ヘンリー・アンド・ザ・ファミリーの紹介:2011年アメリカ映画。ジュリア・ロバーツが製作総指揮をつとめたオフビートなファミリー・コメディ。生後9ヵ月で言葉をしゃべり、10才で大学に入学した天才少年、ヘンリー。ある日、祖父から自分は人工授精で生まれた試験管ベビーだと知らされる。そのヘンリーの生物学上の父親とされるオハラ博士は、12才の娘オードリーに手を焼いていた。ヘンリーを中心に描かれる、風変りな人々の人間模様が秀逸。主演は「シックス・センス」(1999)でアカデミー助演女優賞にノミネートされたトニ・コレット。
監督:デニス・リー 出演者:トニ・コレット(パトリシア)、ジェイソン・スベヴァック(ヘンリー)、マイケル・シーン(オハラ博士)、フランク・ムーア(スタン)、サマンサ・ワインスタイン(オードリー)、R.H.トムソン(ビリー)、ポール・ブラウンスタイン(グンター医師)ほか
映画「ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ヘンリー・アンド・ザ・ファミリーの予告編 動画
映画「ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー」解説
この解説記事には映画「ヘンリー・アンド・ザ・ファミリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヘンリー・アンド・ザ・ファミリーのネタバレあらすじ:起
1973年、10才の誕生日を迎えた少女パトリシア。両親と年の離れた4人の兄に囲まれ、バースデーケーキを前にしていました。そこで事故が起こります。父親スタンがケーキのろうそくに灯そうとした火が母親に燃え移り、なんと母親は焼死。その後も悲劇は続き、警察官となった双子の兄ティムとトムが事故死、さらに四男のジミーがエイズで死亡します。ヒッピー文化にかぶれていた18才の長男ビリーも家出同然に姿を消し、音信不通となりました。粗雑で身勝手な父親と2人きりで暮らすことになったパトリシア。父親や兄達への恨みのせいか、大人になるとフェミニズムを叫ぶ活動家となっていました。1998年、パトリシアは男の子を出産し、ヘンリーと名づけます。ヘンリーは9ヵ月で言葉をしゃべり出し、5才で頭がよすぎて幼稚園を停学になるほどの天才児でした。10才になると、通っているカトリック・スクールで「神様はいない」と騒いでまたもや大問題に。他の子と違う自分に悩むヘンリーは、老人ホームに暮らすスタンを訪ねます。スタンはヘンリーの出自を告白します。ヘンリーは、パトリシアが精子バンクを使って人工授精で生まれた子供だったのです。
ヘンリー・アンド・ザ・ファミリーのネタバレあらすじ:承
人工授精のお金を出したのはスタンでした。スタンは、ヘンリーの父親についての情報を明かします。それはスラヴキン・オハラという博士で、自分の12才の娘について書いた著書を出した人物でした。その娘オードリーは、父親の著書の内容から「レズビアン」だと学校でいじめを受けており、父親には反抗的です。ヘンリーは、他人のふりをしてオハラ博士に接近します。聡明なヘンリーにすっかり感心したオハラ博士は、10年前に精巣ガンを患ったことで精子バンクに精子を提供したこと、その後、妻をグンターという自分の担当医に寝取られたことなどあけすけに話します。その後、ヘンリーは大学に入学。オハラ博士は、ヘンリーが自分の子供だと聞いて仰天します。自分に弟がいると聞いたオードリーはショックのあまりゲロを吐き、父親を責めます。ところがオハラ博士は、妻が医者と不倫中にオードリーを妊娠したため、もしやオードリーは自分の子ではないかもなどと言い出し事態はさらに厄介に。グンターは1998年に死去していたため、確認するすべはありません。親子関係をハッキリさせるため、オハラ博士、パトリシア、ヘンリー、オードリーの4人は全員でDNA鑑定を受けることにします。
ヘンリー・アンド・ザ・ファミリーのネタバレあらすじ:転
パトリシアは、ヘンリーの本を書くつもりだったと言うオハラ博士に「ヘンリーは私の息子よ!」とキレます。一方、ヘンリーとオードリーは2人で遊園地へ行き、次第に姉弟らしくなっていきます。そんな中、スタンが亡くなり、パトリシアとヘンリーは悲しみにくれます。オハラ博士は、DNA鑑定の結果を受け取ります。結果は99%以上の確立で「親子」。その日は嵐でした。オハラ博士が窓を開けると、ヘンリーについての本を書くために壁に貼っていた何百という付箋が風に舞って飛んでいきます。飲み続けていた精神安定剤も全て窓から投げ捨てたオハラ博士は、ようやく心が解き放たれて笑い出します。その頃、パトリシアの家ではスタンの葬儀が行われていました。突然の来客に玄関に出ると、そこには35年前に出ていった兄、ビリーが立っています。再会を喜ぶどころか平手打ちをくらわせるパトリシア。ヘンリーは、初対面の伯父にスタンの形見のライターを渡します。パトリシアの母が焼死した、あの因縁のライターです。ビリーは、君が持っておく方がいいとヘンリーに返します。
ヘンリー・アンド・ザ・ファミリーの結末
ビリーはパトリシアに過去のことを謝罪し、兄妹はようやく和解します。オードリーもまた、ヘンリーを弟として認めることにします。パトリシアとビリーは、スタンの遺品である家族アルバムを見ています。ヘンリーは、赤ん坊の自分を愛しそうに胸に抱いているジミー伯父の写真を見つめます。13才の誕生日を迎えたオードリーは、オハラ博士に宣言します。18才の誕生日が来たら、信託資金の一部をさまざまな団体に寄付したい。全米女性機構、環境防衛基金、全米レズアンドゲイ団体…。その言葉通り、オードリーはその後、レズビアンの権利を求めて活動を起こします。ヘンリーもまた、18才になった時に大学の給付金を役立てます。警察官だったトムとティムのため、スタンの名で警察官記念基金に寄付。そしてジミーのため、エイズ研究基金にも寄付をしたのです。話は元へ戻り、オードリーの13回目のバースデーパーティが始まりました。パトリシアがオハラ博士の助けを借りて、あのスタンのライターでろうそくに火を灯します。
この映画の感想を投稿する