デストラップ・死の罠の紹介:1982年アメリカ映画。アイラ・レヴィンの同名舞台劇を映画化。巧妙に仕組まれた殺人劇が二転三転するミステリー作品。落ち目の劇作家シドニーのもとに、ある日教え子クリフォードの原稿が送られて来る。その素晴らしさに、シドニーはクリフォードを殺害して作品を奪おうと考えた。妻マイラの必死の説得もシドニーには届かず、ついに彼はクリフォードを殺害してしまうのだが。
監督:シドニー・ルメット 出演者:マイケル・ケイン(シドニー・ブリュール)、クリストファー・リーヴ(クリフォード・アンダーソン)、ダイアン・キャノン(マイラ・ブリュール)、アイリーン・ワース(ヘルガ・テン・ドープ)、ヘンリー・ジョーンズ(ポーター・ミルグリム)ほか
映画「デストラップ・死の罠」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デストラップ・死の罠」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
デストラップ・死の罠の予告編 動画
映画「デストラップ・死の罠」解説
この解説記事には映画「デストラップ・死の罠」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デストラップ・死の罠のネタバレあらすじ:シドニーの企み
舞台はアメリカ、ニューヨーク州イースト・ハンプトン。スリラー専門の劇作家シドニー・ブリュールは、新しい戯曲を酷評され、荒れに荒れていました。プロデューサーからも激怒され、テレビの劇評でもこき下ろされた彼は、かつての名声も失う勢いです。
妻マイラの金で生きていくのはプライドが許しません。そんな折、教え子のクリフォード・アンダーソンから批評を求める原稿が届きます。「死の罠」と題された脚本は、文句のつけようがないほど完璧な内容でした。シドニーは自分が人気劇作家として返り咲くため、クリフォードを殺害して作品を奪おうと画策します。
クリフォードに電話をかけたシドニーは、誰にも原稿を見せていないこと、コピーも取っていないことを聞き出しました。ブリュール家にやって来たクリフォードはいかにも好青年で、飾ってある劇の小道具に興味津々な様子です。シドニーは芝居を挟みながら巧みにクリフォードを油断させ、彼を絞殺してしまいました。
最後まで殺害に反対していた妻マイラは酷いショックを受けます。そんなマイラに無理やり手伝わせ、シドニーはクリフォードの遺体を野菜畑に埋めました。
デストラップ・死の罠のネタバレあらすじ:意外な共犯者
家に戻り、ショックを拭えないマイラが離婚話を持ち出すと、思いがけない客がやって来ます。それは近所に住む霊媒師ヘルガ・テン・ドープでした。彼女は「痛みを感じるわ」と呟きながら室内をウロウロ歩き回り、シドニー達の不安を煽ります。そしてマイラに体に気を付けるよう忠告し帰っていきました。
夫妻は動転する心を落ち着けるように寝室へ入ります。すると窓から突然、泥にまみれたクリフォードが現れました。彼は生きていたのです。クリフォードは握っていた木の棒でシドニーを昏倒させると、猛然とマイラに襲い掛かります。逃げ惑うマイラは元々心臓が弱かったこともあり、心臓麻痺を起こして死亡してしまいました。
マイラを見下ろすクリフォードの背後にシドニーが立ちます。クリフォードは「うまくいったね」とシドニーに呟きました。実はシドニーとクリフォードは初めから共犯者であり、愛人関係にありました。全てマイラの保険金を目当てに仕組んだ芝居だったのです。
その後、シドニーは愛妻を亡くした悲劇の夫を演じながら葬儀を済ませ、クリフォードを秘書として家に住まわせることにしました。とはいえ執筆しているのは専らクリフォードで、シドニーには特にすべきことがありません。
デストラップ・死の罠のネタバレあらすじ:クリフォードの原稿
そんな毎日が続いたある日、顧問弁護士のポーター・ミルグリムが訪ねて来ました。彼はクリフォードが書きかけの原稿を机の引き出しに入れ、しっかり施錠したところを目撃します。違和感を覚えたポーターは、アイディアを盗まれるなとシドニーに警告して帰っていきました。
シドニーはクリフォードの留守を狙って何とか机の引き出しを開けようとしますが、上手くいきません。そこで一計を案じ、仕事中のクリフォードの隙を突いて原稿をすり替えることに成功しました。原稿に目を通したシドニーは驚きと怒りに震えます。クリフォードが執筆していた「死の罠」は、マイラの死にまつわる出来事をそっくりそのまま描いたものだったのです。
こんなものを公表すれば間違いなく終身刑だと喚き散らすシドニー。しかしクリフォードは、疑われるほど劇がヒットすると平然と言い放ちました。反対するシドニーに、クリフォードはブリュール家を出て別の所で執筆すると脅します。シドニーは従うしかありません。
デストラップ・死の罠のネタバレあらすじ:攻防
夜。ロウソクを求めて訪ねて来たヘルガは、クリフォードを見てシドニーに「彼は危ないわ」と警告します。シドニーはクリフォードを本当に殺害することにしました。
「死の罠」の結末について考えるふりをしながら、クリフォードに拳銃を突きつけます。怯えるクリフォードを追い詰め、「さよなら」と引き金を引くシドニー。しかし銃弾は発射されません。すると絶望の顔を浮かべていたクリフォードがニヤリと笑いました。
シドニーの思惑に気付いていた彼は、予め弾を別の銃に移し替えておいたのです。その銃を手に取ったクリフォードは、シドニーを椅子に座らせ、手錠で拘束しました。劇が当たればそれで良いと考えるクリフォードは、シドニーを警察に突き出すつもりはないようです。
デストラップ・死の罠の結末:成功者
荷造りのため2階へ行ったクリフォードの姿が見えなくなると、シドニーは素早く拘束を外し、ボウガンを手に取りました。そして戻って来たクリフォードの背にボウガンを発射します。矢を受けたクリフォードはその場に倒れました。シドニーが急いで後始末しようとすると、酷い嵐の影響で停電してしまいます。
苛立つシドニーの前にロウソクを持ったヘルガが現れました。「元凶は あなただったのね」と銃を向けるヘルガ。シドニーは短剣を構えます。すると虫の息だったクリフォードがヘルガの足を掴んで引き倒しました。
稲光の中、振り下ろされる斧と突き刺さる短剣。折り重なって息絶えるシドニーとクリフォード。
すると舞台の幕が降り、観客の拍手喝采が鳴り響きます。ヘルガは大ヒットだと喜びました。あの夜を唯一生き残ったヘルガが、「死の罠」を完成させたのです。鳴り止まない拍手の中、この映画は終幕を迎えます。
以上、映画「デストラップ・死の罠」のあらすじと結末でした。
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