デイジー・ミラーの紹介:1974年アメリカ映画。1879年に発表されたヘンリー・ジェイムズの古典小説『Daisy Miller』を原作に製作された文芸ドラマです。19世紀のスイスとイタリアを舞台に、ヨーロッパで長く暮らしているアメリカ人青年が同じくアメリカからやってきた奔放で美しい女性に翻弄される様を描きます。
監督:ピーター・ボグダノヴィッチ 出演者:シビル・シェパード(デイジー・ミラー)、バリー・ブラウン(フレデリック・フォーサイス・ウィンターボーン)、デュリオ・デル・プレト(ジョヴァネリ)、クロリス・リーチマン(エルザ・ミラー)、ミルドレッド・ナトウィック(コステロ夫人)、アイリーン・ブレナン(ウォーカー夫人)ほか
映画「デイジー・ミラー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デイジー・ミラー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デイジー・ミラーの予告編 動画
映画「デイジー・ミラー」解説
この解説記事には映画「デイジー・ミラー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デイジー・ミラーのネタバレあらすじ:起
19世紀のスイス・ジュネーブ。ヨーロッパで長年暮らしているアメリカ人青年のフレデリック・フォーサイス・ウィンターボーン(バリー・ブラウン)は、湖畔のホテルで同じアメリカ人の少年ランドルフ(ジェームズ・マクマーティ)と知り合いました。フレデリックはこの地に住む叔母のコステロ夫人(ミルドレッド・ナトウィック)に会いに来たのです。程なくしてフレデリックの前にランドルフの姉デイジー・ミラー(シビル・シェパード)と会い、その美しさにすっかり魅了されてしまいました。
デイジーはこれからイタリア・ローマへ旅に出る予定であり、まだ幼いランドルフの面倒は母エルザ(クロリス・リーチマン)に見てもらうつもりでした。フレデリックはデイジーを街の観光にガイドとして連れて行く約束をしました。しかし、フレデリックからデイジーの話を聞いたコステロ夫人は、自由奔放なデイジーとは付き合うべきではないと忠告しました。
デイジー・ミラーのネタバレあらすじ:承
翌日、それでもフレデリックはデイジーに会いに行き、二人で湖の遊覧船に乗り、古城の内部を見学して回りました。忙しなく歩き回るデイジーにフレデリックはなかなか落ち着いて会話するチャンスを見いだせず、それでも何とか一緒にローマへ行く約束をしました。
ローマ。フレデリックはコステロ夫人から、悪い噂ばかりがまことしやかに流れているデイジーがとあるイタリア人男性と親密な関係になっているらしいと聞きつけました。
翌日、ウォーカー夫人(アイリーン・ブレナン)の屋敷のお茶会に参加したフレデリックは、デイジーがイタリア人男性のジョヴァネリ(デュリオ・デル・プレト)と公園に行く約束をしていることを知りました。デイジーに誘われるがままに公園に向かったフレデリックは、成り行きからジョヴァネリを交えて三人で散歩することになりました。その様子を見ていたウォーカー夫人はフレデリックを呼びつけ、あんな女と付き合えば身の破滅を招くと忠告されました。さらにウォーカー夫人はデイジーの母エルザの育て方や教養のなさにまで批判の矛先を向け、しかしデイジーへの想いを捨てきれないフレデリックはウォーカー夫人を振り切ってデイジーの元に向かいました。
デイジー・ミラーのネタバレあらすじ:転
フレデリックはデイジーとジョヴァネリがキスする様子を見てしまい、激しく動揺してしまいます。その夜、ウォーカー夫人が主催したパーティーにデイジーがジョヴァネリを伴って現れ、フレデリックからジョヴァネリとの関係を問われたデイジーは「彼はそんなことを口にしない」と告げ、ジョヴァネリから誘われてその場を後にしました。激怒したウォーカー夫人はデイジーの挨拶をも無視、二度と彼女を客間に入れないと告げました。
フレデリックは周囲からデイジーとは縁を切るよう忠告されましたが、それでも彼女を諦めきれないフレデリックは、エルザからまるでデイジーとジョヴァネリは婚約者同士のようだと言われて落ち込んでしまいます。その後、フレデリックは直接デイジーに会ってジョヴァネリと婚約したのか尋ねてみたところ、彼女は婚約していると言いながらも冗談だと煙に巻きました。その夜、ふと立ち寄ったコロッセオにデイジーとジョヴァネリの姿を見つけたフレデリックは、近頃マラリアが蔓延しているので注意した方がいいと言っておきました。
デイジー・ミラーの結末
フレデリックは友人のチャールズ(ニコラス・ジョーンズ)に明日ジュネーブに戻ると伝え、ウォーカー夫人に挨拶しようとしたところ、デイジーがマラリアに感染したことを知り、彼女の元へ見舞いに向かいました。そこでフレデリックはエルザから、実はデイジーはジョヴァネリとは婚約していないこと、そして自分が感染してからジョヴァネリは自分を連れ出したことを責められるのが怖くて近づきすらもしないことを伝えられました。その数日後、デイジーは息を引き取りました。
デイジーの葬儀に参列したフレデリックはジョヴァネリから、あんな美しい女性に会ったのは初めてだと言いつつも、彼女との結婚はあり得ないことだったと告げられました。そしてあの日、二人でコロッセオに行っていたのはデイジーに頼まれたことだったとジョヴァネリは打ち明けました。その後、フレデリックは叔母から愛情を示せば受け入れられたと思うか?と聞かれ、外国暮らしが長過ぎたことで過ちを犯してしまったと答えました。
以上、映画「デイジー・ミラー」のあらすじと結末でした。
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