ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~の紹介:2012年アメリカ映画。演技経験ゼロで主役の座を勝ち取った6才の少女クゥヴェンジャネ・ウォレスが、最年少でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた話題作。自然に囲まれた小さなコミュニティーで暮らす少女。その幼い目が見つめる、厳しい現実と不思議な幻想世界をファンタジックな映像で描く。これが初の長編映画というベン・ザイトリン監督が、製作費わずか200万ドルで撮影したという事実にも驚かされる。
監督:ベン・ザイトリン 出演者:クゥヴェンジャネ・ウォレス(ハッシュパピー)、ドワイト・ヘンリー(ウィンク)、ジーナ・モンタナ(バスシバ)、ローウェル・ランズ(ウォラス)、ヘンリー・D・コールマン(ピーターT)、レビー・イースタリ―(ジーン・バティスト)ほか
映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~の予告編 動画
映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」解説
この解説記事には映画「ハッシュパピー バスタブ島の少女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~のネタバレあらすじ:起
6才の少女ハッシュパピーは、父親のウィンクと共に“バスタブ”と呼ばれる貧しいコミュニティーに暮らしています。彼らがボートで海に出ると目の前には堤防があり、その向こうには工場地帯が広がっています。温暖化の影響もあり、コミュニティーはいずれ海に沈む運命でした。ハッシュパピーは、学校のバスシバ先生から動物は全て肉でできていると教わります。先生は自分の太もものタトゥーを生徒達に見せます。そこには古代の猛獣オーロックスが彫られていました。洞窟から赤ん坊を盗んで食べてしまうという獰猛なオーロックスの姿を、ハッシュパピーは凝視します。ある日、ウィンクがいきなり姿を消しました。いつまでたっても帰ってこない父親を待つハッシュパピーは、母親の服を椅子に掛け、まるで母親がそこにいるように話しかけます。母親は泳いでどこかへ行ってしまったと聞かされているハッシュパピー。しかし彼女には「お前がいい子でママは幸せよ」と言う母親の声が聞こえるのです。
ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~のネタバレあらすじ:承
ウィンクは戻って来ましたが、なぜか病院のガウンを来て手首にタグを着けています。ふらふらと歩く父親の後を追うハッシュパピーですが、家に帰れと怒鳴られます。ところがつけっぱなしにしていたコンロの火が原因で火事になり、ハッシュパピーは母親の服を持って逃げ出します。怒ったウィンクはその場に倒れ、驚いたハッシュパピーはバスシバ先生に助けを求めます。先生は大きな瓶に生薬を入れて手渡します。戻ると父親はいません。空を見上げると、嵐の前兆でみるみる曇っていきます。ハッシュパピーが見る幻想なのか、氷の中に埋まったオーロックスが海に落ちて流れて行きます。コミュニティーの人々は、避難するか残るかでもめています。ウィンクは、友人達のたまり場であるレディジョーの店で飲んでいました。彼は嵐が来ようがここに残ると言い張ります。しかし荒れ狂うハリケーンに小さな村はひとたまりもありません。暴風雨の中、ハッシュパピーはひたすら母親を呼び続けます。
ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~のネタバレあらすじ:転
嵐が去り、崩壊した家々を横目にボートで進むウィンクとハッシュパピー。ウィンクは、生き残るため素手で魚を獲る方法を伝授します。レディジョーに辿り着き、友人のウォラスやピーターTと再会を喜びます。バスシバ先生や他の子供達も無事でした。皆は亡くなった人々のお葬式をし、酒を飲んで過ごします。泣いて悲しむのは禁止なのです。バスシバ先生はバスタブを去るべきだと言いますが、ウィンクは反対します。しかし努力もむなしく、2週間もすると木々は枯れ家畜も死に絶えます。ウィンクとピーターT達は、堤防にダイナマイトを仕掛けます。ハッシュパピーが仕掛け線を引き堤防は爆発。バスタブから水が引いていきます。しかし土地は生き返らず、ウィンクの体調も悪化します。バスタブは強制撤去地区にされ、ハッシュパピー達は避難所へ収容されます。死期を悟ったウィンクは、避難所を抜け出す人達にハッシュパピーを託します。しかし彼女は父親から離れません。根負けしたウィンクは、ハッシュパピーと共に仲間達に連れられてバスタブへ帰ります。
ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~の結末
ハッシュパピーは、仲間の少女3人と一緒に海に飛び込みます。どれだけ泳いだのか、見知らぬ男の船に助けられました。ハッシュパピーは男に「ママを探しに行くの」と言います。男の目的地は、着飾った女達と酒やダンスを楽しむ男達で賑わう酒場でした。母親の面影を持つ1人のウェイトレスが、厨房でハッシュパピーにワニの唐揚げを食べさせてくれます。彼女にだっこされて夢心地のハッシュパピー。それでも父のために家に帰ると決め、少女達とバスタブに戻ります。ハッシュパピーの目に、追ってくるオーロックスが見えます。彼女はオーロックスと対峙します。オーロックスの穏やかな目を見たハッシュパピーは、彼らが自分の仲間だと気づきます。ウィンクは、ハッシュパピーがウェイトレスからもらった唐揚げを食べて息絶えます。ハッシュパピーは懸命に涙をこらえます。仲間達はウィンクを火葬にし、遺体を海に流して見送りました。葬儀に涙はありません。新しい生活を始めるため、ハッシュパピーを先頭に人々が歩み出します。
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