ロウヘッド・レックスの紹介:1986年アメリカ映画。クライヴ・バーカーの短編小説「髑髏王」を映画化。残虐な怪物との戦いを描くホラー作品である。イギリス郊外の田舎町を訪れたハワードは、教会の奇妙なステンドグラスに興味を持った。同じ頃、地中深くに封印されていた恐ろしい怪物ロウヘッドが復活し、人々を襲い始める。ハワードはステンドグラスをヒントに、ロウヘッドを倒す方法を模索するのだった。
監督:ジョージ・パヴロウ 出演者:ヒュー・オコナー(ロビー・ハーレンベック)、ケリー・パイパー(エレーヌ・ハーレンベック)、デヴィッド・デュークス(ハワード・ハーレンベック)、コーラ・ラニー(ミンティ・ハーレンベック)、ロナン・ウィルモット(デクラン)ほか
映画「ロウヘッド・レックス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロウヘッド・レックス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロウヘッド・レックスの予告編 動画
映画「ロウヘッド・レックス」解説
この解説記事には映画「ロウヘッド・レックス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロウヘッド・レックスのネタバレあらすじ:怪物の復活
舞台はイギリス郊外の田舎町、ラスモア。聖地の系譜を調べているハワード・ハーレンベックが、家族を連れてやって来ます。妻エレーヌは何も無い田舎町に早々に嫌気が差しますが、ハワードは構わず熱心に写真撮影を続けていました。
同時刻。農夫が畑に深々と刺さっている邪魔なストーンヘンジを引き抜こうと奮闘しています。ムキになってしつこく揺すっていると、地中から白い煙が噴き出してきました。雷がストーンヘンジに落ちると、地中から赤い目を持つ醜悪な怪物が姿を現します。農夫は死亡し、この異常事態に気付く者はいませんでした。
ハワードは予め取材の許可を得ていたクート神父に会うため、教会へ向かいます。礼拝堂には奇妙なステンドグラスがありました。赤い目の怪物が、頭巾を被った人物に懲罰を与えられているようです。そこに堂守のデクランが現れ、クート神父は神父館にいると言いました。1人になったデクランが祭壇に手を置くと、突如赤い光と高熱に襲われます。
絶叫するデクランの脳裏に巨大な口を広げる怪物の姿が浮かびました。彼はステンドグラスの怪物の目が真っ赤に光るのを見て、「やれ」と呟いて笑います。その頃ハワードはクート神父に会い、教会内部の撮影と、教区の記録を閲覧したいと頼みました。
ロウヘッド・レックスのネタバレあらすじ:始まった災厄
蘇った怪物は次々と人を襲います。村人デニスを殺害し、その妻ジェニーにも手を伸ばす怪物。しかし彼女が妊娠していることに気付き、何もせずにデニスの遺体を引きずって姿を消しました。訪ねて来た近隣住人がすぐに警察に通報します。ジェニーはあまりの恐怖にパニック状態に陥り、意味のある言葉を話せなくなっていました。
警察は怨恨の殺人とみて、前科者を当たってみることにします。夜になり、次に怪物が現れたのは移動住宅地区近くの山でした。兄アンディと喧嘩をした少年ニールは、兄を追って入った山で怪物と遭遇します。死にもの狂いで逃げたニールは近隣住民に助けを求めますが、彼もショックのあまり口が利けなくなっていました。恋人カトリーナと山に入っていたアンディも、怪物を見て一目散に逃げ出します。しかし怪物に捕まってしまい、カトリーナと共に山から戻ったのは彼の片手だけでした。
その頃、ハワードも牧草地で夜の散歩をしていました。そこで恐ろしい怪物の姿を目撃した彼は、翌日念のため警察署に行って警部のギッシングに報告します。しかし信じて貰えず、ハワードは憤慨して警察署を後にしました。その足でクート神父のもとへ向かうと、教区の記録を紛失したと言われます。その様子を、デクランがじっと見つめていました。礼拝堂に入ったハワードはポラロイドカメラでステンドグラスを撮影。そして絵と共に刻まれた「死は恐れつつ歩む」「死に切れぬ苦悩のゆえに」という文章に興味を示します。
ステンドグラスに描かれた怪物と、昨夜目撃した怪物が同じものであると確信するハワードは、あの怪物が何を恐れているのか不思議に思いました。そこへデクランが現れ、ハワードのカメラを踏み砕いて出て行けと告げます。激昂したハワードはデクランを異常者と呼び、家族と共に出て行くことを決めました。
