私はゴーストの紹介:2012年アメリカ映画。自分が幽霊だと気付かないまま、生前と変わらない生活を続けているエミリー。そんなエミリーの日常は、霊媒師が現れたことで一変します。幽霊が恐怖を体験するという、今までにないホラー映画。
監督:H・P・メンドーサ 出演者:アンナ・イシダ(エミリー)、ジーニー・バロガ(シルヴィアの声)、リック・バーカート (エミリーを殺害した男)
映画「私はゴースト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「私はゴースト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
私はゴーストの予告編 動画
映画「私はゴースト」解説
この解説記事には映画「私はゴースト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
私はゴーストのネタバレあらすじ:起・静かな日々
エミリーは郊外の一軒家で1人で暮らしている若い女性です。目玉焼きを焼きながら欠伸をし、掃除をし、ベッドで目覚め、家族の写真を眺めて泣き、買い物に出かけたりと、毎日同じ日常を淡々と繰り返しています。実はエミリーは幽霊なのですが、本人はまだそのことに気付いていません。エミリーは誰もいないはずの屋根裏から男の呻き声や足音が聞こえる度に怯え、食事中にナイフを見て、憑かれたように振り上げたりもしています。エミリーは母親の寝室に入りますが、どこか居心地の悪さを感じ、ベッドの前に敷いてある絨毯がやけに気になります。すると突然、「エミリー」と呼ぶ女性の声が聞こえてきました。「なぜ私の家に?」と怯えるエミリー。シルヴィアと名乗るその声は、部屋の中のタンスの前にいると言いますが、エミリーには見えません。「さあ繰り返して・・・私は幽霊、私は幽霊・・・」と言うシルヴィア。エミリーは呆然としながらも「私はユウレイ・・・」と呟きます。シルヴィアは、この家に住む一家に雇われた霊媒師です。「部屋を出てはだめ。先に因果を解かないと記憶をなくして一生成仏できない」と言われ、エミリーは前にもシルヴィアと話したことがあることと、自分はこの部屋で殺されたことを思い出します。エミリーは怪物のような青白い肌の大男に追いかけられ、何度も刺されて亡くなっていました。
私はゴーストのネタバレあらすじ:承・辛い記憶
今までの行動を訊かれたエミリーは、「・・・卵を食べたわ。次に買い物へ行って・・・家を掃除した」と答えます。それは全て生前の記憶を追体験しているだけでした。普通の幽霊は自分の死を自覚することで成仏できますが、エミリーの場合は深い因果を解かないかぎり、成仏は無理そうでした。エミリーはシルヴィアの体を通り抜けて部屋を出て行こうとしますが、近付いてくるシルヴィアの気配に怯えて逃げ出してしまい、また繰り返しの日常に戻ってしまいます。ある日、再び、シルヴィアの声が聞こえてきました。ベッドの前の絨毯の上を歩くように言われ、恐る恐る歩くエミリー。すると、苦しみとともに、生前の記憶が全て蘇りました。この絨毯の上で刺された時の激しい痛み、母親に悪魔憑きだと思われて辛かったこと。シルヴィアがなぜ悪魔憑きだと思われたのか問いかけると、エミリーは「気が付くと手が血まみれで・・・妹の首を絞めてたことも。父は治療を望み、母は私を湖に捨てろと・・・」と語ります。父親の死後、母親は妹を連れて出て行き、エミリーは一人ぼっちで暮らしていました。
私はゴーストのネタバレあらすじ:転・真相
これで因果を解くことができたので、家の外に出てみることにしたエミリーですが、家の外は真っ暗な「無」が広がるばかりで何も存在していません。そして、家の中で淡々とした日常を過ごす自分を目撃して驚きます。因果を解いたことで霊的に覚醒し、生前の記憶を客観視できるようになっていました。エミリーは、目玉焼きを焼いたり、買い物に出かけようとする自分をしげしげと眺めますが、殺された時の自分の姿も見ることになるのではと怯えます。ところが、シルヴィアに「あなたは殺されてない」と言われ、意味が分からずに混乱するエミリー。シルヴィアはエミリーのことを調べていましたが、エミリーが刺殺されたという事実はなかったのです。エミリーは子供の頃に、怪物のように凶悪な別人格が現れる解離性同一性障害(多重人格症)と診断されており、あの絨毯の上で自分を刺し殺して亡くなっていました。その話にショックを受けて「自殺じゃない!」と怒るエミリー。シルヴィアは残った因果が自殺の記憶を封じていると感じます。エミリーには怪物の人格が現れた時の記憶がありません。エミリーと怪物の2つの魂を成仏させないといけないことが分かり、怪物を捜すことになります。エミリーは、時々呻き声や足音が聞こえる屋根裏部屋が気になっていたので、シルヴィアに相談します。屋根裏は母親が折檻部屋と呼んでいた部屋でしたが、その部屋に入ったことも罰を受けたこともないと言うエミリー。シルヴィアに「あなたが覚えてないだけかも」と言われ、意を決して屋根裏部屋に行ってみますが、怒りや悲しみの情念のようなものが渦巻いているのを感じるだけで、誰もいませんでした。部屋に戻ってから「怖かった」とシルヴィアに言いますが、返事がありません。
私はゴーストの結末:怪物
「シルヴィア?」と呼びかけながら廊下に出ると、屋根裏部屋から真っ黒の目のおぞましい怪物が追いかけてきたので逃げます。バスルームに隠れると、ドア越しに怪物の声が聞こえてきました。「オレは怪物だが犠牲者でもあるんだ・・・オマエを殺せば自由になれると思ったが、屋根裏の折檻部屋に囚われたあげく、悲惨な記憶だけを延々と追体験させられた。見つけたゾ・・・逃がすものか。オマエは死ね!」と言ってドアを開け、エミリーの首を絞めます。その瞬間、また目玉焼きを焼くエミリーのシーンになります。欠伸をした後に何かに憑かれたようになり、熱いフライパンに手を押し付けて叫び声をあげるエミリー。ベッドで目が覚めた後、自分の顔を激しく殴り始めるエミリー。食事中、ナイフに映った自分の顔を見て様子が変わり、手にナイフを突き刺すエミリー・・・と怪物になった時のエミリーの様子を追体験していきます。エミリーは隙をついて怪物から逃げてシルヴィアに助けを求めますが、大きな包丁を持った怪物が現れて何度も刺されてしまいます。エミリーは怪物に刺され続けている記憶の追体験から抜け出し、シルヴィアに助けを求めますが、エミリーの声はもう届いていないかのように返事がありません。「死者よ立ち去れ!光へと導かれよ!」というシルヴィアの霊媒の声が聞こえ、目玉焼きを焼くエミリー、掃除をするエミリー、買い物に行くエミリー・・・と、エミリーの生前のビジョンがひとつひとつ消え去っていきます。怪物も記憶の追体験から抜け出し、エミリーを刺し続けている自分の記憶のビジョンを怯えた様子で見ています。シルヴィアは「死者よ立ち去れ!光へと導かれよ!」と叫び続けますが、エミリーには光が見えません。家は揺れて闇に飲まれていきます。怪物はだんだんと普通の人間の姿になっていき、エミリーを刺し続けている怪物の記憶のビジョンも消えていきます。エミリーが自分の腹部を刺し続けているビジョンに変わったのを見て、嗚咽する怪物。全てが崩れて闇に飲み込まれていく中、エミリーは恐怖の中で自分に言い聞かせるように「心配ない。大丈夫。きっと成仏できる・・・私は幽霊。私は幽霊。幽霊・・・」と呟き続けるのでした。
以上、映画「私はゴースト」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する