マドレの紹介:2016年チリ映画。重度の自閉症の息子を持ち、日々の生活に疲れていたディアナでしたが、息子がスーパーで暴れ出し、息子を鎮めてくれた中年フィリピン女性に出会い、家政婦に雇った事から、恐怖のどん底に陥れられるという不条理ホラーです。珍しいチリの作品です。
監督:アーロン・バーンズ 出演者:ダニエラ・ラミレス(ディアナ)、クリストバル・タピア・モント(トマス)、アイダ(ルス)、マティアス・バッシ(マルティン)、ニコラス・デュラン(ダビッド)、イグナシア・アラマンド(カタリナ)ほか
映画「マドレ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マドレ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マドレの予告編 動画
映画「マドレ」解説
この解説記事には映画「マドレ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マドレのネタバレあらすじ:起
重度の自閉症のマルティンと二人で暮らす母親ディアナは日々狂暴に暴れるマルティンの世話に疲れていました。夫は日本で仕事をしており、タブレットを通して会話をする毎日でした。更にディアナは男の子を妊娠していました。楽に暮らすため家政婦を雇っても、マルティンの世話に嫌気をさし、すぐに辞めてしまっていました。
ある日、スーパーへ買い物に行った二人でしたが、マルティンが店内で暴れ始め、商品を散乱させました。この光景をじっと見ていた従業員のルスという中年女性がマルティンを鎮め、欲しいものを取ってあげました。マルティンはすっかりおとなしくなり、ルスの話を聞いていました。ルスに礼を言うと、自分にはもっとひどい自閉症の息子がいて、自分の手で普通の子供に戻したと話しました。ディアナはこの出来事をタブレットで夫のトマスに話すと、トマスは家政婦をやってくれないかと頼んでみてはどうかと言いました。
マドレのネタバレあらすじ:承
早速その話をするとルスがやってきました。立派な部屋を与えられたルスはディアナに感謝しました。ルスのおかげでマルティンは大人しくなり、ルスの言う事を聞くようになりました。そしてフィリピン出身のルスはマルティンにフィリピン語を教え始めました。するとマルティンは言葉を話すようになり、ディアナもトマスも喜びました。しかしフィリピン語で話す二人の会話が気になるディアナは、友人のカタリナに相談し、会話を訳すことの出来るアプリを教えてもらいダウンロードしました。
早速ルスとマルティンの会話をアプリで訳しました。するとルスはディアナを悪者にして、マルティンに自分をママと呼ばせていました。驚いたディアナはトマスに連絡しました。時差で眠っていたトマスがびっくりしてタブレットに出ると、ディアナはルスがマルティンを洗脳していると言いました。トマスはアプリの事に対し、会話を瞬時にまともに訳せるアプリは無いと言い、訳し間違いだろうと言いました。タブレットを切ったトマスの横には愛人がいました。
マドレのネタバレあらすじ:転
ルスがトマスの車を掃除していると、女性物のイヤリングが落ちていたと言いました。ディアナは自分のものだと言ってルスを部屋から出しましたがそれは自分のイヤリングではありませんでした。帰国したトマスを問い詰めるも、知らないと言われました。
ルスの息子のダビッドが家にやって来ました。辞めたお手伝いの代わりだとルスが言いました。ディアナが文句を言いますが、トマスがいいと言ったというと納得しました。ディアナが耳の中に違和感を感じ、ほじると虫が入っていました。全てルスらの仕業に思えてきたディアナがトマスに相談しますが取り合ってもらえませんでした。ダビッドはイライラするディアナに、自分ではマルティンの世話も出来ないのに、ここまでやってくれたルスに感謝すべきだと忠告しました。
翌朝、ディアナは髪の毛が切られているのに気づきました。怒ったディアナはルスをクビにしました。その夜、ルスの居なくなったマルティンは手首を切って自殺をはかりました。手にはルスに繋がる携帯を持っていました。困り果てたディアナがトマスに相談すると、ルスを給料2倍払って呼び戻せと言いました。
マドレの結末
ルスを呼び戻すとダビッドも一緒に来ました。ルスは大きなスーツケースを動かしていました。トマスの姿が見えなくなり怖くなったディアナはカタリナを呼び、自宅に入れました。ディアナは幻覚が見え出し、現実との区別がつかなくなっていました。実は日々ルスによってお茶に麻薬を盛られていたことが、病院の検査でわかりました。
カタリナが居なくなり、下の部屋に行くとルス、ダビッド、マルティンが飼い犬のファンタを使って儀式をしていました。そしてカタリナの死体も発見しました。ディアナは倒れ、縛り付けられました。気が付くと腹は切り裂かれ、赤ちゃんが取り出されていました。傍らには夫トマスの死体とカタリナの死体があり、ルスとダビッド、マルティンは居なくなっていました。ルスとダビッド、マルティンは何処かに旅立っていました。ルスは赤ちゃんを抱いていました。
以上、映画「マドレ」のあらすじと結末でした。
自閉症の子を持つ母、まして妊娠して精神、体調が不安定なのに、無理して頑張りすぎ。そんな時スーパーで暴れた息子を難なく落ち着かせてくれたオバサン。泣きたい位嬉しかっただろーなと思う、わかってくれる人に出会えて。彼女をメイドとして雇うと、どんどん息子の症状が改善していく。扱いが上手いとはいえ、薬無しであそこまでになるなんて、驚き。でも確かに優しく接して、この人は自分を守ってくれる人と感じてしまった息子、仕方ないかも。母は心身共に心の余裕がなく、強引な扱いしかしてこなかったから。そこは、自分も子供に対しての接し方を考えさせられた。でもあの夫、なんなのかなー。影では浮気して。冷静さを失っている妻が可哀想。でもあのオバサン、はじめ、息子とにいつくのかと思ったけど、意外な結末。赤ちゃん連れ去り、どーするのか・・・。[マドレ]ってスペイン語でお母さんっていう意味があるそうです。そういうオチなのかな。