キング・オブ・エジプトの紹介:2016年アメリカ映画。原題は「GODS OF EGYPT」。アメリカでは、エジプトの話なのに、多くを白人が演じていたり歴史考証的に荒唐無稽なことや、受賞しているのが白人のみで一騒動あり、主役2人と脇役数人以外は実力派の人気声優で固めています。かつて古代エジプトは神が支配していた。だが正しき王オシリスがその弟セトの悪しき野心によって殺され、その息子ホルスも両眼を奪われる。人々は、死後の世界の平安を得るために黄金を支払わければいけなくなるが、1人のコソ泥ベックが、奪われた恋人ザヤを助けるために立ち上がる。神と人間の奇妙な共闘によって果たしてエジプトは救われるのか?
監督:アレックス・プロヤス 出演:ブレントン・スウェイツ(ベック)、チャドウィック・ボーズマン(トト)、エロディ・ユン(ハトホル)、コートニー・イートン(ザヤ)、ルーファス・シーウェル(ウルシュ)、ジェラルド・バトラー(セト)、ジェフリー・ラッシュ(ラー)、レイチェル・ブレイク(イシス)、ブライアン・ブラウン(オシリス)、ほか
映画「キング・オブ・エジプト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キング・オブ・エジプト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キング・オブ・エジプトの予告編 動画
映画「キング・オブ・エジプト」解説
この解説記事には映画「キング・オブ・エジプト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
詳細あらすじ解説
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:ホルスの戴冠
太古の昔、エジプトでは、神は自らの姿に似せて人を作り共に暮らしていました。神と人は似ていますが、神は大きく、そして黄金の血をその身に宿していました。そして、ナイルを司る偉大な神オシリス王は、息子にその王座を譲ることにしました。しかし、オシリス王には砂漠に追いやられた弟セトがいたのです。街中では、人間のコソ泥ベックがドレスを奪って逃げていました。無事逃げ切り、恋人ザヤにプレゼントしていました。ベック曰く、「神にドレスをください…と祈るより、盗んだ方が早い。俺は運しか信じない」。一方、ザヤは神々への信仰を誓うのです。2人は駆け落ちしていて、いつか王宮で暮らせるようにしてやるという、ベックの夢物語をザヤは優しく見守るのでした。ホルスは戴冠式の朝になっても寝ていました。夕べ飲みすぎたようです。床には酔いつぶれている人々も大勢います。「私があなたなら、今頃、宣誓式の挨拶の文言をを考えていることでしょうね」という嫌味で漸く起きたホルスは、ベッドから這い出ます。天井からぶら下げている槍が突き刺さったライオンに当たりました。そのまま、浴槽に倒れ込みます。侍女たちは、その水しぶきに逃げまどいます。先ほどの嫌味の声の主が姿を現しました。ハトホルでした。ホルスは、勇猛であっても、次期王の自覚は、まだまだのようです。ハトホルは、そこを指摘しますが、ホルスはケセラケラ。何とかなるさと他人事のようです。式典会場では、大量の鳩で飛ぶ船で女神たちが降りてきます。アスタルテとアナト、そしてハトホルです。一方、ベックは転ばせた金持ちを助け起こしながら宝石を盗んでいました。オシリス王が、戴冠式を始めようとした時、【ちょっと待った】と声がかかり、群衆をかき分けて、黒い鎧に身を包んだセト神が壇上に上がりました。オシリスとホルスは弟と叔父との再会を素直に喜びます。2人とも、もう会えないと思っていたからです。セトは可愛い甥っ子のホルスに、贈り物をします。それは10人を踏みつぶした牡羊の角笛でした。ホルスに【天上の神々に聞こえるように吹いて見せてくれ】と頼みます。素直にホルスが吹いたところ、セトは【誰かには聞こえたかな?】と嘯きます。そこに鎧と盾を身に着けた軍隊が乱入してきました。そして、セトはオシリス王に、自身が父ラーから貰った棒を渡します。それは仕込み槍でした。決闘の武器として、渡したのでした。でも、オシリス王は断り、槍を床につきたてます。その時でした。セトは黄金の短剣でオシリスの腹部を刺したのです。油断していたオシリスは避ける術がありませんでした。妻イシスと息子ホルスはオシリスに駆け寄ります。セトは、その間に盾を装着し、剣を構えました。次はホルスの番です。オシリスが地面に突き刺したセトの槍で襲いかかります。