若草の頃の紹介:1944年アメリカ映画。セントルイスに住む普通の一家の1903年から1904年にかけての生活を四季を通して描くテクニカラー・ミュージカル映画。主演は次女役のジュディー・ガーランド。4女を名子役だったマーガレット・オブライエンが演じてアカデミー子役賞を受賞. 原作は『ザ・ニューヨーカー』誌に掲載されたサリー・ベンソンの一連の回想記。“Have Yourself a Merry Little Christmas” 等の名曲がこの作品のために書かれた。古き良き時代が描かれた本作品は当時戦時下のアメリカで大ヒットしたが、2006年に公表されたAFI’s 100 Years of Musicalsの10位に選ばれていることからもわかるとおり、今日でも古典名作である。監督のヴィンセント・ミネリとジュディー・ガーランドは1945年に結婚することになる。
監督:ヴィンセント・ミネリ 出演者:ジュディー・ガーランド(エスター)、マーガレット・オブライエン(トゥーティー)、メアリー・アスター(母アンナ)、ルシル・ブレマー(ローズ)、トム・ドレイク(ジョン・トゥルーイット)、ジョーン・キャロル(アグネス)、マージョリー・メイン(ケイティ―)、レオン・エイムズ(父アロンゾ)、ハリー・ダヴェンポート(お祖父さん)、ほか
映画「若草の頃」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「若草の頃」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
若草の頃の予告編 動画
映画「若草の頃」解説
この解説記事には映画「若草の頃」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
若草の頃のネタバレあらすじ:起
1903年の夏、セントルイス市民は皆、7か月後に開催を控えた万国博を心待ちにしています。エスター・スミスの一家も例外ではありません。エスターは弁護士の父アロンゾ、母アンナ、祖父、間もなく家を去って大学に入学する兄のアロンゾ・スミス・ジュニア(ロン)、姉のローズ、幼い二人の妹アグネス、トゥーティーと共に暮らしています。料理はメイドのケイティ―の仕事です。
ある暑い日の晩、ローズのボーイフレンドのウォーレン・シェフィールドが滞在中のニューヨークのホテルから電話をするというので、家族はプロポーズを予想して緊張して電話を待っていましたが、ウォーレンは天気など当たり障りのないことを話して、君が隣の部屋にいるみたいだと感心します。長距離電話が珍しかった時代です。
エスターは最近隣に引っ越してきたジョン・トゥルーイットが気になっていますが、知り合う機会がありません。ロンの送別パーティーにエスターとローズはジョン・トゥルーイットも招待します。エスターの画策がうまく行ってジョンが最後まで居残ります。二人きりになり、エスターはジョンに家の中のガス灯を消す手伝いを頼み、二人はいい雰囲気に。
翌日、エスターや友達の多くが特別に仕立てられた路面電車で万国博予定地の沼地に出かけます。ジョンが現れないうちに路面電車が時間通り出発し、うきうきしている友人たちの中でエスターは一人だけ沈んでいましたが、その時、ジョンが駆け足で路面電車に追いついて乗り込み、エスターの胸はドキドキです。
若草の頃のネタバレあらすじ:承
秋、ハロウィンの夜、子供たちは仮装して集合し焚火をして大騒ぎ。小さいので皆から相手にされなかった末っ子のトゥーティーは、恐ろしいおじさんだと噂のブラウコフさんの顔に小麦粉をかけて、駆け戻って英雄扱いされます。
ところが、そのトゥーティーが歯を折る怪我をして帰ってきます。ジョン・トゥルーイットに襲われたというトゥーティーの話を信じて、エスターはお隣に行って怒りにまかせてジョンを叩いてしまいました。その後アグネスが帰ってきて真相を話します。
アグネスとトゥーティーは拾った洋服に詰め物をして人形にし、軌道の上に置いて路面電車を停めてしまったのです。大騒ぎで警察も来ましたが、ジョンが機転を効かして二人を隠したので捕まりませんでした。謝りに行ったエスターにジョンは初めてキスをします。
そこへ、お父さんがニューヨーク転勤という重大なニュースをもって帰ってきました。クリスマス明けには引っ越して家族全員でずっとニューヨークに住むと言うのです。お父さんは皆喜んでくれると思っていましたが、家族は愛着のあるセントルイスを離れたくありません。
せっかくの万国博覧会も見られませんし。お父さんが切り分けたケーキを食べる食欲もなくなり、それぞれの部屋に引っ込んでしまいました。「家族のため」と思ったのに…。がっかりしたお父さんに、最後に残ったお母さんが、「あなたが引っ越すのが一番いいと思うなら私たちはそうするわ」と言います。久々にお母さんのピアノに合わせてお父さんが歌い始めると、家族は一人、また一人と戻ってきて、ケーキを食べるのでした。
若草の頃のネタバレあらすじ:転
冬、スミス家では引っ越しの荷づくりが進んでいます。クリスマス・イヴに舞踏会が開かれますが、兄のロンが思いを寄せる、東部から来たルシル・バラッドは、よりによってウォーレン・シェフィールドが先にエスコートを申し出ていました。ロンはローズを舞踏会に連れていくことになります。さらにジョンが、仕立て屋の閉店時間に間に合わずにタキシードを受け取れず、舞踏会に連れて行けないとエスターに謝りに来ます。
落ち込むエスターを慰めてお祖父さんが舞踏会に連れていきます。会場でエスターとローズは後から来るルシル・バラッドに意地悪しようと不細工なパートナーの名ばかりのダンス・カードを用意しますが、ウォーレンが愛しているのはローズであることを察しているルシルは、今夜のパートナーとしてロンを望みます。
カードを作った責任を取って不細工な青年たちばかりと踊ったエスターを、お祖父さんは誇りに思います。そして、タキシードを手に入れて終了間際に現れたジョンに、孫娘のその夜の最後のパートナーの地位を譲ります。
帰り道でジョンはプロポーズをし、すぐ結婚したいと言いますが、エスターは大学に通うジョンのために遠距離恋愛の覚悟です。
若草の頃の結末
家ではトゥーティーがサンタクロースを見ようと思ってまだ起きていました。トゥーティーは人形その他、皆荷物にしてニューヨークにもっていくと言いますが、朝作った雪だるまの家族は連れていけないわねとエスターは言います。エスターが妹に「楽しく、ささやかなクリスマスを祝いなさい」と歌ううちに、トゥーティーは突然外に走り出て泣きながら雪だるまたちを壊します。
2階の窓からそれを見ていたお父さんは家族を直ちに集め、ニューヨーク行きはやめ、ずっとセントルイスにいると宣言します。ウォーレンが突然やって来てローズにプロポーズをしてそのまま出て行った後、日付が変わっていることに気付いた一家は、クリスマスプレゼントを開けるのでした。
1904年の春、スミス一家は、女性たちはそろって白いドレスを着て、お父さんとお祖父さんもおそろいのスーツを着て、ジョンとウォーレンと共に馬車で万博見物に出かけます。
夜、ファンファーレと共に会場の建物がライトアップされるのを見て、皆が今セントルイスに住んでいることを心から喜ぶのでした。
以上、映画「若草の頃」のあらすじと結末でした。
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