ゴーストシップの紹介:2002年アメリカ映画。別題:ゴーストシップ/呪われた豪華客船。1962年、「アントニア・グラーザ号」という名の豪華客船で大量殺人が起きた。しかしその船は何故か、その後行方不明となったまま消息不明となるのである。そして現代、一人の謎の男性が一隻の船を見つたからと、その船を引く作業をマーフィン率いるチームに依頼してくる。しかしそれは、男性が仕組んだ恐ろしい罠だったのだ。
監督:スティーヴ・ベック 出演:ジュリアナ・マルグリーズ、ガブリエル・バーン、ロン・エルダード、イザイア・ワシントン、デズモンド・ハリントンほか
映画「ゴーストシップ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ゴーストシップ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ゴーストシップの予告編 動画
映画「ゴーストシップ」解説
この解説記事には映画「ゴーストシップ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【1962年】
1962年「アントニア・グラーザ号」は、ヨーロッパの社交界を代表する乗客ばかり600名以上も乗せ優雅な旅をしていた。またクルーだけでも、500人もの人が船で働いていたのである。その夜もいつもの様に、豪勢な料理と歌、そして広い甲板では楽しくダンスをする人々が居た。すると突然、何者かによって仕掛けられていたワイヤーが外され、ワイヤー一気に甲板を水平に横切った。甲板に居た人達は胴体や首など、切断され甲板は血の海となる。一人旅をしていたケイティの目の前で、一緒に踊っていた船長も口から上が切れずり落ちて死んでしまうのだ。ケイティだけは背が低くワイヤーの切断から免れた。目の前で起きた出来事に恐怖で悲鳴を上げる、しかし助けは誰も来なかった。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【現代】
マーフィンの会社では、船を引き揚げて儲けを得る仕事をしていた。一仕事終えて酒場でくつろいでいる所へ、一人の男が近寄りベーリング海峡に浮かんでいる1隻の大型船を引っ張って来て欲しいと依頼するのである。マーフィンは男性に条件を聞くと、発見料として20%の取り分を要求してきた。船員達は話し合い、自分達の取り分が多い事を聞き、最初は嫌がっていたが乗り切りになった。マーフィンは「発見料は20%でなく10%なら引っ張ってきてやる」と新たな条件を出した。すると男性は「そんな不利な条件は呑めない、しかし自分も連れて行けばそれでも良い」と言って、交渉は成立する。男の名前はフェリマンといったが、身元など何も分からない謎の男であった。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【船を探しに】
難破船を探しにベーリング海峡へと旅立ったマーフィン達、するとレーダーに船の影が映り無線で船に誰か乗っていないか呼びかけるが応答がない。その時いきなり目の前に大きな船が突然現れ、マーフィンの船は衝突してしまうのだ。「なんて美しいんだ」とその船を見て驚くマーフィンに、エップスは「知っている船なの?」と問う。するとマーフィンは話し続けた「速度で劣るイタリアは代わりに美を追求した、それがこの海に浮かぶ宮殿だ。ラグラドール沖で消息を絶った、救難信号も無線連絡もなく、ただ忽然と姿を消したそれ以来船乗りたちは誰もがこの船を探し続けた夢の船だ」と言った、それが「アントニア・グラーザ号」である。船乗り達が探がし求めた夢の船なのには理由があった、海事法では船は見つけた者に所有権があったからである。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【船内捜索】
早速、船を引っ張る準備をする為に、長年風雨にさらし続けられた船に損傷が無いか船の中を探索する。長年の放置で中は荒れ果てていた。
船内を進み操舵室を見つけ中に入るが、床が腐っておりマンダーが落ちかけたが、寸前の所でエップスが腕を掴み必死で引き揚げていると、下の階に女の子が立ってこちらを見上げているのを見つけエップスは驚く。操舵室には遭難した時代には無かったデジタル時計が置いてあった。この船には先客が居たという事を示していたが、誰も不審に思わなかったのだ。分かった事は、救命ボートが一隻足らず残っていなかった事、コンパスも壊れ舵も聞かない事、そしてガス欠になるまで全速力で船は走っていた事が分かった。エップスに航海日誌を探して欲しいとマーフィンが頼むが、先程の少女が気になって耳に入らかなったのだ。マーフィンが心配するが、「大丈夫」と少女の事は言わなかった。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【幽霊船の話】