ハトホルが止めますが、怒り狂ったホルスには聞こえませんでした。天空の神ホルスには、獲物の動きを見抜く鷹の眼(千里眼)がありました。しかし、セトは盾を太陽に反射させ、ホルスの眼をくらませ、百発百中のはずのホルスの槍を外させます。勿論、ホルスは諦めません。何とか盾は壊しましたが。そしてセトが燃えるジャッカル(黒犬)の姿に変化したので、ホルスも負けじと黄金の鷹になります。(どちらも半人半獣の姿)空中戦が展開します。そのせいで神殿は崩れ、群衆は逃げまどいます。人津波に飲みこまれ、ベックとザヤははぐれてしまいました。イシスの妹、ネフティスは冷たくなっていくオシリスの亡骸の上に、自らの翼を生やして隠し守ります。次の瞬間、セトの兵士軍団が盾で太陽光を乱反射させました。ホルスは目がくらみ、墜落し、元の人間形態に戻りました。そこにセトが降りてきて、踏み砕きます。さらに、両眼に手を突っ込み青白く光る鷹の眼をくり抜いてしまったのです。目を失ったホルスから黄金の血があふれ、気を失ってしまいました。トドメを刺そうとするセトでしたが、ハトホルが「お願い、やめて、あなたの妻になりますから」の一言で、ホルスは命だけは助けられ、荒野に追放されたのです。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:セトの宝物神殿へ
そして1年が経過しました。セトは人々から、死後の安息さえ奪いました。黄金がなければ、魂さえも砂のように砕かれ、どこともしれない混沌の渦の中へ吹き飛ばされてしまうのです。ザヤはウルシュという建築技師の奴隷になっていました。窓があいていたので、設計図が書かれたパピルスの巻物を吹き飛ばしてしまいました。それを運悪くウルシュに見られていたのです。「風を止めろとは言わんが、せめて散らかすな。これ以上、粗相をするようなら、外で石を運ばすぞ」外では、巨大なセトの人間態とジャッカル形態の2つの顔がある巨大なオベリスクが建造されていて、それを奴隷たちが作り上げていたのでした。ウルシュが出ていくと、ベックが忍び込んでいて、再会のキスを交わします。いつかザヤを盗み出すと約束して、出て行こうとすると、ザヤは作戦を提案します。それはホルスの奪われた天空の眼を取り返すことでした。ザヤはウルシュの館のベランダにある望遠鏡(巨大な鏡のようなレンズ2つを並べたような構造)で宝物神殿(ピラミッド)の場所を教えます。ホルスの眼は罠だらけのピラミッドの中にあるそうです。それを設計したのがウルシュなので、設計図がありました。ベックは気が進みません。ホルスが負けたせいで、今のエジプトの惨状があるのです。それでも、ザヤはホルスを信じていました。首からタリスマン(お守り)をネックレスとして、かけているのでした。夜、黄金の器物や武具が馬車の荷台に乗せられてピラミッドに運ばれていきます。その1台の荷台にベックは飛び移り、忍び込みます。黄金の貢物は、無造作に投げ入れられます。滑り台になっていてベックはなす術もなく、滑り落ちて行きました。下には何千匹の蠍がウヨウヨしています。それに気づいたベックは、とっさに柱にしがみついて難を逃れました。後は、ザヤが探し出した設計図通りに進むだけです。まず、ハエトリグサのように真ん中で割れ獲物をサンドウィッチにする跳ね橋をクリアしなければいけません。ベックは松明を頭上に掲げます。影で跳ね橋が反応するからです。正午の影のように、自身の真下に影を隠して進みます。次は丸い部分を踏まなければ罠は発動しないはずでしたが、何かのはずみで両手に剣を持った彫像が回転しながら襲ってきます。難なく交わすベックですが、最後は首の皮1枚で間一髪危なかったです。そして、3番目…図面にはありません。「そんなのありかよ」というベックですが、自分の運を信じます。走り出すと、踏んだところから崩れていきます。もう全速力で駆け抜けるしかありません。像が青白く光るホルスの眼球を持っているのですが1個しかありません。ベックは盗りましたが、橋は崩れ落ち、蠍のいる奈落の底に落ちて行きました。しかし、その時、ホルスの眼球が光りました。蠍は後ずさります。こうして、ベックは無事、宝物神殿を脱出したのです。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:別れ…そして旅立ち
