暴力の季節の紹介:1956年アメリカ映画。21歳まで生き延びられるか危ぶまれる18歳の不良を映画監督としても知られることになるジョン・カサヴェテスが演じて注目される。仲間の不良少年のマーク・ライデルも『黄昏』(1981年)等の監督になる。ほとんど主人公の住むアパートとその周囲のセットの中だけで緊密なドラマが展開する。
監督:ドン・シーゲル 出演者:ジョン・カサヴェテス(フランキー)、サル・ミネオ(アンジェロ)、マーク・ライデル (ルー)、ジェームズ・ホイットモア(ベン・ワグナー)、ピーター・ヴォトリアン(リッチー)ほか
映画「暴力の季節」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「暴力の季節」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「暴力の季節」解説
この解説記事には映画「暴力の季節」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
暴力の季節のネタバレあらすじ:起
ニューヨークの貧しい人たちが住む一角。不良少年グループ間のケンカが起きる。ホーネッツは敵グループの少年を一人捕虜にして路地でリンチを加える。しかしホーネッツの一人、レニーが手製ピストルで捕虜を脅しているのを彼と同じアパートに住むマカリスター氏が見て、警察に通報する。警察はレニーの家でレニーを逮捕する。ホーネッツのリーダー、フランキーも同じアパートに住んでいる。家族は母親と弟一人。弟のリッチーは兄を慕っているが、兄は弟を疎んじる。レストランの仕事で疲れ切っている母はフランキーが仕事を探しもしないのを嘆いている。フランキーはマカリスターに何の恨みがあってレニーのことを警察に話したのかと問い詰めるが、不良は暴力で性根をでたたき直すべきと考えるマカリスターはフランキーにビンタをくらわす。人に体を触れられるのが嫌いなフランキーはこれに怒りマカリスターの殺害を決意し、最も信頼する仲間、ルーとアンジェロの二人に協力を命じる。そんなだいそれたことを彼らはしたことがないので二人は嫌がるが、結局フランキーに従うことにする。とりわけ、年下であだ名が「ベイビー」のアンジェロは臆病者とフランキーに思われたくなくて逆らえなかった。
暴力の季節のネタバレあらすじ:承
翌日ホーネッツの他のメンバーにもアリバイ作りを依頼したが彼らは重大犯罪を恐れてフランキーから離れる。リッチーはソーシャルワーカーのベン・ワグナーに兄が誰かを殺そうとしているようだと相談する。前々からフランキーのことを気にかけていたワグナーはフランキーの力になろうとするが、フランキーは拒絶する。フランキーはあえて自分のアパートの横の路地で、その夜に殺人を決行することにする。ルーとアンジェロを集めて予行演習をする。倒れたアンジェロがうめき声を上げ、心配して近づいた通行人をルーが抑え込む。だがリッチーがそれを目撃してしまう。
暴力の季節のネタバレあらすじ:転
ワグナーはフランキーの母に相談する。彼はフランキーが誰を殺そうとしているのか探りたかった。だが、母親も長男をどうあつかっていいかわからなかった。アンジェロの姉のマリアもフランキーの力になろうとするが、フランキーは心を閉ざす。 ワグナーはフランキーの横に座り、フランキーに諭す。8歳の時に父親が家を出て行って母親が幼いリッチーにかかりっきりになり、母親に見捨てられた気分になったフランキーは、人に注目してもらうために自分と同じような仲間を集めて悪さをするようになったのだと。だが、このままでは野垂れ死にして憐れみを買うだけ、人に注目してもらいたいなら人に愛されることをしろと。
暴力の季節の結末
午前2時頃、ボウリング帰りのマカリスターを三人は路地で待ち受ける。マカリスターが来た。予定通りアンジェロが路地にマカリスターをおびき出し、ルーがつかまえる。だが、フランキーがナイフを突き刺そうとしたとき、リッチーが出てきて兄を押しとばす。怒ったフランキーは弟の首にナイフを当てるが、「お兄さんが大好きだ」という弟のことばに目覚めて弟を抱きしめる。逃げ出していたマカリスターが警官に話をしているところに、駆けつけたワグナーに導かれてフランキーは歩んでいく。
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