戻って来たマーフィンにフェリマンが「あの船に何があった?何故突然こんな所に」と問う。するとマーフィンはある船の話を始めるのである。それは「マリンセレスト号」という船の話で、南北戦争時代に船倉に綿を詰め込んで、サウスカロライナのチャールスストーン港を出港しロンドンへと向かったが、2か月後トリプル沖で漁師たちがその船が強風の中、時速22キロで進んでいる所を目撃する。様子がおかしいと思った漁師たちは船を走らせ、「マリンセレス号」へと近づいた。しかし船には乗客の姿も船員の姿も何も無かったのである。船長も遭難の痕跡すら無く、航海日誌の最後の日付から59日間で船は大西洋を横断する8千300キロの旅をして、ジブラルタル岬を超え地中海までやって来た。風に帆を張って舵を取る者も無く、俺は長い間海で仕事をしている、おかしな事も何度も見て来た、こんな話はごろごろしていると語ったのだ。つまり謎に満ちた所謂、幽霊船の話は山程あるという事を示していた。その頃エップスもフリーマンに、船で見た謎の少女の話をしていたのでる。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【改めて船内を探索する】
仮眠をとり当初の予定通り夜明けから作業を開始する乗り組み員達、海に潜り船底を確認すると大きな穴が開いており船が沈みかけている事が分かった。船の中に入れれば直せない事も無かったが、3日で作業をするには困難を強いられていた。直して船を引っ張る為に、再度船内をくまなく探索する事にした。サントスはタグボートに残り船を直す様に指示され、ドッジとマンダーは機械室へ行き船の傷を確認に、グリーア、エップス、マーフィン、フリーマンはその他の探索を始めた。機械室へと向かった2人だったが、そこは水に浸水しており直すには潜水して溶接するしか手が無かった。グリーアは大広間で謎の歌声を聴き、マーフィンは船長室で飲みかけの酒を見つけ手に取る、すると鏡に自分ではない誰かが映り驚き慌てて船長室を後にするのだ。その頃エップスは船内にあるプールへと辿り着いていた、身長よりも深いプールに降りてみると銃弾の跡がプールにあり玉の残骸が落ちていた。不審に思いながらもプールのハシゴを登ると、そこには昨日見た少女が立っており、驚いたエップスはハシゴから手を離してしまいプールへと落ちてしまう。そこへフリーマンがやって来て助け出され、エップスがプールに開いた穴が銃弾であった事を話しても気にする様子も無く、少女の話をすると何故か「何か話したのか?」と執拗に聞いてきたのだ。二人がプールを離れると、銃弾で開いた穴から血が流れ出し、プールいっぱい血の海となり死体が浮きだしたが、誰も知る由も無かった。先を急ぐ2人は洗濯室へと出た、換気シャフトへと繋がるドアを開けようとするエップスに「本当に開けるの?」と言うフリーマンだったが、エップスは気にせず扉を開けてしまう。すると中から大量の水と死体が一気に押し寄せて来たのである。死体は腐敗していたが、せいぜい1か月程度しかたっていなかった、エップスは急いで沿岸警備隊に連絡し、この船を降りようと言うが、フリーマンは「この船は?」と船の事を気にする。エップスは混乱し「こんな船、勝手に沈めばいい」と言い放ち、みんなに知らせる為に先を急ぐのである。しかしフリーマンは一台の車を見つけ駆け寄り「ずっと憧れていた車だ」と言うが、エップスは一刻も早くこの船を離れる事を命令する。その時奥の箱が動き様子を見に箱を開けると、ネズミに埋もれて大量の金塊が見つかるのである。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【事故、そして争い】