ベックはウルシュの館に忍び込み、無事ザヤと再会できましたが、ザヤは「ごめんなさい」と謝ります。ベックが宝物神殿に忍び込んだことがバレ、ウルシュが兵を引き連れて待ち構えていたのです。ザヤを人質に取られては、ベックにどうすることもできません。「盗んだものを返せ」、言われるままに宝石のついた羽飾りを渡します。そして、ウルシュは兵に言います。「殺せ」でもベックも言い返します。「待って、盗ったのは、それだけじゃないんだ」そう言って、隠していたホルスの眼球を掲げました。青白い光でウルシュも兵士も眼がくらみます。ザヤはベックにキスされ、眼を閉じたので無事でした。2人は飛び降り、馬車を奪って逃げました。でも、ウルシュは兵士から弓矢を奪い、放ちました。運悪くザヤの背中を貫きました。「ごめんなさい。あなただけも逃げて」それがザヤの最後の言葉でした。ベックは諦めません。馬車を荒野に走らせました。そこは、オシリスの墓所でした。ベックは言います。「ホルスいるんだろ?」ホルスは答えます。『参拝なら帰れ』「嫌だ」『ならば盗人か?』「そうだ」目が見えず、両眼のあった部分に黒いハチマキをまいてるホルスは襲いかかりますが、ベックはひょいと避けます。通常の人間なら避けれない一撃だったのにもかかわらずです。ホルスの肩の高さにベックの頭がありました。ホルスの身長は2.5~3mはありそうです。ベック「話を聞け」『うるさい』「アンタに頼みがあるんだ。ここにアンタの眼がある」『嘘をつけ。どこかの神から奪ってきたな。』「そうじゃない。セトの宝物神殿から奪ってきたんだ」『信じられぬ。』次の瞬間、ベックは捕まってしまいました。『おしゃべりが過ぎたな。さっさと渡せ』ベックは渋々渡します。いや、首を絞められ、それどころじゃなかったのです。眼球を取り戻したホルスは右目に入れました。そして感謝もせずに『左目はどうした?』と言います。「セトの宝物神殿にある。場所は俺が知っている。交換条件だ。彼女を助けてくれ」ホルスは黒いハチマキを眼帯のようにし、左目のあった穴を隠し、仕方なく要求を呑むことにしました。急いでベックはザヤの亡骸を墓所の中に運びました。ホルスは懸命に応急処置(心臓マッサージ?)をしましたが、時間がたちすぎていました。「魂が肉体を離れた。冥界へ送ろう。」ベックの了承を得ず、アヌビス(ジャッカル)を呼び出しました。アヌビスの呼びかけで、肉体で眠っていたザヤの魂は抜け出し、2人は回転すると消えてしまいました。ベックが呼びかけても答えてくれませんでした。ホルスは言います。『死者と会話することはできない。』その頃、セトは寝室で待っていたハトホルを愛していました。でもハトホルは身体を許しても、心は開いてないようです。[剣をお貸し頂ける?]【殺すのか?】[殺せるわけないじゃない]そんなやり取りの中、ウルシュが空気を読まず、飛びこんできました。あまりに間が悪く、出直そうとしますが、セトは構わず続きを聞きたがります。ハトホルは胸元をシーツで隠します。そしてセトに「ホルスの右目が盗まれた」ことを報告しました。セトは質問します。【で、どこの神だ?】(いえ、それが人間の盗人でして。)【ウルシュよ。お前がエジプト一の知恵者と思っていたが、どうやら、エジプト1なのは、その盗人らしいな。】そこに半人半牛のミノタウロスのようなムネビスが現れました。セトは言います。【取り返せ。そして殺して来い】一方、2人は崖を登っていました。「アンタ飛べないの?」『左目がないから無理だ』「役に立たないな」『そんなに飛びたいなら、崖から蹴落としてやろうか』冗談?を言い合いながら、ザヤが裁きの門にたどり着くためには9つの門を潜り抜けなければいけないこと知らされます。それには数日かかるのです。だから、それまでに何とかすれば、助かるかもしれません。そのため、ホルスは『爺様に会いに行く』と言い出したのです。「あんたの爺様って?」『光(太陽)の神ラーだ。』崖の頂上には歯車のような太陽のモニュメントがありました。『爺様、力を貸してくれ』次の瞬間、ホルスは黄金の鷹の顔と翼をもった鳥人になりました。そしてベックを抱えて、天空の太陽めがけて飛び始めたのです。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:闇蛇との対決
