ハピネスの紹介:1998年アメリカ映画。ごく普通の三姉妹を中心に、それぞれの幸福をブラックジョークたっぷりに描いた群像劇。長女トリッシュは家庭を築き幸せに暮らしているが、夫が小児性愛者とは知らずにいる。次女ヘレンは人気小説家だがスランプを脱するためにレイプされたいと思い始めていた。三女ジョイは仕事も恋愛も上手くいかず、幸福を求める日々を送る。果たして彼女達に真の幸福は訪れるのか。
監督:トッド・ソロンズ 出演者:ジェーン・アダムス(ジョイ・ジョーダン)、ララ・フリン・ボイル(ヘレン・ジョーダン)、シンシア・スティーヴンソン(トリッシュ・メイプルウッド)、ディラン・ベイカー(ビル・メイプルウッド)、ジャレッド・ハリス(ヴラッド)ほか
映画「ハピネス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ハピネス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ハピネス」解説
この解説記事には映画「ハピネス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ハピネスのネタバレあらすじ:家族のいざこざ
舞台は1990年代のアメリカ、ニュージャージー州の郊外。ジョイ・ジョーダンはいつも世界中の不幸を背負ったような顔をしていました。30歳を過ぎても恋愛は続かず、作曲家を志望しつつも芽が出ないため仕方なく電話セールスの職に就いています。彼女には姉が2人いました。長女トリッシュは精神科医のビル・メイプルウッドと結婚し、3人の子どもがいる主婦です。次女ヘレンは小説家として成功し華やかな生活を送っていました。交際相手と別れたばかりのジョイは、トリッシュの家で孤独を痛感し泣き出してしまいます。今後は作曲を頑張り、実家も出ていずれは結婚したいと話すジョイ。前向きな言葉に安堵したトリッシュは、皆ジョイの寂しい人生を心配していたということを、悪気なく暴露してしまいました。そんなトリッシュの夫ビルはカウンセラーとして働き、社会的地位も信用もありましたが、実は小児性愛者で特に少年達に性的欲求を募らせています。夜、ビルが帰宅すると息子のビリーから射精について聞かれました。学校の皆はもう経験しているらしく、上手く出来ないビリーは落ち込んでいるのです。ビルは息子の悩みに真剣に向き合い、肩を抱いて慰めました。その頃、三姉妹の両親にもトラブルが起きていました。父レニーが家を出たいと言い出し、母モナは浮気を疑ってヒステリックになっていたのです。
ハピネスのネタバレあらすじ:それぞれの欲望
ヘレンのマンションの隣室には、彼女を暴力的に犯したいという欲求を抱えた会社員アレンが住んでいました。しかしまともに話したことは無く、猥褻な悪戯電話で欲求不満を解消しています。そんな彼の部屋に、向かいの部屋の住人クリスティーナが訪ねて来ました。マンションの警備員ペドロが何者かに殺害されたので、その葬儀代を皆で出そうと提案しに来たのです。というのは建前で、実は好意を寄せるアレンをデートに誘おうとしていました。しかし断られ、肩を落として部屋に帰って行きます。ジョイは別れた交際相手の自殺を知ってショックを受け、心機一転難民教育・職業訓練センターで教師として働くことにしました。ところが生徒から猛烈に嫌われてしまい、唯一味方をしてくれるのはロシア人タクシードライバーのヴラッドだけです。その頃、ビルに運命の出会いが訪れていました。ビリーの友人ジョニーに一目惚れしてしまったのです。ジョニーが泊まりに来た夜、ビルは食べ物に睡眠薬を混入して自分以外に食べさせました。そして皆が眠った頃合を見て、ジョニーをレイプしてしまいます。
ハピネスのネタバレあらすじ:暴走
ヘレンはスランプに陥っていました。自分の文章にリアリティが無いことを悩み、レイプ経験さえあればもっと真に迫った小説を書けるはずだと思い悩みます。ちょうどその時、アレンから猥褻電話がかかって来ました。ヘレンは天啓を得たかのごとく、「レイプして欲しいのよ」と言い出します。一方、仕事が上手くいかないジョイは泣きながら帰路に就いていました。そこへヴラッドがタクシーに乗って現れ、家まで送ると言います。はじめは遠慮し困惑していたジョイも、彼の強引なアプローチにすっかり魅了され体を重ねてしまいました。夢心地のジョイですが、ヴラッドは用が終わるとさっさと帰ってしまいます。翌日、ジョイが意気揚々と教室に行くとヴラッドの姿がありません。代わりに彼の恋人が現れて暴力を振るわれる始末でした。
ハピネスのネタバレあらすじ:崩壊の足音
ジョニーは排泄物に血が混じっていたことから病院へ連れて行かれ、レイプされたことが判明します。それを知らないビルは、今度はロナルドというビリーの友人をレイプしました。一方、アレンはまた部屋を訪ねて来たクリスティーナとデートすることになります。レストランでデザートのアイスクリームを食べながら、クリスティーナは涙ながらにペドロを殺害したのは自分だと言い出しました。ペドロにレイプされたクリスティーナは、彼の頭を捻りあげて殺害し遺体をバラバラにして少しずつ捨てているのだそうです。ヨロヨロと帰宅したアレンは、ヘレンの部屋を訪ねました。訝しそうにしていたヘレンは、悪戯電話の主がアレンだと察し部屋に招き入れます。しかしイメージが違うと言い出し、アレンはすごすごと退散する羽目になりました。アレンはクリスティーナを訪ね、彼女と同じベッドで眠りに就きます。翌日、ヴラッドの家を訪ねたジョイはCDプレイヤーやギターが盗まれていたことに気付きました。ヴラッドは愛を囁きつつも金を貸して欲しいと頼み、盗んだ物を先に返すよう言うと「交換だな」と言い出します。ジョイは彼に金を渡し、どこかさっぱりした口調で別れを告げました。
ハピネスの結末:幸せとは?
メイプルウッド家にも幸せの崩壊が近付いていました。ついに警察がビルをレイプ犯だと断定したのです。噂は街中に広まり、家の壁にはスプレーで「連続レイプ犯 変態男」と落書きされていました。ビリーからジョニーとロナルドに何をしたのか聞かれ、「犯したんだ」と答えるビル。気持ちよかったこと、またやりたいと思っていること、ビリーともしたかったが自慰行為で我慢したことを明かします。翌早朝、トリッシュは子ども達を連れて家を出て行きました。半年後、三姉妹と両親は久しぶりに食卓を囲みます。ヘレンはクリスティーナの事件が明るみに出たことを話し、ジョイにアレンのことを紹介しました。トリッシュやモナも誰か紹介して欲しいと頼みます。ギスギスした雰囲気の食卓で、ジョイは「幸せに」と乾杯を促しました。そこにビリーがやって来て、初めて射精出来たことを報告します。今度こそ食卓に沈黙が降り、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画ハピネスのあらすじと結末でした。
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