した音声版、電子手帳、携帯電話、そしてマイロ専用の新車の鍵がありました。レイモンドは「あとの細かいところは担当係から説明がある。…頑張れ」と言い、去っていきました。暫くマイロはデスクでコンピュータをいじりながら、担当係を待っていると、ゲーリーがやって来ました。担当係はゲーリーでした。マイロは驚き、喜びました。ゲーリーはシナプス開発チームのメンバーを集め、各担当を紹介・指示しました。マイロの担当は、このシステムの核となるアダプターの開発でした。ゲーリーは「あと42日で完成版を投入できなければ、我が社は終わりだ。…“Never Underestimate Radical Vision”ナーブの精神を思い出せ。君たちの能力には制約も限界もない。…忘れられるか、あるいは名を残すか…成功を収めた一握りの人間として。自らの能力のはるか上を行け。無限の可能性を引き出せ。今こそ、エリートである証を世間に示す時だ。君たちにしかない光を放つんだ。今こそ、君たちが輝く時なんだ!」とチームのメンバーに檄をとばしました。チームメンバーはその言葉を聞き、沸き立ちました。マイロは会社から帰ると、アリスが選んだ引っ越し先の家を見に行きました。マイロはナーブに入社し、アリスと幸せな日々を過ごせそうな気分でした。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:5.誰かのプログラム
ある日、マイロが仕事をしていると、ゲーリーがやって来て、1枚のディスクを見せました。その中にはデータの圧縮コードが記されていました。その圧縮率もすごいもので、コードの構造も完璧でした。マイロは驚き、「誰がつくったのですか」とゲーリーに問いましたが、彼は答えませんでした。ゲーリーは「ソフト開発は楽しいよ」と嬉しそうに言うと、去っていきました。その時、テレビではコンピュータソフト開発で有名な青年が、交通事故に遭い、死亡したというニュースが流れていました。そこに、リサがやって来ました。リサは自己紹介を兼ねて、マイロに自分か開発したシナプスのインターフェースを見てもらうために来たのでした。その夜、マイロは久しぶりに、テディに電話をしました。テディとラリーの二人が作った企業は“スカルボックス”という名でした。マイロは仕事中だったテディと互いの安否を気遣い、今では敵同士だが頑張ろうと言い、電話を切りました。ある日、マイロはゲーリー宅に呼ばれました。社長室前で待っていると、ゲーリーは司法省との関係で、委託している弁護士たちと会議をしていました。ゲーリーは弁護士に激怒していました。それが終了すると、マイロは社長室に入りました。ゲーリーはマイロにPCを見せました。そこには圧縮コードが記されていました。その完璧なコードを見たマイロは思わず「誰のプログラムですか?」とゲーリーに尋ねました。すると、ゲーリーは鬼のような形相になり、「どういう意味だ!何が言いたい!?」とマイロに激しい口調で問いました。ゲーリーは机の書類を放り投げると、立ち上がり、マイロに八つ当たりしたことを謝り、「司法省に腹を立てていたんだ。私のやることに全てケチをつける。チェスの名手というのはみんな敵の動きを読み、先手を打つものだ。なのに先頭に立ったとたん、悪者扱いだ。私が何をした?…環境を破壊したか?なぜ私を狙う。ソフトビジネスは2進法の世界だ。1か0しかない。生きるか死ぬかだ」と激昂しながら語り終えると、マイロにそのコードが記録されたコピーディスクを渡し、使うように指示しました。その頃、スカルボックスのテディは、画期的なプログラム理論を発見しました。その夜、マイロはアリスにゲーリーと社長室で起こったことを話しました。アリスは、いくら考えても納得がいかないと言うマイロに、そのコードはゲーリーも天才だから、彼が作ったのではないかと言い、マイロを納得させました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:6.親友テディの死