太陽まで到達すると、巨大な船がありました。ホルスは言います。『俺の陰に隠れていろ』「どうして?」『いいから』理由はすぐ分かりました。ここは太陽。ラーの天翔ける船なのです。つまり、人間が太陽を直視できないように、本来、弱い人間の身体では熱や光で近寄ることもできないのです。ラーは年老いていました。『何しに来た? どうして人間を連れてきた』[色々と役に立つので。取引したのです。爺様、貴方の息子達が殺し合いをして、悲しいのは分かります。]「お前は何も分かっておらぬ。大事な人間を船底にでも隠しておけ」日没が近づいていたのです。ホルスはベックを船底のベットの上に投げつけました。ラーは炎をまとい巨大化しました。ホルスの身長の倍はあります。ホルスが2.5~3mなら、ラーは5~6mの身長になっています。エジプトは巨大な盤状の大地の上にあって、太陽を鎖で引っ張ると夜になりました。そして闇の蛇アポピスが襲ってきたのです。「悪しき蛇よ去れ。貴様の好きにはさせん。」そう言って、槍から炎のビームを照射しました。アポピスは日食や月食を起こす原因と言われています。エジプトを闇に、地獄に引きずり混もうと企む邪悪な存在です。ラーは疲れ切っていました。『分かったか、セトでさえ、邪悪とは言えぬ。わしは些末な地上のことに構って折れぬ。』「命の水をいただきたいのです」『それはワシのものではない』小びんを取りだし、命の水をすくい、目的を果たしたホルスはベックを船底から拾い上げ、帰りは…『来るのは許した。帰りは知らん。』「爺様、飛べなければ帰れません」孫に甘い爺様こと太陽神ラーの許しで帰りも翼を得たホルスですが、後少しのところで着地に失敗しました。2人は無様に地面に叩きつけられたのです。「アンタ飛ぶの下手だな」『爺様に翼を取り上げられた。次は着地までお願いするか』ホルスが命の水をもらってきたのは、セトの命の源である、砂漠の炎を消すためでした。ザヤを生き返らせるためではないようです。「なー、俺が命の水を飲んだら、どうなるんだ?」『お前は一度力を得て、そして永遠の眠りにつく』「何だよ、つまらねーな」土が口に入ったホルスは、水筒のようなものをベックに投げつけました。「何だよ?」『おまえが俺に水を汲んでくるのに便利だろ』「自分で汲んで来い」『人間は殴る価値もないと、パパに言われていたのだが…』殴り飛ばしてから言いました。『パパごめん』ベックは、川のほとりまで投げ飛ばされていました。移動する手間ははぶけましたが、身体じゅうの痛さは、その手間とつり合いが取れません。仕返しに汲んだ水の中に唾を入れてやることにしました。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:刺客の襲来
その時です。ムネビスが現れたのです。同じように牛神を3人ひきつれています。4対1。しかも相手は神です。ベックに勝ち目はありません。((眼はどこにある))『俺の身体の中だ』ホルスが現れました。((な、貴様、オシリスの元で泣いて暮らしてると思ったものを))『その生活にも飽きた』((抜かせ。))ギィーン、セトの槍で斧をはじきます。((フ、こいつ弱いぞ))確かに左目がないので力は半減しています。その分、ホルスは技巧で戦います。全員倒したかに見えましたが、ベックが言います。「ホルス、後ろだ!」振り返るとムネビスが岩を抱え、その頭目がけて叩きつけました。ホルスは伸びてしまい、滝つぼに落ちて行きます。何とか目を覚ませようとしますが、起きません。ベックは叫びます。「おじいさん、ホルスのおじいさん、助けてください」その声で、目覚めたホルスはセトの槍をブレーキ代わりにして岩肌に突き刺し、落下速度が落ち、でも結局、滝つぼに落ちてしまいました。しばらくすると川のほとりに泳ぎ着きました。「アンタ重いぞ」『お前が軽すぎるんだ』濡れた身体を引きずって2人はどこへともなく歩きだしました。その頃、セトは軍隊に発破をかけていました。発奮させるために、死後の餞別の黄金をバラまいています。鉄血の軍隊は、空飛ぶ船から反乱軍を急襲しました戦っ。反乱軍の首謀者はネフティス。セトの元妻でした。そしてイシスの妹でもありました。彼女はセトとの子を成せませんでした。所詮、軍隊には勝てません。セトはネフティスの神殿に踏み込みました。【どうした? 元我が妻よ、何故はむかう?】”あの頃は、砂漠から出てきた貴方に希望が見えた。だから、この身体を許したのに、今は違う”そう言って、窓から翼を生やし逃げようとしますが、間一髪、セトは、その翼を両方とも切り落としてしまったのです。ムネビスが帰ってきました。そして部下を失い、ホルスの右眼も奪い返せず、そればかりか、2人を逃がしてしまったのです。セトは許しました。いや、後ろを振り返った瞬間に、切り裂いたのです。黄金の牛の首がゴロンと転がります。そして、かわりに、アスタルテとアナトが進み出ます。≪だから私達に任せておけばいいのに》<楽しませてあげたでしょう?>【また、楽しませてくれるか?】今度の刺客は、戦の女神2人です。ハトホルは、2人のみを案じ、砂嵐で、2人の姿を見つけます。目ざとくセトが見ていました。【元妻ネフティスは私に翼を残して死んだぞ。お前も、その腕輪を残して、そろそろ死ぬか?】間一髪、ハトホルは腕輪の力で逃げました。でも、その瞬間移動は冥府を通るもので、元西の女王である彼女にしか使うことが出来ないものです。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:ハトホル合流
