パウロ 愛と赦しの物語の紹介:2018年アメリカ映画。『新約聖書』の著者のひとりである使徒パウロの生涯を、晩年にキリスト教徒の迫害で捕らえられ処刑を待つパウロを見続けてきた看守マウリティウスと医者のルカの視点から描きます。ルカ役にはメル・ギブソン監督作『パッション』でイエス・キリストを演じたジム・カヴィーゼルが演じています。
監督:アンドリュー・ハイアット 出演者:ジム・カヴィーゼル(ルカ)、オリヴィエ・マルティネス(マウリティウス)、ジョアンヌ・ウォーリー(プリスカ)、ジョン・リンチ(アキラ)、ジェームズ・フォークナー(パウロ)ほか
映画「パウロ 愛と赦しの物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「パウロ 愛と赦しの物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
パウロ 愛と赦しの物語の予告編 動画
映画「パウロ 愛と赦しの物語」解説
この解説記事には映画「パウロ 愛と赦しの物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
パウロ 愛と赦しの物語のネタバレあらすじ:起
紀元67年、ローマの街は大火に見舞われました。時の皇帝ネロは、大火はキリスト教徒による放火だとして大々的な迫害を展開しました。やがてキリストの使徒のひとりパウロ(ジェームズ・フォークナー)は首謀者として逮捕され、死刑判決が下されました。
ある日、牢獄に収監されたパウロのもとに、仲間である医者ルカ(ジム・カヴィーゼル)が訪ねてきました。かつてパウロが逮捕される前は彼の布教の手伝いをしてきたルカは、アキラ(ジョン・リンチ)とプリスカ(ジョアンヌ・ウォーリー)夫妻に匿われているキリスト教徒たちと共に隠れ住んでいました。
そんなある日、夫と子供を惨殺されたという一人の女性が担ぎ込まれてきました。一部の若者は今こそ立ち上がる時だと主張しますが、アキラはあくまでも非暴力を貫くよう諭しました。
パウロ 愛と赦しの物語のネタバレあらすじ:承
ルカは再び牢獄にパウロを訪ね、「あなたの言葉を全て世に広めたい」と申し出ました。パウロは弟子のテモテ宛ての手紙という形で自らの言葉を綴っていきました。しかし、獄舎の長官マウリティウス(オリヴィエ・マルティネス)はパウロたちがキリスト教徒を扇動しようとしているのではないかとの疑いを抱きましたが、やがてパウロの言葉と自身が信仰する古代ローマの神々との間で揺れ動き始めました。マウリティウスの娘は重い病を患っており、彼の妻はマウリティウスがキリストの教えに惹かれ始めており、古代ローマの神を蔑ろにしているから娘の病が治らないのだと責め立てていました。
そんなある日、またしてもキリスト教徒が迫害に遭いながらも何もできなかったと嘆くルカに、パウロは引き続き非暴力を説くと、自らの過去について語り始めました。
パウロ 愛と赦しの物語のネタバレあらすじ:転
裕福なユダヤ人の家に生まれ育ったパウロはユダヤ教の教えを受けて育ち、若かりし頃からキリスト教を異端視して迫害する側に回っていました。ある日、パウロはユダヤ教徒をけしかけてキリスト教の指導者を粛清、キリスト教徒とあらば老若男女問わず殺戮していました。しかし、パウロの前に天から眩い光が差してその目を塞ぎ、十字架で処刑されたはずのイエス・キリストが現れて“愛と赦し”を説いたというのです。それからパウロはキリスト教に目覚め、人々に非暴力の理想を説いて回っていたのです。
しかし、皇帝ネロによる弾圧はより一層激しさを増していき、キリスト教徒の間にはパウロやアキラの声に耳を傾けず、さすがのマウリティウスもルカにまでこれ以上キリスト教徒を刺激すれば死刑もあり得ると警告してきました。その頃、パウロは毎晩のように自らが犯した過ちの悪夢を見てうなされていました。
パウロ 愛と赦しの物語の結末
ある日、急進的な若者のグループがパウロを救出しようと決意、アキラの制止を振り切って獄中のパウロのもとに向かいますが、結局パウロを救うことはかなわず、このことがきっかけでルカも捕らえられてしまいます。パウロはキリスト教徒の扇動を否定、ルカが医者であることを明かすとマウリティウスの娘の治療にあたらせました。ルカはキリスト教徒の協力も得て治療に励み、おかげでマウリティウスの娘は無事に回復し、ルカは死刑を免れますが、マウリティウスはパウロを助けることができなかったことを詫びました。マウリティウスは、なぜルカは失敗すれば処刑されるとわかっていて娘の困難な治療に挑んだのか、なぜ自分にキリスト教徒たちの隠れ場所を教えたのかを問いかけましたが、パウロは「それがキリストの真理です」と微笑みながら答えました。
パウロが処刑される日。パウロは死の間際にこれまで迫害に遭って命を落としてきた者たちが微笑みながら自分に近づき、その向こうには人生で一度も会ったことのないイエス・キリストの姿を垣間見ていました。
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