ある日、マイロがプログラムで悩んでいると、リサがやって来て「たまには外に出て、気分転換しない?」と誘ってきました。マイロは彼女とエッグから出ると、偶然、ブライアンに会いました。彼はこの地域の非商業用放送局で働いていて、ちょうどナーブに履歴書を持って来たが門前払いをくったところでした。ブライアンは、マイロに自分もナーブで働けないか口をきいてくれと頼んできました。マイロはブライアンの頼みということもあり、一応、上司に話しておくと言って、彼と別れました。
マイロはリサと街のコーヒーショップに入りました。リサはシナプスの期日が早まったが、間に合いそうかどうか、マイロに聞いてきました。マイロは「限界はない。自分を越えろさ。それに息詰まるとゲーリーが必ず助けてくれる。…君も誰かにプログラムをもらったことある?」とリサに聞くと、リサは「一度だけ、でも書き直したけど」と答えました。偶然、車で通りがかったアリスは、このコーヒーショップで二人が談笑している姿を目撃しました。その夜、スカルボックスのテディは、いつものようにひとり深夜、コンピュータと向き合い仕事をしていました。すると、突然、テディは背後からバットで頭を殴られ、倒れたところを更に殴られ、蹴られて、部屋のコンピュータも破壊され、滅茶苦茶にされました。ある日、マイロが自分のデスクで、リサと仕事の話をしていると、突然、アリスがやって来ました。驚いたマイロは、リサを紹介しました。マイロはリサに既にアリスのことを話していました。リサは自分のデスクに戻りました。アリスは急にマイロの職場を見たかったと言いながら、リサの方に目をやると、リサもアリスの方に目を向けました。ゲーリーはマイロから「誰のプログラムですか?」と聞かれ怒鳴ってしまった日から、彼の事を心配していました。彼は側近のフィル・グライムズに「彼女は何と?」と聞くと、「彼は少し動揺していますが、仕事に影響はないと」と報告しました。ゲーリーは安心しました。その夜、マイロが家に帰ると、アリスが涙を流しながら「テディが殺されたの」と言い、飛び出してきました。二人は泣きながら、抱き合いました。翌日、マイロはテディが殺された現場に、ラリーと行きました。壁には「DIE CHINK(死ね、中国人野郎)」と書かれていました。ラリーは、捕まった中国人差別主義者はまるで自分が犯人だという証拠を残していることに疑問を示しました。ラリーはプログラム以外のことしか頭にない事が俺たちの問題だと言いました。マイロはその部屋で光ファイバーの線の切れ端を偶然、見つけました。そして、外に出たラリーから、マイロはテディが殺される直前に画期的な発見をし、それは「問題は変換方法ではなく、データ形式だ」と言ってことを聞きました。
二人は抱き合い、互いを励まし合い、別れました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:7.ゲーリーへの疑惑
ナーブに戻ったマイロは、食堂でひとり考え事をしていると、神妙な顔つきでゲーリーがやって来ました。ゲーリーはマイロの親友テディの死にお悔やみを言いました。マイロはテディの死を悼んでばかりはいられない、集中できることがあった方が気が楽だと思い、ゲーリーにまた新たなプログラムを考えついたのかと聞いてみると、ゲーリーは「この1週間ずっと寝ずに考えていたんだ。…でも突然、閃いたんだ解決方法が違っていたと。問題は変換方法ではなく、データ形式だ」と言いました。そして、そのプログラムの入ったディスクをマイロに渡すと立ち去りました。マイロはゲーリーから出た「問題は変換方法ではなく、データ形式だ」という言葉に仰天しました。それは親友テディの発見したことと同じだったからでした。マイロは頭がおかしくなりそうでした。そこへリサがやって来ました。マイロはリサの心配をよそに、腹が痛いので早退すると言い、家に急いで帰りました。マイロは家に帰ると、アリスを家の中から外に連れ出し、憶測でしたが、ゲーリーが裏でプログラマーたちを監視していたに違いないという疑念を話ました。その途中、マイロは突然、気付きました。それはテディの職場にあった光ファイバーの線の切れ端でした。