2人は、壊れた神殿で夜を明かしたようです。ベックは「次からもっとマシなとこで寝ようぜ。」と文句を言いますが、ホルスは冷静に答えました。『ここは、パパが貧しき者の死後の安楽のために作った緑美しい神殿だった。だが父オシリスを、セトは、ここで切り刻み、ナイル川に投げ捨て、神殿も燃やしてしまった。母は亡骸を探し集めたが心臓だけは見つけられなかった。そのまま悲しみのまま死んでしまった。』「この塩をまいたのもセトかい?」『いや、それは母の涙が結晶化したものだ』どうやら滂沱の涙で、草木も枯れてしまったようです。そこへ、2匹の火を吐く大蛇が現れました。いや、上にアスタルテとアナトが乗っていたのです。「逃げよう」『何故だ? 神は逃げない』「こーゆー時、人間は逃げるの」仕方なく、ホルスも後を追います。そして走り始めれば、ホルスの方が身体が大きい分早いです。『もっと早く走れないのか?』「無理」仕方なくベックを小脇に抱えて走り、岩陰に隠れます。ベックは言います。「アンタ魚釣りしたことある?」『ない』「俺がエサで、アンタが仕留める。分かる?」『遠くから投げても片目では距離感が測りかねる』「なら、近くから仕留めればいいじゃん」そう言うと、ベックは外に飛び出していきました。ホルスは、蛇の通り道の岩陰に潜みます。そして、ベックがホルスの上を走り抜けた後、蛇もつられてやってきました。そこをホルスが下から串刺しにしたのです。蛇はのたうち苦しみ回っています。『よかったぞ。もう一回今のやれ』「待って無理、息ができない」[[どきなさい]] 突然、ホトホルが現れました。アナトは挑発します。≪おやおや、綺麗どころは引っ込んでおいた方が、その顔が傷つかなくて済んだものを≫ ハトホルは無視して、蛇のアゴに突き刺さった槍を抜いてやりました。[[可哀想に、痛かったでしょう]]蛇に語りかけるのでした。アナトは命令します。≪何をしている? 焼き殺しておしまい。≫ ハトホルは魅了のチャーム(呪い)で、大蛇に暗示をかけるのです。[[貴方は寒い。寒くてたまらない。全身を温めて焼きつくしてしまうほどに]] そして蛇は、全身を焼きつくし、乗っていたアナトと、もう一匹の蛇とアスタルテも焼き殺してしまったのです。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:パーティー集結
3人は湿地帯を歩いています。ハトホルは喉が乾いたので、ベックに水を汲んでもらおうと水筒を渡しました。でも、ベックは素直に言うことを聞きません。「アンタら神は自分で水もくめないのかよ」[[つべこべ言わずさっさと汲んできなさい]]「だから行かないって」ハトホルは気づきます。[[私の魅了は、心に大事な人がいる人には効かない。貴方、大事な人がいるのね。]]「ああ、いた。でも死んでしまった。だから、ホルスが助けてくれるって、約束してくれたんだ」[[ホルスが?]] ハトホルは不信感を抱きますが、頑張ってくれているベックにせめてものお礼をすることにしました。彼女はかつて、冥府に向かう人々の魂を見送る西の女王だったので、冥府の者とも会話ができるのです。砂嵐を起こし、ザヤに話しかけます。ベックも話すのです。「俺、今ホルスと一緒に旅をしてるんだ。すげーだろ。後もう少しだ。何とかするから」…ありがとう、ベック。何もできないけど、うまくいくように祈っているわ。… アヌビスが言いました。『生者と話してはならない』 三途の川には船が待っていて、ザヤは乗り込みました。ホルスが向かっていたのは、知恵者のトト神のところでした。ハトホルは苦手です。セトの命の炎を守る神殿(ピラミッド)には、スフィンクスが守りについていて、問題を答えなければ通さないのです。巨大なマングローブの林の1つがトトの神殿でした。館の中は、トト神だらけでした。というのも、トト神は、他者を信じてないからです。トト神はレタスの筆記作業で忙しそうにしています。いつまでも無視し続けるトトにホルスが切れました。『レタスなんてどうでもいい。』”あなたが来た理由なんて、分かっています。スフィンクスでしょう。