大量の金塊を見つけ金塊だけを持ち出し、謎の死体がある「幽霊船」は置いて行く事に皆が同意した。金塊を持ち出す準備を整え、後はタグボートへと降ろすだけとなった。タグボートのエンジンはサントスによって、直っていていつでも出港できるようになっていた。金塊を降ろす為にエンジンをかけようとすると、少女が現れ「エンジンをかけてはダメ」とエップスに叫んだ、しかしその時グリーアによりエンジンのボタンが押された。ボタンを押した瞬間にエンジンルームに充満していたガスが爆破し、タグボートは沈んでしまうのである。エップスは海に飛び込み何とかグリーアを助け出すが、サントスは助ける事が出来なかった。これまでの異変や事故で混乱し、フリーマンに「お前、この船が変だと知っていて俺たちをハメたんじゃないだろうな」と責め立てるが、フリーマンは平然と「知らない、俺達はちゃんと生きているし、みんな自分の意思で参加したじゃないか」とサントスが死を気にも留めないかの様に言うのだ。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【脱出方法と数々の異変】
タグボートを失った今、幽霊船に空いた穴をふさぎ海流を抜け、船が通りかかるのを待って助けてもらうしかないと言うエップスに、グリーアはいかだを作って一刻もこの幽霊船から脱出すべきだと言う。だがエップスの説得により、夜明けと共に船に空いた穴を修理する事に決まった。一晩幽霊船で過ごす羽目となった乗組員達は、それぞれ異変に見舞われていた。ドッジとマンダーは40年間放置されていた缶詰を開け恐る恐る食べてみる、何ともなっていなかったので陽気にしゃべりながら食べていると、いつの間には缶詰の中身が蛆虫へと変わっていたのだ。グリーアが居た広間では荒れ果てたテーブルや椅子が当時の通りに綺麗になり、赤いドレスを着た美女が歌を歌いながらグリーアを誘惑してきたのだ。誘われるままに後を着いて行くとポッカリ開いたエレベーターの扉から、下へと真っ逆さまに落ちてしまう。マーフィンも船長室で異変に襲われていた「アントニア・グラーザ号」の元船長が、マーフィンの目の前に現れたのである。船長は一枚の写真を見せ航海中救助した「ローレライ号」について話し出した。マーフィンも「ローレライ号」の事は知っていたが、まさか「グラーザ号」に救助されていたとは思いもよらなかった。ローレライ号が救出されたのは、グラーザ号が行方不明になる二日前の5月19日の事であったのだ。マーフィンが「金塊はローレライ号にあったのか?生存者は誰も居なかったのか?」と質問すると一枚の写真を見せられるのだ。それを見たマーフィンは「そんな」と驚いて船長室を後にする。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【ケイティの部屋を見つける】
その頃エップスは謎の少女の部屋を見つけようと船内を歩いていた。すると全ての部屋のドアがしまり一つだけ扉が開いた。その部屋に入ってみると、少女ケイティと思われる首つり死体があった。その首にはネックレスがかかっており取って中を開けると、ケイティの両親のらしき人の写真が入っていた。するとケイティが現れ「閉じないで、ずっと見ていないの」と話しかけてきたのである。ケイティの話ではこの船に囚われていて、刻印がある人も無い人も船から離れられないと言うのだ。エップスが「刻印?それ何の事?」と問うと、ケイティは話すのを躊躇したがゆっくりと話し出す。「彼は必要な数だけ魂を手に入れると」と話すと「彼が話すなと言っている、私には刻印なんかないのに」と言って消えてしまう。ケイティを追って部屋を出たエップスであったが、マーフィンを見つけ異変を感じ声をかける。しかしマーフィンにはエップスが、死んだはずのサントスに見えていて襲いかかってくるのだ。そこへフリーマンがやってきて、マーフィンを気絶させタンクへと閉じ込める。グリーアをも行方不明、マーフィンも今は動かせない為、当初の予定通りマンダーの腕を信じて、急いで船に開いた穴を修復作業を開始する事に全力を尽くした。舵も直し穴も修復したが、水を放出するのに12時間はかかる為、その間にグリーアを探しに行くエップスであったが、そこで見つけたものはグリーアの死体であった。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【船で起きた悲惨出来事】