マイロは、犯人は光ファイバーの線を密かに引き、監視カメラでプログラムを盗んでいたのではないかと思いました。マイロは「ナーブの工事中の21号ビルはデジタル放送局でなく監視所なんだ。屋上のアンテナはそのためだ。確かめて調べてみないと」と言い出しました。アリスは「怖いわ。こんな所はやめて逃げましょう」と言いましたが、マイロは「知らん顔はできない。ああいう奴らはどこまでも追ってくる」と言って聞きませんでした。マイロは問題の21号ビルに侵入し、調べる決意をしました。そして、マイロはアリスの協力を求めました。彼女はマイロの指示に従いました。マイロはアリスと目覚まし時計を使った大きな音と煙だけの幼稚な爆弾を作りました。翌日、マイロは12号ビルの倉庫にそれをしかけました。そして、マイロはIDカードを無くしたふりをして、警備室に入りました。爆弾は時間通りに爆発し、警備主任のシュロットはマイロをひとり警備室に残して、現場に駆けつけようとしましたが、途中でこれはマイロの仕業ではないかと疑念を持ち、そっと警備室を覗くと、彼は自分が指示した通り、椅子に座ってじっと待っていました。シュロットは考え直し、12号ビルに走っていきました。マイロはシュロットが出ていったのを見計らうと、警備員の勤務シフト表を見て、深夜24時から朝08時まで勤務のK・コスグローヴに目をつけました。マイロはコンピュータでコスグローヴのIDカードを作ると、次に監視カメラのビデオを操作し、12号ビルのビデオを72時間前の映像が流れるようにセットし直しました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:8.恐ろしい託児所
そして、その深夜3時頃、マイロは自分のデスクで仕事をしているふりをして、侵入の時間を待っていると、突然、ゲーリーがやって来ました。マイロは驚きました。ゲーリーは「仕事の虫がいないか。時々、のぞきに来るんだ。ほどほどに。私は見てるよ」と言って去っていきました。3時半頃、マイロは12号ビルに偽IDカードを使って、侵入しました。しかし、ゲーリーの好きなペプシの自動販売機があるだけで、何もそこにはありませんでした。フィル・グライムズは、マイロが12号ビルに侵入し、出てくるところを暗視カメラで見ていました。彼はマイロが何かに勘付いていると思いましたが、その証拠がありませんでした。フィルは仕事に戻りました。その仕事場はコンピュータに監視カメラの映像が映っていました。マイロは12号ビルで何も見つけられず、出ていく途中で、託児所にある飾りのマウスの影を見て、ふと気付きました。マイロは近くの木に登り、そのマウスの裏を見ると、それはアンテナのような形をしていました。マイロは思い切って、託児所の中に侵入しました。そこには積み木のような建物のところに、コンピュータが何台か置いてありました。マイロは静かにそのコンピュータを操作してみました。すると、どこの誰かは分かりませんが、プログラマーたちがコンピュータに向かってプログラムしている姿が画面に出てきました。マイロは更に調べました。まず、リサの履歴を調べました。リサの父はリサを虐待して捕まった経歴がありました。マイロは監視中の人物をクリックすると、自分とテディの名前がリストに載っていました。マイロは怖々、自分の名前をクリックすると、「ゴマの実アレルギー」という文字が出てきました。それをクリックすると自分がゴマを食べて病院に運ばれたときの映像が出てきました。そのレポート情報源はなんと、恋人アリス・ポウルソンでした。そして彼女の名前のところをクリックすると、彼女の正体が出てきました。彼女の本名はレベッカ・ポールで、犯罪歴があり、イリノイ大学を放校処分され、ED47が接触しスタンフォード大学へ転学、その後、交渉成立しED47により犯罪歴抹消と出てきました。次にマイロはED47をクリックすると、犯罪容疑者・アライアン兄弟という文字が出てきました。そこをさらにクリックしていくと、なんとテディが殺される現場の映像が出てきました。