チキ・チキ・バン・バンの紹介:1968年アメリカ映画。『007』シリーズの生みの親として知られるイアン・フレミング原作の童話を映画化したミュージカル作品です。2人の子を持つ夢想家の発明家が突然意思を持った改造オンボロ車「チキ・チキ・バン・バン」で子供たちや金持ちの令嬢と共に冒険の旅に出ます。
監督:ケン・ヒューズ 出演者:ディック・ヴァン・ダイク(カラクタカス・ポッツ)、サリー・アン・ハウズ(トルーリー・スクランプシャス)、アドリアン・ホール(ジェレミー・ポッツ)、ヘザー・リプリー(ジェマイマ・ポッツ)、ライオネル・ジェフリーズ(バンジー・ポッツ)、ゲルト・フレーベ(ボンバースト男爵)、アンナ・クエイル(男爵夫人)、ロバート・ヘルプマン(チャイルドキャッチャー)、ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス(スクランプシャス卿)、ベニー・ヒル(おもちゃ職人)、デスモンド・リュウェリン(ミスター・コギンズ)ほか
映画「チキ・チキ・バン・バン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「チキ・チキ・バン・バン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
チキ・チキ・バン・バンの予告編 動画
映画「チキ・チキ・バン・バン」解説
この解説記事には映画「チキ・チキ・バン・バン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
チキチキバンバンのネタバレあらすじ:起
20世紀初頭のイギリス。少女ジェマイマ(ヘザー・リプリー)と少年ジェレミー(アドリアン・ホール)のポッツ兄弟は、ガラクタ業者のミスター・コギンス(デスモンド・リュウェリン)の店に置いてあるオンボロ車が大好きでした。
この車は元々グランプリで幾度も優勝したことのあるレーシングカーでしたが、あるレースで事故を起こしたことを機に廃車となっていたのです。コギンスはこの車を屑鉄業者に30シリングで売ることにしていましたが、ジェマイマとジェレミーは車が屑鉄にされることを惜しみ、自分たちが30シリングを出して買い取ると宣言してしまいます。
その後、店を出たジェマイマとジェレミーは危うく1台の車に轢かれそうになりました。車を運転していたのは社長令嬢のトルーリー・スクランプシャス(サリー・アン・ハウズ)であり、トルーリーはジェマイマとジェレミーには母がいないこと、二人が学校に行っていないことを知ると、二人の父に注意しに行きました。
ジェマイマとジェレミーの父カラクタカス・ポッツ(ディック・ヴァン・ダイク)は夢想家の発明家で、お人好しなのですが発明品はどれも失敗作ばかりでした。ポッツはなぜ子供たちを学校に行かせないのか問うトルーリーに「私の子だからあなたには関係ない」と返し、トルーリーは呆れ返って去っていきました。
ポッツはあんなお節介な女はもう二度と来ないだろうと清々しますが、ジェマイマとジェレミーは美人であるトルーリーを気に入った様子でした。
チキチキバンバンのネタバレあらすじ:承
ジェマイマとジェレミーは早速ポッツにあのオンボロ車を買ってほしいと頼み、ポッツは高額な購入資金を得ようとトルーリーの父スクランプシャス卿(ジェームズ・ロバートソン・ジャスティス)が経営する製菓会社に自分の発明した「音が出る笛キャンディ」を売り込みました。トルーリーの助けもあって売り込みには成功しましたが、工場に愛犬のエジソンが野良犬たちを引き連れて乱入したために商談はボツになってしまいました。
それでもポッツは子供たちの望みを叶えて上げようと近所の祭りに自動散髪器を売り込みましたがこれも失敗してしまいます。ポッツは何とか金を集めようと舞踏団に紛れ込み、団員のフリをして見事な踊りを披露しました。
こうして見物客から見事30シリングを手に入れたポッツは約束通りオンボロ車を買い取り、改造して素敵な車に変身させました。ポッツはこの車に「チキ・チキ・バン・バン」と名付け、ジェマイマとジェレミー、そしてトルーリーを乗せて海へピクニックに向かいました。
一行は海でランチを楽しみ、ジェマイマはポッツに海賊の話をしてほしいとせがんできました。ポッツは海に浮かぶヨットを見て「あの船はバルガリア国の君主で世界一の悪党ボンバースト男爵(ゲルト・フレーベ)の船だ。男爵はこの発明王ポッツの車を盗むつもりだ」と聞かせました。すると本当にボンバースト男爵が「チキ・チキ・バン・バン」を奪おうとし、「チキ・チキ・バン・バン」は何と船に変形して男爵の手から逃れることに成功しました。
