アイム・ノット・シリアルキラーの紹介:2016年アイルランド,イギリス,アメリカ映画。「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズのドクことクリストファー・ロイドが、シリアル・キラーの老人役で圧巻の演技を見せるサイコ・ホラー。母親が葬儀屋を営むことから、遺体を見るのが日常的な高校生ジョン。殺人事件にも異常な関心を持ち、周囲からは変わり者と思われている。そんなジョンが、近所に住む穏やかな老人クローリーのもう1つの顔を知ってしまう…。「かいじゅうたちのいるところ」(2009)で少年だったマックス・レコーズが成長し、複雑な十代を好演している。
監督:ビリー・オブライエン 出演者:マックス・レコーズ(ジョン)、クリストファー・ロイド(ビル・クローリー)、ローラ・フレイザー(エイプリル)、カール・ギアリー(ネブリン)、ディー・ノア(ケイ・クローリー)、ルーシー・ロードン(ブルック)、クリスティーナ・ボールドウィン(マーガレット)ほか
映画「アイム・ノット・シリアルキラー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アイム・ノット・シリアルキラー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アイム・ノット・シリアルキラーの予告編 動画
映画「アイム・ノット・シリアルキラー」解説
この解説記事には映画「アイム・ノット・シリアルキラー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アイム・ノット・シリアルキラーのネタバレあらすじ:起
小さな田舎町クレイトン。高校生のジョンは、実家が葬儀屋を営んでいました。父親が家族を捨てて出て行ってからというもの、母親のエイプリルと叔母のマーガレットが遺体処理から葬儀までをこなしています。ジョンもまた、遺体から血を抜き代わりに防腐剤を注入する作業“エンバーミング”を手伝うことがありました。内向的で何を考えているのかわからないタイプのジョンは、学校でも浮いた存在。さらに稼業の影響なのか、巷の殺人事件や猟奇犯罪に対して過剰な興味を抱いていました。学校のレポートの題材に有名な連続殺人鬼を選んだジョンに、不安を抱いたエイプリル。葬儀屋の手伝いをやめさせ、セラピストのネブリンをつけることにします。そんな時、町で残忍な殺人事件が起こります。殺された男性は体じゅうを引き裂かれ、現場にはコールタールのようなどろどろの物質が残されていました。もちろんジョンはこの事件に興味しんしん。しかし母親には遺体処理の仕事をさせてもらえず、時間を持て余したジョンは、隣人であるビルとケイのクローリー夫妻の手伝いをしていました。ビルとケイは仲睦まじい夫婦で、ジョンが雪かきをしたりスマホの使い方を教えたりするのをとても喜んでいたのです。
アイム・ノット・シリアルキラーのネタバレあらすじ:承
エイプリルは、殺人事件被害者の遺体に処理を施します。そこで不思議なことに気づきます。内臓が足りないのです。除去されているのかしらといぶかしがるエイプリルを、ジョンが見つめます。未だ犯人が捕まらないこの事件に、町の人々は怯えきっていました。ある日のことジョンは、川へ穴釣りに出掛けようとするクローリーを見かけます。クローリーは、1人の男と一緒でした。それは、以前からジョンが何度か見かけて怪しいと睨んでいた男です。クローリーの身を案じたジョンは、2人の後をつけます。ジョンの心配は現実となり、ひと気のない川で殺人事件は起きました。しかし殺人犯はクローリーの方だったのです。クローリーは男の上半身を切り刻み、それを見たジョンはショックで座り込んでしまいます。その日からジョンは、密かにクローリーを尾行するようになります。あるダンスパーティに出掛けたクローリー夫妻を、こっそり覗くジョン。クローリーは体調が悪そうで、ダンスの途中で休みます。ケイの方は、床屋の主人オルソンと仲良さそうに踊っていました。後日、クローリーの後をつけたジョンは、クローリーがオルソンの床屋へ出向き、オルソンを殺害する場面を目撃します。慌てたジョンが店の警報を鳴らし、パトカーがやって来ました。クローリーは、店内にとびこんだ2人の警官をもやすやすと殺します。クローリーは警官の死体を放置し、オルソンの死体だけ車に入れてどこかへ走り去ります。