マイロはその悲惨な光景に思わず目をそらしましたが、よくその犯人を見ると、それはレイモンドでした。マイロは衝撃的な事実を知ってショックを受けました。すると、近くのドアが開く音がしました。誰かが来ると思ったマイロはすぐに、コンピュータに「すべてを隠せ、終了」というコードを打ち込み、隠れました。そこに入ってきたのは、フィルでした。彼はプログラマーのコーレイのプログラムの映像を取りに来たのでした。マイロは彼に見つかることなく、託児所を抜け出しました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:9.マイロ、司法省へ
翌朝、マイロは考え、以前出会った司法省のライル・バートンのところに行きました。マイロはバートンにこの事実を相談しようと思ったのでした。あいにく、バートンは別の仕事で部下と話し中でした。バートンはマイロに自分の部屋で待っているように指示しました。マイロはバートンの部屋に入りました。そこでマイロは壁に飾っていた1枚の写真に目を奪われました。それはバートンが大学生の頃のアメフトの選手だったときの写真でした。バートンの背番号は“ND47”でした。マイロはすぐに昨夜コンピュータ上で見た“ND47”を思い出しました。その時、バートンが入ってきました。マイロは咄嗟に、親友のテディを殺した犯人の捜査に協力したいと嘘をつきました。バートンは、昨夜の11時に犯人を逮捕したことを告げました。「安心しました。少しは眠れそうです」と言って部屋を出ていこうとするマイロに、バートンは「期待して損したな。調査チームに参加してくれるのかと思ったのに」と言うと、マイロは「いいえ、ナーブの仕事に満足していますから」と言って司法省を出ていきました。その頃、まだ家に帰って来ないマイロについて、アリスはフィルと電話で話をしていました。「司法省へ行くと言ったのか?」と問うフィルに、アリスは「いいえ。…私には何でも話してくれるわ」と言って電話を切りました。朝10時、家に帰ったマイロは、「すごく心配したわ」と抱きついてきたアリスに、「みんなが言うとおり、建設中の放送局だったよ。罪の意識からゲーリーを責めていた。…一緒に会社をやっていればテディは殺されなかったかも。…もうやめるよ。変な妄想してバカなことをするのは。そんな暇があったら、悲しみを乗り越えるために何かしないと。それで司法省のバートンの所へ行った。そしたらテディ殺しの犯人が昨夜、捕まったって言われた」と告げました。それを聞いたアリスは、仕事に行ったマイロを見送ると、フィルに電話をし、「侵入させて正解よ。バカなことしたって。罪の意識からだそうよ。親友が殺されたのが、よほどショックだったのね」と報告しました。フィルは「また仕事に専念すると断言できるか?演技では?」と確認をとると、アリスは「いいえ、自分の気持ちは隠さないわ。彼のことは安心よ」と言いました。この電話の会話をゲーリーも聞いていました。その夜、仕事が終わったマイロは「リサ、奴らは僕らを監視してるんだ。プログラムを盗んでいる。テディはそれで殺された。…手口をまねて人種差別主義者に罪をかぶせたからだ。おそらく主犯はゲーリー社長。彼はいつも言っているだろう。『問題を解決しろ。私を満足させてみろ』と。…シナプスの期日が遅れたら、会社は潰れるからだ。奴らは僕の親友を殺した。たぶん他にも。僕の恋人もスパイだ。なんとかしないと。…どうすればいいか分からない。でも奴らは僕が託児所に入ったことは知らない」とリサに知り得たことを全て打ち明け、協力を要請しました。しかし、リサは協力できないと言いました。そんなリサにマイロは「君の秘密も知っている。親父に虐待を。今に君も危なくなる。君を殺して親父に罪を」と言い、協力を取りつけました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:10.マイロの妙案
