映画「テキサスSWAT」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
テキサスSWATの紹介：1983年アメリカ映画。テキサス警備隊の一匹狼ジム・マクエイド、日々無法者と戦う彼の管轄で、軍の輸送隊が襲われ大量の武器が奪われる。その事件を追うジムだが、その首謀者は、彼の親友を殺し、彼の娘を誘拐する。ジムは親友の仇と娘を助ける為にメキシコに乗り込む。チャック・ノリス主演のアクション映画。
監督：スティーヴ・カーヴァー 出演者：ジム・マクエード（チャック・ノリス）、ローラ（バーバラ・カレラ）、サリー（ダナ・キンメル）、モリー（シャロン・ファレル）、ラモス（ロバート・ベルトラン）、ほか
この解説記事には映画「テキサスSWAT」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
テキサス警備隊の隊員ジム・マクエイドは、荒野を駆ける一匹狼のごとく、常に単独行動を行っていました。その視線の先、警備隊が馬泥棒を逮捕しようと包囲しますが逆に捕らえられてしまいます。無法者達は彼らを処刑しようとしますが、そこを離れていたジムが狙撃し、彼等の動きを止めます。無法者のリーダーは捕らえた隊員達を使い、ジムと駆け引きをします。しかし、無法者が一人を撃ち殺したのを皮切りに、ジムはライフルを捨て近付き、空手技を駆使して瞬く間に無法者達を討ち倒しました。ジムは警備隊隊長に呼び出され、一匹狼なやり方を注意します。世論もジムの度を越したやり方に疑問を呈し始めていて、隊長は首に鈴を付けるように彼にラモスという若者を助手をつけます。彼は先日助けられた隊員の一人でした。ジムは当然のようにそれを拒否し、ラモスを置いて去って行きました。秘密の飛行場に飛行機が着陸します。そこを基地にしている組織のリーダー、ローリーは危険な男であり、約束を違えた取引相手を素手で殺せる程の武術家でもありました。ラモスは、狼を番犬にしているジムの家を訪ねます。しかしジムは、相棒は要らないと銃で威嚇して彼を追い返します。ラモスは少し離れてジムの訓練風景を覗き見ます。正確な射撃とその身のこなしは、素晴らしいものでした。出かけるジムのＳＵＶを、ラモスはパトカーで追い掛けます。しかし、あっさり振り切られ置いていかれてしまいます。ですがその男っぷりをラモスは賞賛しました。ジムは元妻の家を訪ねます。まだ親密な間柄で彼を快く出迎えてくれます。しかし彼女は、申し訳なさそうに他の街に仕事を見つけて出て行くと言います。更に、娘のサリーには恋人が出来ていて、ジムは落ち込みます。ジムはサリーに乗馬をさせる為に競馬場を訪れます。そのジムをローリーが監視します。馬の手入れをするダコダは先日警備隊を引退したばかりでした。彼は敷地内で催されているパーティに来て居ていたローラを見て絶賛します。その美人は未亡人で、ダコダは夫の死に何か裏がある事を匂わせます。その時、サリーの乗る馬が車のバックファイヤに驚き、暴れ始めます。それを止めてくれたのはローラでした。彼女に礼を言うジムの所にローリーがやってきます。ローラは彼をビジネスパートナーと紹介して来ました。彼は、ジムにこの後行われる模範試合に出ないかと誘ってきます。しかしジムはそれを断りました。どうしてもジムと手合わせがしたローリーは、丁度居たラモスに手下をけしかけます。ラモス、止めに入ったダコダも痛め付けられます。ジムはそれに怒り、手下をあっという間の倒します。そこにローリーがやって来て対峙しますが、ローラが割って入り止めます。それを遠くから、小男が楽しそうに見ていました。