グリーアの死体を見つけ落ち込んでいるエップスの前に、ケイティが現れ「一緒に来て、見せたいものがあるの」と言うのである。ケイティの後を付いて船内を移動するエップスの目には、グラーザ号が悲劇に見舞われた日の光景が広がっていた。調理室では料理に殺虫剤が入れられ、それを食べた人達が次々と死んでいく様子や、プールでは銃による大量殺りくの様子が、そして甲板ではケイティが経験したワイヤーの事故、逃げ惑うケイティを追うローレライ号の乗組員達、全ての乗客や船員が死んだ後、ローレライ号の乗り組み員達が赤いドレスの女の指示で仲間割れをお越し、一人残らず死んで行く様、そして赤いドレスの女も一人の男によって殺され刻印が手に押された。その男こそ、フリーマンであったのである。その一部始終を見届けるとエップスは急いでマーフィンの元へと駆け付けるが、マーフィンが閉じ込められていたタンクは水でいっぱいになっており溺死していた、その手にはフリーマンの写真が握られていた。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【真実を知ったエップス】
ドッジの元へ行き、マーフィンが死んだ事、ここで自分達が生き残ったのは船を直させる事が目的だった事を告げ、この船から一刻も早く脱出しなければいけない事を伝えた。するとそこへフリーマンがやってきて、何食わぬ顔で「マーフィンが死んでいた、どういう事だ」と言うのである。しかしエップスは何も知らないフリをし、ドッジとフリーマンに「ここに居てどちらも目を離さないで、自分はマンダーの様子と穴の具合を見てくる」と言い機械室へと向かったのだ。機械室へと行くとマンダーの姿は無く、代わりに水を吸い上げるポンプが血で赤く濁るのである。マンダーも死んだ事を知るエップス、その頃操舵室でドッジとフリーマンが揉めていた。フリーマンを怪しく思い持っていた銃で撃ったが、フリーマンは死ぬはずもなかった。ドッジはエップスの元へやって来て、「フリーマンを撃った彼は死んだ」と言うが、「ええそう、そう簡単に死ぬかしら」とエップスは言う。
ゴーストシップのネタバレあらすじ【船を沈める】
ドッジがエップスに「何をしている?」と尋ねると「肩をつけるのよ、この船を沈める」と言うのである。「俺たちも死ぬぞ」と言うドッジに「これ以上の犠牲者を出すわけにはいかない、一か八かよ」と爆弾を仕掛ける。「金塊はどうする」とドッジは言うが、この船から金塊を出す事は誰も出来ないと知っているエップスは作業を辞めない。するとドッジの様子が豹変し、そしてフリーマンへと変わり船の話を始める。「ケイティの様に罪なき魂は支配できない、しかし刻印が無くても魂は外へは出る事が出来ない、船が浮いている限りは」と言う。「あなた、何者?」と問うエップスに「魂の回収屋だよ、船一杯分集まったら地獄へ送り込む、ボスであるサタンの元へ、仕事さ」と言った。船が沈むと魂が解放されサタンが機嫌を損ねると言うのである。そして交換条件を提示してくる「船を爆破しなければ、命は助けてやる」と、するとエップスは「だったら、仲間を返して」と言うが、「それは出来ない、刻印が押されたら手遅れだ」と言った。「交渉決裂ね」と言いエップスは、持っていた銃で爆破装置を打ち船を沈めるのである。
ゴーストシップの結末【解放される魂と繰り返される悲劇】
船が沈み沢山の魂が空へと登って行くのを見送りながら、エップスは浮かんでいたトランクへと捕まった。ケイティもやっと解放され、両親のいる場所へと行けたのである。トランクに摑まり漂流するエップスの元へ大型船が近づき救出される。港で救急車に乗せられ船に乗り込む人々を見送っているとそこには、金塊を積み込む乗り組み員とフリーマンの姿があったのである。
「ゴーストシップ」感想・レビュー
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題名の通りこの映画にはゴーストも出てくるのでゴースト映画が好きな人にはおすすめです。私は最初の方で、音楽に合わせて踊る人で賑わっているフロアをワイヤーがシューっと横切るように移動したシーンが怖いと思いました。怖いと思った理由は踊っていた人たちの体が真っ二つになったからです。
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あのナチス船の「デスシップ」のリメイクとは思えない
原案にして、更に狂化していて勘弁してください
船上のダンスフロアで踊っていた大人が皆上半身を切断されたり、缶詰を食べていたら中身が蛆虫だったりと、かなりトラウマを残しそうな作品ですが、映像美やストーリー展開で目が離せません。出だしで大量殺人が行われ、その現場である幽霊船に主人公達が潜入してしまうのですから視聴者はドキドキさせられます。トラップの様な事象が起こる度にびっくりしますが、お化け屋敷みたいで楽しいです。幽霊船は怖いですが、唯一味方である幽霊の女の子は可愛いので癒されます。