ガソリンスタンドで給油をしながら、マイロとリサは相談しました。司法省も買収され、FBIも買収されているかも知れず、誰が敵か味方か分からない状況下で、マイロは「一度にみんなに話すんだ。世間に公表すれば、奴らも手は出せない」という妙案を思いつきました。早速、二人は有名な放送局を調べましたが、すべて何らかでナーブと繋がりをもっていました。その時、リサが「シナプスを使うのよ。もう衛星は稼働している。21号ビルは放送局よ。パラボラアンテナもある。世界中が同時に繋がる。それがシナプスよ」と思いつきました。マイロはそのアイデアを実行することにしました。しかし、それには託児所にある大量の未編集映像を見ている人が分かるように編集し、21号ビルのアンテナが使えるかどうかを調べる必要がありました。リサがその役目を引き受けました。まだ問題はありました。それは衛星のIPアドレスを得ることでした。そのためにはゲーリー宅に侵入しなければいけませんでした。リサは早速、アンテナを調べました。アンテナは使える状態でした。ある日、マイロとアリスが朝のテレビニュースを見ていると、今週木曜日にゲーリー宅で美術館の寄付を募るパーティーが開催されるというニュースが報じられました。マイロはアリスに「アリスは画家なのに、パーティーに招待されないのはおかしい」と言いました。するとパーティーの直前、マイロの読み通り、ゲーリーが恋人アリスの分と合わせて2枚のパーティーの招待状を持ってきました。マイロは、ガレージに戻ったスカルボックスのラリーに電話をして、協力を要請し、自身は、計画実行の日までにシナプスが使えるように、必死に仕事に打ち込み、送信用モジュールを完成させました。その頃、警備室ではビデオ映像が過去のものが流れていることを発見しました。シュロットは、これはマイロの仕業と見抜き、2週間前からの入室記録を全て調べました。すると、深夜勤務のK・コスグローヴの入室記録がおかしいことを発見しました。その記録では彼の警備巡回コースでない託児所にも入室していることになっていました。シュロットは、マイロの行動に疑念を抱きました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:11.ゲーリーのパーティー
そして、木曜日、ゲーリー宅でのパーティーに行く日がやってきました。マイロは完成間近のプログラムのディスクを持ち、スーツの値札を切るためのハサミを探しました。マイロはアリスが絵を描くときに使っている箱を開け、探しました。ハサミはありましたが、その中にはゴマが入ったビニル袋もありました。マイロが唖然としていると、痺れを切らしたアリスがやって来て、ハサミでスーツの値札を切りました。マイロとアリスは、ゲーリー宅でのパーティーに行きました。壁にはデジタル絵画が飾っていました。マイロが近づくとマイロの好きな絵に変わりました。ゲーリーがアリスに電話をかけ、事前にマイロの好きな絵を聞いていたのでした。フィルは同僚にマイロから目を離すなと忠告しました。マイロとアリスは、ゲーリーと彼の妻に会い、暫く談笑しました。マイロはトイレに行くと嘘をつき、フィルらの監視をかわし、ゲーリーの書斎へと向かいました。大邸宅でいくつもの部屋があり、壁にはデジタル絵画があり、マイロが通ると絵が変わりました。まるで監視されているようでした。やっとの思いで、マイロはゲーリーの書斎に辿り着きました。書斎のデジタル絵画がマイロの好きな絵に変わりました。マイロはそれを気にせず、コンピュータの前に座ると、持ってきた完成間近のプログラムのディスクを入れ、裏ではマザー衛星用IPアドレスを探し出し、それをメモっていきました。そしてちょうど、全てのIPアドレスを書き終えたとき、デジタル絵画が変化しました。そこにはゲーリーが立っていました。マイロは、近づいてくるゲーリーに気付かれないよう、メモをしまい込み、仕事中のプログラムディスクを立ち上げました。ゲーリーはコンピュータの画面を見ると仕事中のプログラムでした。「パーティー中でも仕事か?」と訝しげに問うゲーリーに、マイロは冷静に「急に閃いたんです。忘れないうちに書き込もうと思って、ここへ。すみませんでした。勝手に」と謝りました。するとゲーリーは彼に「私には分かっている。だか仕事まで上の空は困るよ。…隠さなくていい。リサは魅力的な女性だ。私生活まで干渉しない。だが期日まで目前だ。それまでしっかり頼むよ」と言うと、マイロを連れてパーティーに戻りました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:12.アリスの手料理
