キャット・ピープル(別題:猫人間)の紹介:1942年アメリカ映画。キスをするだけで豹に変身し、男性を殺すキャット・ウーマンではないのかと、自分を疑う妻のイレーナ。夫オリヴァーの同僚で彼を愛するアリスの身に不穏な出来事が…。変身の瞬間はけっして視覚化されず、光と影が恐怖をかきたてる。この作品の成功を手始めにプロデューサーのヴァル・リュートンを中心とするチームはRKO映画で革新的な低予算ホラー映画を次々と製作して一時代を築いた。ハリウッドではあまり成功しなかったフランス人女優シモーヌ・シモンだがこの作品の子猫顔は忘れがたい。西部劇やフィルム・ノワールでも傑作を残した監督ジャック・ターナーの代表作の一つでもある。
監督:ジャック・ターナー 出演者:シモーヌ・シモン(イレーナ)、ケント・スミス(オリヴァー)、ジェーン・ランドルフ(アリス)、トム・コンウェイ(ジャッド)その他
映画「キャット・ピープル(1942年)」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キャット・ピープル(1942年)」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「キャット・ピープル(1942年)」解説
この解説記事には映画「キャット・ピープル(1942年)」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キャット・ピープルのネタバレあらすじ:起・花嫁の不安
セントラル・パークの動物園の黒豹の檻の前でスケッチをしていたイレーナが書き損じを投げ捨てたのをとがめたのが、彼女とオリヴァーの出会いだった。造船会社で船の設計をするオリヴァーはその日、ファッション・デザイナーのイレーナが初めてアパートの自分の部屋に入れた男性になる。彼女の生まれ育ったセルビアの村に残る、神に背いた邪悪な者たちの伝説に耳を傾ける。
やがて二人は結婚し、雪の降る夜にアリスをはじめとするオリヴァーの会社の人たちがレストランに集まって結婚を祝う。その時、猫の雰囲気のある黒ずくめの女性が彼らのテーブルに近づき、花嫁に「私の妹」とセルビア語で呼びかけてレストランを出て行った。新郎新婦は帰宅するが、イレーナは妻になる心の準備ができるのを待ってほしいと夫に言う。彼女は自分の中に邪悪なものがあるように感じているからだ。二人は別々の部屋で寝る。
キャット・ピープルのネタバレあらすじ:承・キャット・ウーマンの伝説
オリヴァーに贈られたカナリアが死んでしまった。その亡骸をイレーナは黒豹の檻に投げ入れる。
イレーナは精神科医の診察を受けることにする。ジャッド博士に催眠術にかけられ、彼女の村の、恋した相手の男を殺さざるを得ない邪悪なキャット・ウーマンの伝説を話す。ジャッドはイレーナの問題は彼女が生まれる前に父親が事故で死んだことや彼女とその母親を子供たちがキャット・ウーマンだと言いふらしたことと関係あると言う。帰宅したイレーナはジャッドを夫に推薦したのがアリスと知り、彼女が夫婦の問題に首を突っ込むことに腹を立てる。オリヴァーは結婚以来のもめごとで自分のイレーナへの愛を疑い始めていた。
キャット・ピープルのネタバレあらすじ:転・尾行されるアリス
何かあると黒豹の檻の前に行くイレーナ。そして彼女はジャッドの元に通うのをやめていた。彼女と口論になってオリヴァーが会社に戻った夜、イレーナはオリヴァーが会社近くのコーヒーショップでアリスと話しているのを目撃する。二人が店を出た後、イレーナはセントラル・パークを歩くアリスを尾行する。アリスは何かに追われている気がしてバスに乗って逃れる。その夜、動物園では羊が殺害されているのが見つかる。
イレーナは、オリヴァー、アリスと三人で博物館に行った日の夜、再びアリスを尾行する。アパートの地下のプールに行ったアリスは、階段を降りる怪しい影におびえてプールに飛び込む。照明が消え大きな猫の黒い影が見えた後、照明が点き、そこにはイレーナがいた。そしてアリスのローブがズタズタにされていた。
アリスはジャッドに相談する。イレーナは本当にキャット・ウーマンなのでは。だが、ジャッドはそれをイレーナの空想とみなして相手にしない。
キャット・ピープルの結末:イレーナの真実
再びジャッドの診察を受けたイレーナはオリヴァーとの生活をやりなおそうとしたが遅かった。オリヴァーは、自分はアリスを愛していると告げ、イレーナは打ちひしがれる。しかし、イレーナの精神に異常があるとすると離婚はできない。ジャッドが再びイレーナを診察することになる。オリヴァー、アリス、ジャッドはアパートでイレーナを待つが約束の時間を過ぎても彼女は帰らない。仕事に戻ったオリヴァーとアリスは夜のオフィスで黒豹に脅かされるが、オリヴァーがT定規を振りかざし神にかけて出ていくように願うと黒豹はいなくなった。
アパートに帰ったイレーナを待っていたのはジャッドだった。彼はイレーナを誘惑しキスするが、イレーナの変身した黒豹に襲われて死ぬ。ジャッドの仕込み杖で肩に傷を負ったイレーナはあらかじめ盗んでいた鍵で黒豹の檻を開けるが黒豹に襲われて命を落とし、黒豹も自動車にはねられて死ぬ。アリスとオリヴァーが動物園にかけつけ、イレーナの言っていたことが嘘でなかったことを知る。
以上、映画「キャット・ピープル」のあらすじと結末でした。
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