ブレージングサドルの紹介:1974年アメリカ映画。鉄道敷設のため、ロックリッジという西部の小さな町を襲撃し、住民を追い出すことにした検事ヘドリー・ラマー。彼の思惑で任命された黒人の保安官バートだったが、速撃ちで名を馳せたジムとともに町を敵から守ることに…。西部劇パロディ映画。
監督:メル・ブルックス 出演:クリーヴォン・リトル、ジーン・ワイルダー、ハーヴェイ・コーマン、マデリーン・カーン、スリム・ピケンズ、デヴィッド・ハドルストン、ほか
映画「ブレージングサドル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ブレージングサドル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ブレージングサドルの予告編 動画
映画「ブレージングサドル」解説
この解説記事には映画「ブレージングサドル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ブレージングサドルのネタバレあらすじ:起
西部開拓時代、州知事の補佐で検事のヘドリー・ラマーは鉄道敷設でひと儲けするため、ロックリッジという小さな町から人を追い出そうと画策していました。彼の手下のダカートに町を襲撃させ、追い打ちをかけるようにある人物を送り込みました。ロックリッジは敬虔なキリスト教徒の白人たちの町でした。殺害された保安官に代わり新しく町にやってきたのは、黒人の保安官バート。歓迎ムードは一気に冷え切り、バートは住人たちに罵られる始末。唯一ジムというかつて速撃ちの名人だった男だけはバートに優しく接してやりました。
ブレージングサドルのネタバレあらすじ:承
住人達は保安官にがっかりしていましたが、町を離れる気はありませんでした。ラマーはダカートの子分モンゴを町に送り込みますが、バートの賢い作戦のため、生け捕りにされ、眠らされてしまいました。さらに色仕掛けで狡猾なバートを丸めこもうと、ラリーはリリというショーガールを利用します。彼女もバートの虜になり、作戦は失敗。ラリーはとにかくモンゴを釈放するようにバートに書面を送ります。
ブレージングサドルのネタバレあらすじ:転
ラリーの命令にジムとバートは疑問を持ちます。モンゴを起こすと、彼の口からラリーの名前が。バートはラリーとともにかつて働いていた鉄道の建設現場へと赴くことにしました。そこで、ラリーがロックリッジから住人を追い出し、鉄道を作ろうとしていることがわかりました。銃殺されそうになったバートはジムの速撃ちのおかげで命拾いします。
ブレージングサドルの結末
ラマーは最終手段を講じます。前科持ちの悪党たちを集め、町に殴り込もうというのです。ジムとバートは逃げ出そうとする町の住人を何とか引き留め、町を守るためにある作戦を実行しようと持ちかけます。町から離れたところに別のニセモノの町を作り上げ、そこに悪党一味を誘いこもうというもの。住人達は人数の少なさに絶句しますが、バートのかつての親友チャーリーたち建設業の人々を取り込み、住人達は準備に取り掛かりました。夜明けにダカート率いる悪党一味がやって来ると、まんまと偽の町に入り込んでいきました。ジムが爆弾を狙い撃ち爆発させると、住人も銃器を片手に一味を一掃するために走ります。気付くとそこは現代のハリウッドスタジオ。時代とセット、現実と創作を超え、西部の人々は大乱闘を始めます。混乱に乗じて逃げようとするラリーは結局バートに銃殺されてしまいます。ロックリッジの町は建設作業員の人々も加えて無事に平和を取り戻し、解放されたバートはさすらいの旅人として荒野を駆けるのでした。
アメリカ人の底抜けの陽気さを一人で背負って立っていたかのような、かつてのメル・ブルックス監督の、この映画「ブレージングサドル」は、理屈もヘチマないドタバタ喜劇の爆笑ウエスタンですね。
とにかく、メル・ブルックスの監督作品には、随所に楽屋落ちの駄洒落が出てくるが、笑いのめして、いけしゃあしゃあと幕を下ろす賑やかさは、むしろ爽快と言ってもいいくらいだ。
自分も楽しむかわりに、他人も楽しませるという自信が、この作品にも満ち溢れているんですね。
舞台は、法も秩序もない西部のある町。
腹黒い知事(メル・ブルックス)は、縛り首寸前の黒人奴隷バート(クリーボン・リトル)を、保安官になれば見逃してやるという条件で、この町に送りこむのだった。
黒人の保安官では、町はますます不穏になり、住民たちは土地を捨てて出ていくだろうというのが、知事のねらいで、住民のいなくなったその土地を鉄道会社に売って、ひと儲けしようというハラなのだ。
だが、そうは問屋がおろさない。
バートは、監獄の常連ジム(ジーン・ワイルダー)と意気投合し、知事が送り込んだ無法者タガート(スリム・ピケンズ)一味に立ち向かうのだった。
そして、住民もいつしか二人を信用し始め、協力するようになり、ドタバタ喜劇の定番のパイ投げをやるかと思えば、ターザンが飛び出したり、踊り子のラインダンスが始まるかと思えば、ヒトラーまで派手に登場したりするのだ。
まるでサーカスのどんちゃん騒ぎのような大合戦が、いわば、この映画の見せ場なのだが、このなり振り構わぬドタバタのようで、そのくせ笑いのツボはちゃんと心得ているスマートさ。
まさに、メル・ブルックス監督の独壇場というところでしたね。