警備主任のシュロットは、マイロがなぜ託児所に侵入したのか確固たる証拠を見つけるため、コンピュータのキーボードから指紋を採りました。その頃、マイロはシナプスの翻訳モジュールを完成させました。マイロは、社長は薄々感づいているはずのになぜ止めないのか不思議でした。リサはマイロに「完成は?」と聞いてきました。マイロは「2日後」と答えました。リサのビデオファイルの編集は完成していました。その夜、マイロが家に帰ると、アリスが台所で中華料理をつくっていました。マイロは驚きました。アリスが手料理をつくるのは初めてのことでした。アリスは2階に上がって、着替えをしに行きました。マイロは、急いで彼女の箱にあったゴマの袋を探しましたが、ありませんでした。マイロは台所のありとあらゆる所を探しましたが、結局、それらしいものは見つけられませんでした。死の恐怖を感じたマイロは家から出ようとすると、きれいなドレスに着替えたアリスが「逃げちゃダメ」と言って降りてきました。できたアリスの手料理を前に、マイロは時間稼ぎをするため、「箸で食べよう」と言い、アリスを席から立たせました。その間にマイロはフォークで自身の手首に傷をつけ、料理を指で擦り付けました。1分経っても何も起こらなければ、大丈夫です。しかし、その前にアリスが箸を持って、席に戻ってきました。マイロは再度、時間稼ぎをするため、二人でワインで乾杯しました。それが終わると、アリスはゆっくりと席を立ち、マイロの膝の上に座り、自身の指に料理を漬けると、その指をマイロになめさせました。そして、アリスはマイロに抱きつき、彼の耳もとで「あなたに言っておきたいことがあるの…愛してるわ」と囁きました。マイロはアリスに「レベッカ」と呼びかけると、アリスは反射的に「なあに」と答えてしまいました。アリスはマイロに自分のことがバレているのに気がつきました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:13.衛星への接続
警備主任のシュロットは、託児所に侵入した指紋とマイロの指紋を照合すると、見事に合致しました。シュロットは確固たる証拠を見つけました。シュロットはその事実をゲーリーに電話で報告すると、ゲーリーはこの件はフィルに任せろと指示してきました。シュロットは憤りました。家から職場に戻ったマイロは、ついにシナプスの全てのモジュールを完成させました。そして、それを2枚のディスクにコピーしました。そして、マイロは託児所に侵入しました。警備室のシュロットは、その信号を見逃しませんでした。彼はマイロを捕まえるため、すぐに託児所に向かいました。マイロは託児所内からコンピュータの監視データ装置を取り出し、託児所を出ようとしたとき、シュロットと出くわしました。マイロは真剣な眼差しで、シュロットに「ここの連中は犯罪者だ。僕が何を言っても信じてもらえないかもしれないと思うけど」と言うと、彼は「信じると言ったら驚くか?詳しく話せ」と言いました。一方、その頃、アリスは密かに家から逃げ出す準備をしていました。そして、アリスはフィルに電話でマイロの計画を伝えました。もちろん、ゲーリーの耳にも入りました。レドモンドたちは、マイロの車に仕掛けた追跡装置を起動させ、マイロの車を追いました。マイロはディスクを1枚もって、リサの家に行きました。「今夜、決行する。編集済映像を持ってきてくれ」とリサに告げると、リサを車に乗せて、ブライアンが勤めている放送局に行きました。マイロは放送局に着くと、ブライアンに「門前払いされて悔しくないのか」と言って説得し、警備員を買収して、バリケードを作らせました。マイロとリサとブライアンは、シナプスが送れるように、配線をセットしました。