でも私も問題が分からなければ答えようがない。だから、問題を聞いてから出直していらっしゃい” ホルスは『それでは1人死んでしまう。一緒についてきてくれ』と言います。どうやら、スフィンクスの出題に答えられないと1人殺されてしまうようです。”私はセトに殺されてもいいように、私の膨大な知識を書き写さなくてはならないのです。どっかの誰かがしくじったせいでね。”『悪かったな。俺の両親が殺されて、俺がセトを殺せなかったせいで迷惑かけたな』”おや、やっと分かってくれましたか。なら、帰ってください。邪魔です。私は忙しいのです。”ベックが代わりに言いました。「なら、俺が聞いてくるよ。」”おやおや、小猿が迷い込んでいるのかと思いました。ハッ、あなたがですって、罠に引っかかって、死ぬのがオチですよ” 「分かった。いいよ、ならスフィンクスに伝えておいてやるよ。トト神は自分の知識量に自信がなくて、ここには、来なかったってな。」”ハッ、プライドをくすぐる作戦ですか。そんなものに私が引っかかるとでも?”『お前の負けだ。一緒について来い。』”全く、あなたもセト同様、暴君だ”『何か言ったか?』”いえいえ何も”
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:命の火の神殿
結局、4人で砂漠を旅することになりました。しかし、ハトホルはホルスを糾弾します。[[あなた、ベックに嘘をついたわね。]] 『あいつが勝手に騙されたんだ』[[呆れた。あなた、神としての誇りはないの]] 『お前はアイツに抱かれてた癖に』 [[何よ、あなたが助けに来るのを待っていたのに]]ベックにとって重大な会話のはずですが、ベックはトト神に興味津々です。「アンタさ、宇宙の始まりを見たって言うけど、その時、アンタはどこにいたわけ?」”説明するのは簡単だが、その時、君の頭が破裂してしまって、結局は理解できない。私は無駄が嫌いだ”「結局、分かんないんだろ」そうこうしているうちに、セトの命の火を守る神殿ピラミッドにつきました。何故か、ベックが最初に飛び込むことになっていました。それは、ウルシュが作った宝物神殿で、1度攻略していたからです。しかし、難易度が上がっていました。外側のピラミッドの石が動いているのです。魔法なのでしょうか?ベックは2回迷って、3回目に突入し、そのまま、歯車にひっかかり、何とか止めることができました。トト神は言います。”勘ですか。いい度胸ですね”そして、スフィンクスがいる門まで来ました。でも砂があるばかりで、何もいません。いや、その砂が山のように盛り上がり、スフィンクスになったのです。スフィンクスの問いは次のような物でした。昨日にはなくて、未来にしかない、人間が求めるものは何だ? トト神は答えます。”簡単、簡単。答えは純潔だ” はずれ!バーン!と手を振りおろし、危うく潰されそうになるトト神はめげずに答えます。”分かった。今度こそ、間違いない。答えは秩序だ” 残念。違う。また砂の塊が襲ってきます。ベックが口を出します。「ちゃんと人間の望むものを考えて」”浅はかな人間の考えることなど私が知るか” ベックは自力で考えます。「人間が欲しいもの。それは明日だ」 正解。何だ、つまらん。 そう言って、スフィンクスは消えてしまいました。いよいよ、命の火の祭殿です。井戸のような竈(マグマ?)の中に消えない炎が燃え盛っているのです。ですが、罠でした。3人の神々は鳥かごのような檻に捕まりました。そして、ホルスが持っていた命の水の小瓶は手からこぼれてしまいました。でもベックは、小さいので、檻から抜け出ることが出来ました。セトが登場し、【これはこれは、こちらから出向こうと思っていたが、トト神の脳が手に入った。】ホルスは槍を構えます。でも、セトは相手にしません。【もう一度、愛する女の前で敗北したいのか?やめておけ。それよりも人間】ベックがこっそり、命の水を竈に注ごうとしているのに気づいてました。【ホルスに騙されて哀れだな。お前の愛する女は生き返らない。千年生きてる私にだって、できない。ひ弱な甥っ子なら尚のことな。】「お前のような邪悪な神の言うことなんて信じるものか。俺はホルスを信じる」【なら、本人に確かめてみるがいい】『セトの言うことは本当だ。俺には生き返らせることはできない』「だましたのか」『勝手に騙されたのはお前だ』その言い合いのさ中、命の水の小瓶は奪われ、砂漠にたらされ、小瓶まで割られてしまいました。【目的は果たした。お前たちは、そこで終焉を待つがいい】ベックは神への信頼をなくしました。でもハトホルが自分の腕輪を外しました。それは、西の女王だった彼女が冥府から逃げるために、ホルスが42匹の魔物を倒し、その数だけの宝石で作られた魔よけだったのです。「貴方から彼に渡して」。そう言って、腕輪から指が離れた瞬間、ハトホルは背後から現れた魔物に連れていかれました。現世から消滅したのです。ホルスはハトホルの腕輪を渡しながら、ベックに言います。『まだ最後の瞬間に間に合う。ザヤに会って、なすべきことをやってこい』