ロウヘッド・レックスのネタバレあらすじ:ステンドグラスの謎
怪物の目撃者達は、あまりの恐ろしさにずっと口を閉ざしていました。しかしニールが言葉の代わりに、怪物の絵を描きます。それを見た警察は、ハワードの証言と特徴が似ていることに気付きました。ギッシング警部は慌てて武装警察を手配します。ところが、それはあまりにも遅い決断でした。車で町を去ろうとしていたハワード達の前に怪物が現れ、まだ幼い息子が殺害されてしまったのです。
警察署に戻ったハワードは、激しい怒りと憎しみをギッシング警部に向けました。ハワードは独自に怪物について調べることを決意し、悲しみに沈むエレーヌと娘を警察署に残して教会へ向かいます。そして礼拝堂に現れたデクランの口から、怪物について語られました。怪物の正体は、大昔に地中深くに生き埋めにされた悪魔だそうです。年月と共に人々は存在を忘れ、怪物を封じていたストーンヘンジを動かしたことで復活を許してしまったのです。
クート神父からは、ステンドグラスが何度も、特に1860年代に作り直されていると教わりました。ステンドグラスと写真を注視していたハワードは、頭巾の人物が懲罰を加えている点に着目します。しかし肝心な部分が失われているため、懲罰の具体的な方法は分かりませんでした。ハワードが去った後、祭壇に手をついたクート神父は赤い光と高熱に驚き、何か恐ろしいことが起きていると感じます。
怪物は夜になって再び移動住宅地区に現れ、虐殺の限りを尽くします。怪物を追うギッシング警部も襲われ、真っ赤な目に凝視されました。するとギッシング警部は正気を失い、「この身を捧げます」と呟いて怪物の下僕になってしまいます。
ロウヘッド・レックスのネタバレあらすじ:怪物の正体
デクランは教会に現れた怪物に跪き、体に小便を浴びて洗礼を受けました。恍惚の声を漏らすデクランを見たクート神父は、急いで警察に連絡し地下に逃げ込みます。そこにはデクランが隠した教区記録があり、怪物の絵も含まれていました。現れたデクランは怪物について語り始めます。
怪物の名はロウヘッド。キリスト教文明以前、この土地に王として君臨していたそうです。デクランに追いやられ、めちゃくちゃに荒らされた礼拝堂に入ったクート神父。彼はロウヘッドがキリスト教を恐れていると確信し、十字架を手に取ります。そして現れたロウヘッドに突き出しますが、何の効果も無く襲われてしまいました。教会の外には警察や近隣住民が集まっています。そこに合流したギッシング警部がガソリンに火をつけ、周囲は炎に包まれました。ギッシングは「この身を」と叫びながら絶命します。
ロウヘッド・レックスの結末:最終決戦
警察署に戻っていたハワードは、いてもたってもいられず教会へ向かいます。そこには大惨事が広がっていました。多くの遺体と、鎮火しない炎。瀕死のクート神父から、ロウヘッドの恐れる物が祭壇の中にあると聞かされ、急いで礼拝堂へ入ります。デクランの妨害を受けながらも祭壇を開けると、中には丸みを帯びた石のような物が入っていました。
ハワードは外に出ると、石を掲げてロウヘッドと対峙します。しかし何の効果も無く、ハワードはすぐピンチに陥ってしまいました。そこに現れたのは、ハワードを心配してやって来たエレーヌです。目の前の光景に言葉を失う彼女の足元には、ハワードの手から離れた石が転がっていました。エレーヌがそれを頭上に掲げると、突如光の帯が出現しロウヘッドを攻撃します。
どうやら女性が使用して初めて効果を得られる武器のようです。ハワードはエレーヌと力を合わせ、地中深くにロウヘッドを封印しました。ロウヘッドと一緒に石も落ちてしまいましたが、気にしている余裕はありません。ハワードは放心状態のエレーヌを連れ、急いでその場を後にしました。
しばらくして、ニールがアンディの墓に花を供えていると、地中から突然ロウヘッドが現れます。新たな恐怖の幕開けと共に、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「ロウヘッド・レックス」のあらすじと結末でした。
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