そして夜10時、マザー衛星が上空を通過する時刻、マイロは放送局からIPアドレスを打ち込み、マザー衛星からゲーリーの悪事を暴露する映像を世界中に流そうとしました。一方、ゲーリーは書斎から、マイロに先を越されないようにIPアドレスを打ち込み、マザー衛星をシャットダウンさせようとしました。しかし、マイロがIPアドレスを打ち込んでも、衛星にコンタクトはできませんでした。するとそこに、追ってきたレドモンドたちが乱入してきました。驚くマイロに、リサは「大丈夫。送信はしてないから」と言いました。リサもゲーリーの仲間で、送信ケーブルを繋いでいなかったのでした。「ディスクを渡せ!」と詰め寄るレイモンドに、マイロはディスクを渡すふりをして、逃げ出しました。しかし、マイロが結局、レイモンドたちに捕まり、ディスクを取られてしまいました。
サベイランス 監視のネタバレあらすじ:14.“シナプス”起動
レイモンドたちは、マイロ、リサを乗せて、ゲーリー宅へ行きました。そこには、逃げたはずのアリスもいました。リサはマイロから奪ったシナプスの起動ディスクを、ゲーリーに渡しました。ゲーリーは「よく完成させてくれた。君を誇りに思うよ」とマイロに言いました。リサは「私たちは偉業を成し遂げたのよ」と自慢そうにマイロに語りかけました。その頃、ナーブの21号ビル(放送局)内では、密かにマイロに頼まれたラリーが、マイロがシュロットに預けたもう1枚のシナプスの起動ディスクをコンピュータに入れ、IPアドレスを打ち込んでいきました。すると、とうとう、マザー衛星とコンタクトでき、シナプスが起動し始めました。どのテレビチャンネルを回しても、シナプスからの映像が出てきました。その映像はリサが編集したもので、ゲーリーたちが、これまで天才プログラマーたちを殺し、そのアイデアを盗み、自社商品として売っていたという悪事を映像と音声で訴える衝撃的なものでした。それが世界中に一斉に流れたのでした。ゲーリーたちは脅え、狼狽えました。発信源はアリスから聞いた情報とは違い、ナーブの21号ビルからと判明しました。ゲーリーはアリスを脅しました。マイロはそんなゲーリーに「これを見ろ」と言いました。それはシナプスのプログラムでした。マイロはシナプスのプログラムを、全世界に公開したのです。ダウンロード先は“スカルボックス”となっていました。ゲーリーはFBIが来ると知り、全員一緒に捕まってはまずいと思い、フィルやリサ、レイモンドたちを逃がしました。しかし、アリス(レベッカ)だけは、マイロを見て「私は行かない。ここに残って、自分のしたことの結果を素直に受け入れるわ」と言いました。マイロは、激昂するゲーリーに「僕はあなたを許さない!ゲームと違って、現実の世界では人は死ぬんだ!あなたは、おしまいだ!」と啖呵をきりました。そして、マイロはアリスを連れて、ゲーリー宅から逃げました。ゲーリーは駆けつけた弁護士に、嘘の声明文を出そうとして、躍起になっていました。
サベイランス 監視の結末:15.エピローグ:“人類の知識は世界の財産”
翌日、「FBIはナーブの社長ゲーリー・ウィンストンを逮捕しました。昨夜、TV、携帯電話、PCなどがジャックされ、マイロ・ホフマンも作った映像が漏れました。さらに警察は逃走中の社員を全員逮捕しました」というニュースが流れました。ガレージ企業“スカルボックス”のラリーとブライアンは、シナプスのダウンロード数のすごさに驚いていました。テレビ局が、スカルボックスに取材にきました。その時、マイロがアリスの車でスカルボックスに戻ってきました。マイロはアリスに「がんばって」と励ますと、彼女は恥ずかしそうに、マイロに「あなたを愛してた」と言ってきました。そして、二人は別れました。マイロはガレージ企業“スカルボックス”に戻ってきました。記者はマイロに「あなたが行った真の目的は?」と尋ねました。マイロは「シナプスを真の持ち主たちに返しただけです。“人類の知識は世界の財産”ですから」と言いました
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