アイム・ノット・シリアルキラーのネタバレあらすじ:転
町は再び恐怖に陥りました。ジョンはクローリーの車に「正体を知っている」というメモを置きます。町の人々は集会を開き、殺人鬼から互いを守ろうと話し合います。クローリーは体調を崩し、家に引きこもっていました。ケイはジョンに助けを求め、ジョンもクローリーの介護に手を貸します。クリスマスの夜、家族からパンダのマスクをプレゼントされたジョン。マスクを被って公衆電話からクローリーにかけ、「手紙を置いた」と兆発します。クローリーは怯むどころか、自分はずっと前から殺人を繰り返してきたと示唆し、電話ボックスにいるジョンのもとへ車で現れます。慌てたジョンは友人マックスの家へ逃げ込みます。おかげでジョンは無事でしたが、クローリーはマックスの父親ロジャーを襲いました。ロジャーのはらわたをえぐるクローリーの姿に、ジョンは度胆を抜かして逃げ出します。後日ジョンは、GPS追跡装置を手に入れてクローリーの車に仕込みます。真夜中、クローリーが車で出掛けるのを見届け、ケイが眠る2階の寝室へ忍び込みます。手袋をして枕カバーをケイに被せますが、目覚めたケイは混乱状態に。焦ったジョンは置時計でケイの頭を殴りますが、ぐったりした様子を見てパニックになります。ネブリンに電話をかけ、取り返しのつかないことをしたと告げるジョンに、ネブリンはなんとか落ち着かせようと話しかけます。幸いにもケイは気絶しているだけでした。ジョンはケイの写真を撮り、クローリーの携帯に送りつけます。
アイム・ノット・シリアルキラーの結末
クローリーが家に戻ってきました。クローリーの車の中を見たジョンは衝撃を受けます。中にあったのはネブリンの死体でした。ジョンは死体をひきずり出し、木立の陰に隠します。戻ってきたジョンの背後を、クローリーがじっと見つめていました。その後、新たな犠牲者となったロジャーの葬儀が行われました。現れたクローリーは、ジョンにネブリンの死体を返せと迫ります。葬儀が終わり、店に残ったジョンは、クローリーがエイプリルをさらって遺体処理室に隠れたことに気づきます。エイプリルは処理台の上に倒れていました。クローリーの望みは、ネブリンの心臓を手に入れることでした。ジョンはクローリーを殴り、処理台にのせて服を切り裂くと、エンバーミングを行います。エイプリルは驚きながらも息子に従います。血が抜かれ、防腐剤が注入されます。クローリーの血は、まるでコールタールのように真っ黒です。痛みに叫び声を上げたクローリーが息絶えます。ジョンとエイプリルがほっとしたのも束の間、クローリーの死体に異変が起こります。その体内から、骸骨のような不気味な怪物が出てきたのです。恐怖にすくむジョンに、その怪物が言います。「おれの代わりに妻を頼む」。ジョンが恐る恐るエンバーミング装置の管を手渡すと、怪物は自らの胸に突き刺してそのまま崩れ落ちます。処理台の上のクローリーの死体もまた、どろどろに溶けてしまいます。後日、警察が木立の中でネブリンの死体を発見します。クローリーは行方不明と報道され、事件は謎を残したまま幕を閉じます。ジョンは、1人残されたケイを訪ねます。ケイは初めてクローリーと出会った若き日のことをジョンに話して聞かせます。何十年もの間、2人は心から深く愛し合っていたのです。ジョンは静かにケイの言葉に耳を傾けます。検死を終えたネブリンの遺体が、葬儀屋に運ばれました。処理台に乗せられたネブリンに、ジョンとエイプリルがエンバーミング処理を開始します。
この映画の感想を投稿する