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:夜の帳が降りる
その頃、地獄では裁判が行なわれていました。裁きの羽根より重ければ、あの世での永遠の命が与えられ、軽ければ、砂のように粉みじんに分解され、混沌の渦に吹き飛ばされるのです。ザヤの前の金持ちは黄金を積んで永遠の命を得て、結婚指輪しか持たない老婆は砂粒に分解されました。これもセトが王になった故の悲劇でした。1年前、オシリスが生きていた頃は人々は善行を積めば、天国に行けたのです。そして、ザヤの番になりました。彼女は、自分の身体1つしか持ちません。そこにベックがやってきました。ハトホルの腕輪を指しだそうとしますが、冥府では異変が起きていました。アポピスが出現したのです。アヌビスがなんとか防ぎます。そして、ザヤは言います。「ベック行って。ホルス様なら何とかできる。彼を助けて上げて」アヌビスもいいます。『ホルスに何とかする手段があるなら、早く行け。そんなには持ちこたえられないぞ。』ハトホルの腕輪には、瞬間移動機能がありました。少し、時間をさかのぼります。セトがトト神の青白く光る脳みそを手に入れた後からの話です。自身の空飛ぶ船に戻り、ジャッカルの姿になり、改造手術を受けるかのように、神々の臓器を自身の体内に取り込んでいくのです。オシリスの赤く光る心臓、ネフティスの玉虫色の翼、そしてトト神の青白い脳、そして、ホルスの左眼は第3の眼として埋め込まれました。(人間形態の時には見えません)【時は来た!】 翼を得たセトは、天空へ飛び立ちます。目的地はラーの船です。天空で太陽神ラーは次男の到着を待っていました。そして、真意を問いただします。『『セトよ、何故きた』』 【父上、質問があってきました。何故、兄オシリスにはナイルのほとりの恵みや世継ぎを与え、私には、何故、不毛の砂漠と、世継ぎすら与えてくれなかったのですか。】『試練だ。私は、お前たち兄弟それぞれに試練を与えていたのじゃ』【試練ですって?】『兄オシリスには王座という試練を与えた。そして、奴は世継ぎを生み育て、ホルスにあっさりと王座を明け渡した。合格じゃ。』【なら私も合格でしょう。来る日も来る日も砂漠で闇や魔物と戦い続けたのです。】『『そう、そなたには我が船を譲るつもりだったのじゃ』』【私に夜な夜な、あの化け物ども戦い続けろ…というのですか。いいでしょう。父上、私があなたの全てを受け継ぎましょう。】 『『セトよ、そなたは何を望むのじゃ。』』 【この世、全ての支配。】『『冥府すら支配する気か、しかし、どうやって? まさか。』』 【そう、あなたを倒して、その槍を奪うのです】『『血迷ったか。我が息子。さらばじゃ…』』 太陽神ラーは巨大化し、灼熱の炎をセトに向かって放ちました。しかし、セトはジャッカルに身を変え、それを何とかこらえます。『『我が炎を耐えるとは…』』【父上、老いましたな。私は超合神になったのです。】そして、剣で、切りかかり、幾重かの、つばぜり合いの後、その槍を弾き飛ばしてしまいました。ラーの力の源は、その灼熱の槍でした。地上に舞い戻ったセトは、ウルシュが作ったオベリスクの上で、アポピスを待ち受けます。
キングオブエジプトのネタバレあらすじ:最終決戦
冥府から戻ったベックは、ホルスと合流し、事情を説明します。そしてウルシュを脅します。『よう、建築技師、ちょっとつきあってもらおうか。』ベック、ホルス、ウルシュの3人もエレベーター(昇降機)で、オベリスクの頂上を目指すのです。おしゃべりなウルシュは、オベリスクの自慢をしています。高さ2000キュビット以上、花崗岩や石灰岩で出来ているそうです。でも、ベックもホルスも興味はないようです。キュビットは掌の指先から肘までの長さなので約50cmと考えると、高さは1km以上あるようです。ウルシュは、ベックを挑発します。「ハッハッハ… 結局、あの女を生き返らせなかったのかw信じる神を間違ったな。」ベックは殴りかかろうとしますが、ホルスに止められます。『頂上まで仲良くしろよ』そう言い残すと、ホルスは壁をよじ登りはじめます。