カルメンの紹介:1954年アメリカ映画。ビゼー作曲のオペラ『カルメン』を元にして舞台を第二次世界大戦中のアメリカ南部に移したオスカー・ハマースタインⅡ世作詞・脚本のオール黒人キャストのミュージカルをやはりオール黒人キャストで映画化。『バナナ・ボート』等で知られる歌手のべラフォンテは俳優としても『拳銃の報酬』等で野心的な仕事をしている。美しいドロシー・ダンドリッジは本作品により黒人女性として初めてアカデミー賞主演女優賞にノミネートされる。ただし、ジョーとカルメンの歌はべラフォンテとダンドリッジではなく吹き替えです。
監督:オットー・プレミンジャー 出演:ドロシー・ダンドリッジ(カルメン・ジョーンズ)、ハリー・ベラフォンテ(ジョー)、パール・ベイリー(フランキー)、オルガ・ジェイムズ(シンディ・ルー)、ジョー・アダムス(ハスキー・ミラー)、ブロック・ピーターズ(ブラウン軍曹)、ほか
映画「カルメン(1954年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「カルメン(1954年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「カルメン(1954年)」解説
この解説記事には映画「カルメン(1954年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
カルメンのネタバレあらすじ:起・カルメンがジョーを誘惑する
第2次世界大戦中。ジョーは、南部に駐屯する黒人部隊に所属する陸軍伍長で、近く飛行士になるべく飛行学校に転属の予定だ。今日は婚約者シンディ・ルーが面会に来た。基地隣接の軍需工場で働くカルメン・ジョーンズが昼休みにジョーを誘惑するが、婚約者にぞっこんのジョーは相手にしない。しかし同僚とけんかして国有財産のパラシュートを破損したカルメンをメイソンヴィルの判事の元へ護送することをジョーが命じられる。シンディと過ごす休暇がふいになったジョー。
自動車で護送される道すがらカルメンが二人で逃亡しようとさんざん誘惑するがジョーは聞く耳をもたない。ところが、小川に架かる橋が自動車の重みでつぶれてしまってそれ以上進めない。故郷の村が近くだからそこからメイソンヴィル行きの列車に乗ろうと言うカルメンにジョーは従う。カルメンの祖母の家でとうとうジョーはカルメンの魅力の前に屈して二人は結ばれる。だが翌朝カルメンは消えていた。「監獄はご免、だけど愛している」という置手紙を残して。
カルメンのネタバレあらすじ:承・ジョー、脱走兵となる
営倉に送られたジョーにシンディが面会に行く。しかし、ちょうどカルメンの贈った一輪のバラが届き、シンディはショックで去ってしまう。今やジョーはカルメンに夢中であった。
カルメンはナイトクラブ、「ビリー・パスターの店」でジョーが来るのを待っていた。町に寄った世界チャンピオンの座も近いボクサー、ハスキー・ミラーがカルメンに目をつけ、そのマネージャーのラム・ダニエルズが彼女にいっしょにシカゴへ行こうと誘う。シカゴはあこがれの都市。しかしカルメンはジョーへの恋ゆえに誘いを断る。ダニエルズがカルメンの友達のフランキーを連れて旅立ったところにちょうどジョーが現れた。
ジョーは飛行学校行きを許され、その夜出発しなければならないのに、カルメンはシカゴへ行こうと言い出す。ジョーを目の仇にする上官のブラウン軍曹がそこに現れてカルメンにちょっかいを出し、ジョーと殴り合いになる。軍曹をノックアウトしてしまったジョーは脱走兵としてカルメンとシカゴへ逃げる。
カルメンのネタバレあらすじ:転・私は自由
列車の音がうるさい安宿に隠れた二人だが甘い生活は長続きしない。カルメンはフランキーに借金するため、ハスキーのジムへ行った。フランキーはハスキーにたかることをすすめるが、カルメンはジョーへの愛ゆえにそれを嫌う。ブレスレットを売って金にして買い物をして帰る。しかし、ジョーは金の出所を怪しみ二人はけんかになる。ジョーの独占欲をうるさく感じたカルメンは、人の指図は受けないと言って安宿を出る。
カルメンは、フランキーやダニエルズといった取り巻きがたむろするハスキーのアパートへ。そこでトランプ占いでスペードの9を引いてしまう。死に神が自分に迫っていると確信したカルメンは残りわずかの人生を快楽にまかせて過ごすことを決意する。
カルメンの結末:死か自由か
ジョーを探すシンディがカルメンに会いにハスキーのジムへ来ると、ジョーもカルメンを取り返しに来る。ジョーはナイフをもってハスキーに襲いかかるがハスキーに殴られて倒れる。その時、脱走兵のジョーを追うMPが階段を上がってくる。ジョーは裏口から逃がされる。シンディはジョーが自分の元に帰ることを神に願うより他なかった。
ハスキーと南米ヘビー級チャンピオン、キッド・ポンチョの一戦が始まる。ジョーはMPの眼を逃れながら観客席へ。KO勝ちしたハスキーが退場する時、ジョーはカルメンを捕まえて物置に連れ込む。私たちの恋は終わったと言うカルメン。二人でやり直そうと言うジョー。今私を殺すか自由にさせるかしてと言うカルメンの首をジョーは絞めてしまう。愛する女を殺したジョーは縛り首しか望むものはない。MPに連れられてジョーは去っていくのだった。
以上、映画「カルメン」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する