競馬場の一件でジムとローラは親密になって行きます。サリーも恋人と逢瀬を楽しもうとしますが、トラックの車列が強盗にあっている所を見てしまいます。その場から逃げようとする二人ですが、恋人は撃ち殺され、彼女は逃げ込んだ車ごと崖から落されしまいました。ジムはそれを無線で聞かされ、すぐに病院に駆け付けます。翌日、事件現場にジムはやってきます。そこにはＦＢＩが乗り出していて、捜査官のジャクソンが取り仕切っていました。同じく現場にやってきたラモスは、散らばっていた書類の一部を持ち帰り、軍が関係している事をジムに伝えます。更に調べて見ると、襲われたのは武器を大量に輸送していた車列でした。ジムはラモスを連れ、知って居そうな小悪党の麻薬工場に乗り込み、捕まえて、ダコダの牧場に連れて行きます。ダコダはその小悪党を脅し、犯行がメキシコの組織の仕業だと喋らせます。ジムは、小悪党をダコダとラモスに預け、自分は関わっていそうな組織のボスに会いに行くと言います。ボスに会いに行く前にジムは一旦家に帰ります。すると家は綺麗に掃除されて居ました。留守中来ていたローラが汚い部屋を見兼ねての親切でした。しかしジムは、勝手な事をした彼女を怒鳴ります。ジムを気遣ったつもりのローラは、呆れて出て行こうとしました。ジムはそれを慌てて止めます。好意に慣れて居ない彼は不器用に謝り、彼女を受け入れました。
ジムは乱暴に競馬場のＶＩＰボックスに入ります。そこにはパーティーを見て居た小男ファルコンが居ました。ジムはファルコンに強盗の事を聞きます。すると彼は、楽しそうに友人の仕事だと喋ります。しかし彼はそれ以上は語らず、隠し戸を使い姿を消します。そして去り際に、ジムの捕まえた小悪党が今日中に死ぬと宣言して行きました。ジムはダコダの家に急行します。連絡は取れませんでした。その頃ダゴダは、小悪党を見張りながらラモスとポーカーしていました。そこにローリーが手下を率いて襲撃し、ダゴダと小悪党殺します。ラモスは見逃されたかのように生き残り、駆け付けてきたジムに慰められます。ジムは隊長に呼び出されます。彼の部屋には軍の関係者とＦＢＩの捜査官が同席していました。ダコダと重要参考人を死なせたを隊長は庇いきれず、ジムは停職を受けます。落ち込んで家に帰るとローラが待っていてくれて、彼を慰めました。ローリーは更に、ジムの家を襲い、警告として窓から室内に銃を乱射して去って行きました。無事サリーも退院し、ジムは家で謹慎するように過ごします。そこにジャクソンがやって来て、地元に明るい人間が必要だと捜査協力を頼んできます。ジムは引き受けました。二人は飛行機から荒野を捜索します。成果は得られそうにないと帰ろうとした時、ジムは地図にない施設を見付けました。そこはローリーの秘密飛行場でした。それを知らずジム達は、車でＦＢＩの捜査チームを案内し、向かいます。施設に辿り着くと、そこはさながら野戦基地でした。ジム達は夜を待ち侵入します。慎重に事を運びたかったジムですが、功を焦ったＦＢＩが勝手に警告を発し、無法者達を逮捕しようとします。しかし多勢に無勢でした。ジムはラモスを逃がしますが、自分は取り押さえられてしまいます。しばらくしてローリーがやってきます。そしてローラも一緒でした。ローリーはローラの目の前でジムを痛め付けます。彼は一頻りいたぶった後、非難する彼女を連れて去って行きます。気絶したジムは、愛車ごと生き埋めにされてしまいました。一部始終を見ていたラモスは、逸る気持ちを抑え、人が消えるのを待ちます。彼は、数人が残った所で再び乗り込み、無法者を撃ちジムを助けようとします。埋められたジムは気を取り戻し、車にエンジンを掛け、アクセルを全開にして脱出してみせました。車から出てきた息もからからなジムをラモスが介抱します。そこに、生き残ったジャクソンもやって来て、一息つきました。