「チキ・チキ・バン・バン」は海を快調に進んだのち再び陸地に戻り、元の車に戻って走っていきました。どうしても「チキ・チキ・バン・バン」が欲しいボンバースト男爵はスパイ二人に強奪を命じ、ポッツの家に潜入させますか、スパイは誤ってポッツの父バンジー(ライオネル・ジェフリーズ)を誘拐してしまいます。
バンジーは男爵の飛行船に乗せられ、ポッツは子供たちやトルーリーと共に後を追いました。すると今度は「チキ・チキ・バン・バン」は空飛ぶ車へと変形、飛行船を追ってバルガリアに入りました。
チキチキバンバンのネタバレあらすじ:転
ボンバースト男爵の城に連行されたバンジーは24時間以内に空飛ぶ車を作るよう強要され、失敗したら処刑すると脅されました。その一方で空飛ぶ「チキ・チキ・バン・バン」を発見したボンバースト男爵と男爵夫人(アンナ・クエイル)はその中に子供たちが乗っていることに気付き、“チャイルドキャッチャー(子供さらい)”(ロバート・ヘルプマン)を招集しました。
一方、バルガリア入りしたポッツたちは町に子供がいないことに疑問を持ちました。そこにチャイルドキャッチャーが兵隊を引き連れて現れ、ポッツたちは間一髪で親切なおもちゃ職人(ベニー・ヒル)に匿われました。おもちゃ職人はこの国では男爵夫人の方針により子供たちは連れ去られることになっているのだと説明しますが、子供たちの匂いを嗅ぎ付けたチャイルドキャッチャーがおもちゃ職人の家に上がり込んできました。地下室に隠れたポッツたちは人形のフリをして何とかやり過ごしますが、「チキ・チキ・バン・バン」は兵隊に押収されて男爵の城へと運ばれてしまいました。
ポッツは「チキ・チキ・バン・バン」とバンジーを取り戻すべく、おもちゃ職人の案内で単身で城へと向かいました。トルーリーと子供たちは留守番することにしましたが、トルーリーが外に見回りに出かけている間に子供たちはチャイルドキャッチャーに捕まってしまいました。トルーリーは急を知らせるためポッツに合流、二人はおもちゃ職人の手引きで男爵の城の真下にある洞窟に入りました。
そこには男爵夫妻に家族をさらわれ、おもちゃ職人に匿われた沢山の子供たちがいました。ポッツは子供たちに決して希望を見失ってはいけないと励まし、共にボンバースト男爵を倒そうと誓い合いました。
翌日はボンバースト男爵の誕生日。おもちゃ職人は男爵へのプレゼントとして精巧なゼンマイ仕掛けのオルゴール人形に扮したポッツとトルーリーを送り込みました。ポッツは浮かれて踊り出したボンバースト男爵にロープを括り付けて天井に宙吊りにし、これを合図に一斉に子供たちや町の大人たちが城内に雪崩れ込みました。
ボンバースト男爵と夫人は町の人々に捕らえられ、ポッツとトルーリーは混乱の最中に子供たちとバンビーを助け出し、空飛ぶ車へと変形した「チキ・チキ・バン・バン」に乗って空へと飛び立ちました。ポッツたちは自由と平和を取り戻したバルガリアの人々に見送られてイギリスへと帰っていきました…。
チキチキバンバンの結末
…これまでの出来事は全てポッツの夢物語でした。語り終えたポッツに、子供たちは「最後はパパとトルーリーが結婚して幸せに暮らしたんでしょ?」と茶化しました。トルーリーを家まで送ったポッツは、いつしか自分は彼女に惹かれていることに気がつきましたが、金持ちの彼女と失敗続きの自分とでは住む世界が違うと考え、トルーリーへの想いを胸の奥にしまっておくことにしました。
ポッツは家に戻ると、そこでは何とバンジーがスクランプシャス卿と兵隊ごっこをして遊んでいました。ポッツが発明したキャンディは犬用キャンディとして大好評を得ており、スクランプシャス卿は契約書にサインを求めました。
喜んだポッツはサインする前にトルーリーに伝えるため外に出ると、途中で父から話を聞いてポッツ家に向かっていたトルーリーと鉢合わせしました。ポッツはトルーリーに想いを伝え、夢を見ることも大事だがこれからは地に足をつけて生きていくと決意を伝えました。
「チキ・チキ・バン・バン」は二人を祝福するかのように本当に空へと舞い上がり、結ばれたポッツとトルーリーは地上に向かって手を振りながら家へと飛んでいきました。
以上、映画「チキ・チキ・バン・バン」のあらすじと結末でした。
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