ラーが、天空でアポピスを食い止めれなくなったため、地上に近づいてきました。その接近で、地上も揺れ、オベリスク内のエレベーターも揺れました。ウルシュが倒れた隙を狙って、隠し持っていた剣で切り漬けるベックでしたが、ウルシュは、黄金の鎧(かたびら)を着ていました。あの世で、裁きの羽根を傾けるための、いわば三途の川の渡し賃です。ウルシュは、松明の油をこぼしました。あっという間に昇降機に燃え移ります。そして、オベリスクの頂上では、ホルスが辿り着き、セトとの戦闘がはじまりました。下でもベックとウルシュが戦っています。ベックは劣勢でしたが、セトとホルスの戦いで、オベリスクが崩れウルシュは体勢を崩し、落ちそうです。命乞いをするウルシュでしたが、ベックはこう言ってやりました。「あの世もさ、アポピスのせいで、裁きは停止しているから、今、死んでも、永遠の命は得られないよ」「そんなあぁぁぁぁぁー」 そんな情けない断末魔を残しウルシュは、身を以て、自身の作ったオベリスクの高さを体感することになったのです。昇降機が止まったので、ベックも自力で登ります。そして、セトの隙を見て、切りつけます。でも、超合神となったセトに人間のベックがかなうはずがありません。ベックの狙いは、セトの第3の眼、つまり、ホルスの左眼でした。ホルスに向かって投げます。でも、当然、落ちます。ホルスは2択を迫られます。迷いませんでした。ベックを助けたのです。当然。落下します。でも、右眼だけではラーの力を借りなければ、飛べなかったはずのホルスが何故か飛んでいます。「もう飛べるなら早く言ってよ」 『爺様は言っていた。俺は分かっていないと。俺に必要なのは復讐心ではなく、民を思う心だったんだな』 「頑張ってくれ、俺達の王様」 『任せておけ』ベックは、実は先ほど、セトからホルスの左眼を取り返す時、脇腹を切られていました。致命傷のようです。本来の力を取り戻したホルスに、獲物の弱点を見抜く鷹の眼(アンク)を失ったセトは敵ではありませんでした。セトは人間の姿になり、命乞いをします。【1度、命を助けただろ】 『俺はそんな過ちを犯さない』セトの仕込み槍でトドメを指します。でも、それで終わりではありません。セトから取り戻した太陽の槍をラーに届けに行きます。ラーは船を壊され、宇宙空間を漂っていました。『爺様、まだ間に合う』槍を掴んだ、ラーは目を開き、アポピスに渾身の一撃を注び込みます。『『地上を貴様ら闇の者には渡さん!!』』ホルスは地上に舞い戻りました。そして、黒人の少女が左眼を拾い、新たな王ホルスに献上します。ホルスはありがたく、受け取り、左眼にはめこみました。キングホルスを称える声の中、ホルスは一番の功労者のベックの姿を探します。でも、既に冷たくなっていました。
キングオブエジプトの結末:俺の旅はこれからだ
ホルスはベックの遺体を、オシリスの墓で永遠に眠っているザヤの隣に寝かしてやりました。するとラーが降臨しました。『『我が孫よ、ついに試練を乗り越え、本当の王になったな。その祝福に、褒美を授けよう。何なりと言うがいい』』 『では、我が力ではどうにもならぬことを』「うむ」と頷き、ラーは消えました。そして、ベックは目覚めました。「俺…」ホルスは言いました。『ベック、彼女はいいのか』 振り返ると、ザヤも生き返っていたのです。2人は抱き合い、深くキスをしました。再び戴冠式のやり直しです。脳を取り返したトト神が新王ホルスに王冠を授けます。そして、キングホルスは宣言します。『今後、人々が死んでも黄金を支払う必要はない。正しい生き方、その行いこそが死後の世界で評価され、あの世の永遠の命を約束されるだろう』その傍らには、正装したベックがいました。2人きりになった時、ベックはホルス王に返します。「俺が、この世で一番のお宝をなくすわけないだろ」それは、ハトホルの腕輪でした。『2~3日、留守にするがいいか?』「任しておけ。おまえの優秀なこの俺、官房長官に。2~3日くらい何とかごまかしてやる」。『では友人を捜しに行ってくる』。ホルス王は金の鷹に姿を変え、上昇し、急降下し、地平線の彼方に消えました。(続編がありそうなラストです)エンドロールでは主要キャストが、水面から現れ、黄金に輝きながら日の出のように登ってました。
タイトルや映画告知などを見たイメージはエジプトの冒険活劇ものと思って劇場に足を運んだ作品ですが、エジプトとは名ばかりの神話の世界の神々の戦いメインの映画でした。それでも、冒険ファンタジー映画としてみると、蛇のモンスターに追いかけられたりする場面がとても迫力があり面白い作品でした。