家に戻ったジムはトレーニングをします。しかし傷は回復しておらず、思うように体が動かせません。そんな彼は怒りだけを溜め込んで行きます。ジムはモリーの家を尋ねます。するとサリーの姿が見えないと訴えられます。そこにファルコンがやって来て、ローリーが愛想が尽きたと言い、彼が娘をさらった事を教えます。ファルコンは、サリーの監禁場所を話す代わりに、彼が独り占めした物を確保してくれと条件を付けます。モリーに頼まれた事もあり、ジムはそれを飲みました。一人、ローリーのアジトに向かおうとするジムをラモスが見かけます。彼がメキシコに向かうと知り、まだ体も完全でないのにと止めますが、ジムは振り切って国境に向かいました。国境を越え、ガソリンスタンドに立ち寄ると、ジャクソンが武器を用意して先回りしていました。そこにラモスも駆け付け、３人でローリーのアジトに乗り込む事にします。山奥のアジトに辿り着き、ジムは単独で侵入します。見張りはジャクソンが始末して行きました。ジムは、ローラが食事を運ぶのを見つけ、彼女を追いサリーを見つけます。二人はジムの姿に喜びます。ジムは二人を連れて脱出を図ります。それをラモスとジャクソンが援護し、激しい戦闘が始まります。ローリーがジムを見つけ、二人は銃器を捨て対峙し、お互いの空手技を駆使して決闘を始めます。怪我をしているジムが押されます。父親の危機に思わずサリーは駆け寄って行きます。それをローリーが殴り倒しました。それを見たジムは、溜まり溜まった怒りを爆発させます。形勢は一気に逆転し、ローリーは追い詰められます。彼は助っ人に来た手下から銃を奪い取り、ジムに向け撃ちます。しかしそれは、飛び出し庇ったローラに当たってしまいました。ローリーは部下に連れられ逃げます。ローラは死の間際、ローリーが彼女の夫を殺し、無理やりとは言え仲間になった事を告白し、詫びながら事切れます。ジムはやってきたジャクソンが放ってきた手榴弾を受け取り、ピンを抜いて物影から撃ってきたローリーに投げ付け、復讐を果たしました。全てが終わるとファルコンがヘリでやってきます。彼は戦闘で使いものにならなくなった武器の残骸を見てジムを詰ります。ジムはそれを無視し、ファルコンの乗ってきたヘリで去って行きました。事件解決の記者会見で、ジャクソンは事件解決をジムの功績として公表します。ジムは、その会見を見に来ていたモリーとサリー連れられ会場を去ろうとしていました。しかしそこにラモスがやって来て銀行強盗が発生したと報告して来ます。自分は休暇だと言うジムに、人質が居るとラモスは付け加えます。ジムは迷いながらもモリーとサリーに謝りながら事件へ向かいました。去っていく彼を見てモリーは、いつもこうなんだからと非難しますが、その顔には笑みが浮かんでいました。
この映画「テキサスSWAT」は、1980年代に一世を風靡した”肉体派アクションスター”の内のひとりで、ブルース・リー(李小龍)の「ドラゴンへの道」で最強の敵役として名を馳せたチャック・ノリスが、ブレークするきっかけとなった作品だ。
とにかく、史上最強のミドル級の空手チャンピオンからアクション映画スターへと華麗に変身したチャック・ノリスの魅力の原点に迫る、男気満点の作品なのだ。
武器密売組織と闘う一匹狼のテキサス・レンジャーを描いたアクション映画だが、そのテイストは、まさにマカロニ・ウエスタンだ。
主人公のマッケイド(チャック・ノリス)の小汚さと屈強さを絶妙にブレンドされた風貌は、マカロニ・ヒーローを彷彿とさせるし、フランチェスコ・デ・マージの音楽も、馬泥棒一味を殲滅するウエスタン的なオープニングから、クライマックスを飾る組織のボス(デヴィッド・キャラダイン)との格闘家俳優の面目躍如の対決まで、正調マカロニ節で、大いに盛り上げてくれる。
また、主人公の愛車としてスーパーチャージャーを搭載したダッジが登場し、カー・アクションの要素も加味する無節操なほどのサービスぶりは、この作品がイタリア製ではないのが不思議なくらいだ。