都会の牙の紹介:1949年アメリカ映画。遅効性の毒を盛られた男が犯人を探すという、斬新なプロットのフィルム・ノワール。「作中で使われている毒薬は実際に存在する」と最後にクレジットが出る。本作は1969年と1988年にリメイクされていて、1988年版は原題通り「D.O.A.」のタイトルで日本公開された。
監督:ルドルフ・マテ 出演:エドモンド・オブライエン(フランク・ビグロウ)、パメラ・ブリットン(ポーラ・ギブソン)、リン・バゲット(フィリップ夫人)、ウィリアム・チン(ハリデー)、ルーサー・アドラー(マジャク)、ネヴィル・ブランド(チェスター)、ビヴァリー・キャンベル(フォスター)、ほか
映画「都会の牙」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「都会の牙」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
都会の牙の予告編 動画
映画「都会の牙」解説
この解説記事には映画「都会の牙」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
都会の牙のネタバレあらすじ:起
会計士で公証人の業務も行なっているフランク(エドモンド・オブライエ)はかなりの女たらし。秘書のポーラ(パメラ・ブリットン)とも男女の仲ですが、浮気心も抑えきれません。休暇を取ってサンフランシスコに出かけたのも、ポーラ以外の女性と知り合ってアバンチュールを楽しむためでした。
ホテルに着くとポーラが電話してきて、ある男が連絡を取りたがっていると知らせますが、フランクは仕事のことなど後回しでした。向かい部屋の男女のグループと合流した彼はジャズクラブへ遊びに行きます。そしてある女性を口説こうとしていた時、秘かにある男がフランクの酒のグラスに近寄り、自分のものと取り替えます。
フランクは知らずに中身を飲み干すと、クラブの喧騒が嫌になって1人ホテルへ帰ります。
都会の牙のネタバレあらすじ:承
フランクはぐっすり眠ったものの、朝になって調子が悪くなりました。不安になって病院で精密検査を受けてみると、驚くべき結果が出ます。蛍光毒という毒薬が自分の体内から検出されたというのです。
この毒は遅効性のもので、1日から1週間で内蔵が侵され、死に至ります。早く胃の洗浄をすれば助かりますが、フランクの場合はもう吸収されているために不可能でした。診断が信じられず、彼は別の病院へ行きますが結果は同じです。
誰かに酒に混ぜて飲まされたと聞いた医師は警察に連絡し、フランクを入院させようとします。しかし、焦燥感を覚えた彼は病院を逃げ出しました。その絶望はやがて怒りに変わり、フランクは自ら犯人を見つけ出そうと決心します。
都会の牙のネタバレあらすじ:転
フランクはまず昨夜の店に行きますが、閉店していて埒が明きません。同行した男女のグループはホテルをチェックアウトしていますし、手がかりはそこで途切れたように思えました。
落胆してポーラと電話で話していると、昨夜フランクに連絡を取ろうとした男が自殺したという知らせを聞きます。それが自分の事件と関わりがあると考えたフランクはロサンゼルスに飛行機で移動し、その男、ユージーン・フィリップスが代表を務める会社を訪問します。
ハリデーという経理部長、それにフィリップスの未亡人にも会いますが、フィリップスのフランクへの用件が何だったのか知っている人間はいません。自殺の理由はレアメタルのイリジアムの売買にまつわることで、フィリップスは盗品を売った疑いをかけられていたようです。
都会の牙の結末
それが自分に何の関わりがあるのか不思議でしたが、やがてポーラの次の電話でフィリップスのへのイリジアムの売渡しに関する書類をフランクが公証人として扱った事が判明します。その絡みで調査を進めるうち、実はハリデーとフィリップスの未亡人が浮気をしており、フィリップスはそれに勘付いたために殺されたことが判明します。
ハリデーたちはイリジアムの偽物を売りつけたせいでフィリップスが自殺したように見せかけたため、その売渡しの事情を知っているフランクが邪魔になったのでした。
フランクはギャングたちに邪魔されながらもハリデーを追いつめ、その命を奪います。その後、警察に出向いた彼は事情を全て告白。そして最後に「どうかポーラに…」と口にすると、そのまま床に崩れ落ちます。
彼に関する報告書には「D.O.A(到着時死亡)」と記録されました。
以上、映画「都会の牙」のあらすじと結末でした。
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