レポマンの紹介:1984年アメリカ映画。ロサンゼルスのパンクな少年がひょんなことから、ローン未払いの自動車を利用者から奪っていく悪名高いレポマンに転職。会社には変人ぞろい。その彼らが、国家機密を隠した一台の自動車の争奪戦に巻き込まれる。異色のフィルム・ノワールである『キッスで殺せ』(1955年)の精神を受け継いだ、ぶっ飛んだSF映画。『シド・アンド・ナンシー』等のアレックス・コックス監督の長篇映画デビュー作。イギー・ポップの歌うテーマ曲も必聴。撮影監督はヴィム・ヴェンダース監督の作品で既に名高かったロビー・ミューラー。
監督:アレックス・コックス 出演者:エミリオ・エステベス(オットー)、ハリー・ディーン・スタントン(バッド)、トレイシー・ウォルター(ミラー)、オリビア・バラシュ(レイラ)、スーザン・バーンズ(ロジャース)、フォックス・ハリス(パーネル)、ほか
映画「レポマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「レポマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
レポマンの予告編 動画
映画「レポマン」解説
この解説記事には映画「レポマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
レポマンのネタバレあらすじ:人体消滅
モハベ砂漠にある道をフラフラ走るシェビー・マリブを、白バイ警官が止める。「開けない方がいい」という運転者パーネルのことばを気にせず、警官がトランクを調べようとして開けると、怪光につつまれて警官は両足のブーツのみを残して消滅する。
18歳だが自称21歳のオットーは、店長に暴言を吐いてスーパーマーケットを友人のケビンもろともクビになる。その上ガールフレンドのデビーを、刑務所から出てきたばかりの友人デュークに盗られてしまう。
むしゃくしゃして歩いていると、自動車に乗った男から「産気づいた妻を病院に送っていくので、妻が乗っていた自動車を代わりに運転してくれ」と頼まれる。25ドルで引き受けたが、男の行き先は病院ではない。
男の名はバッド。ローン未払いの自動車を差し押さえる「レポマン」で、オットーはその片棒をかつがされたのだ。
一方、白バイ警官が消滅した場所では、白い防護服の男たちによる調査が行われていた。責任者である金属の義手をつけた女は、警官に「人は自然に発火することがある」としか説明しない。
レポマンのネタバレあらすじ:宇宙人の写真
レポマンなどになるものかと、バッドの属する会社『ヘルプ・ハンド』のオフィスで一度は言ってみたものの、オットーの両親はオットーのために貯めていたお金をテレビ伝道師の活動のために寄付してしまっていた。
お金に困ったオットーはバッドたちイカれた先輩たちから、レポマンとしての心構えや自動車の盗み方を学び始める。
ある日、オットーは男たちから逃げていると言うレイラを自動車に乗せる。彼女は宇宙人の死体の写真を見せ、仲間の科学者がその死体を奪ってシボレー・マリブのトランクに入れたと話す。オットーは真に受けず、後部座席でセックスをしてレイラの職場の前で別れる。
しかし、後で彼女の言った通り、その写真が新聞に掲載されているのを見ることになる。そして2万ドルという破格の賞金付きで、64年型シボレー・マリブを求むという通知がオフィスに来た。
レポマンのネタバレあらすじ:シボレー・マリブの奪い合い
ヘルプ・ハンドの事務をしているマリーンから情報を得たバッドの仇敵、そしてヘルプ・ハンドの商売敵であるロドリゲス兄弟が、シボレー・マリブを追い求める。
ロドリゲス兄弟はそれがケビンの勤め始めたガソリンスタンドに停まっているのを見て盗むが、ソーダを買い「車が熱い」と公衆電話からマリーンに電話をしているうちに、デビー、デューク、アーチーの強盗団に奪われてしまう。
ロサンゼルスに着いたパーネルとレイラは、公衆電話で連絡を取ろうとするが当局の妨害に遭う。レイラは誘拐・拷問されて金属の義手のロジャース捜査官の協力者にされた。
その二人の女はナイトクラブにオットーを呼び出し、人類の未来のために知っていることを教えろと迫るが、ちょうどナイトクラブに来たアーチー、デューク、デビーが会話に乱入する。
ナイトクラブの外ではパーネルが自分のシボレー・マリブを発見していた。アーチー達は自分のたちの車だと言い張るが、トランクを開けたアーチーがブーツを残して消滅し、デビーとデュークは逃げる。
レポマンのネタバレあらすじ:汚染される街
ロドリゲス兄弟と喧嘩を起こして、自動車の損害賠償と医療費を請求されて頭に来たバッドが助手席で小言を言うので、オットーも頭に来て自動車を降りる。街では白い防護服の男たちが行倒れの人を集めていた。
オットーは偶然シボレー・マリブを見つけて追いかけ、パーネルは停車してオットーを乗せる。パーネルは中性子爆弾の開発者だったがロボトミー手術を受けたらしかった。彼は放射能のせいで衰弱していて、オットーの目の前で死んでしまう。目撃者がいないのを確認して死体を捨ててから、オットーはシボレー・マリブを会社の駐車場にもっていく。
会社の皆は、会社の自動車修理工であるミラーの家でパーティーをしていたが、バッドだけがいない。パーティー会場を出たオットーはバッドの自動車に拾われる。
ところが、二人が入った酒屋にたまたまデュークとデビーが強盗に入った。銃撃戦で店の人たちやデュークが死に、デビーは逃げ、バッドも負傷する。
オットーが会社に行くとシボレー・マリブはなく、彼はやはりシボレー・マリブを捜している当局に捕まり、ロジャース捜査官から拷問を受けることになる。彼を救いだしたのはマリーンとロドリゲス兄弟だった。
彼らはバッドが入院している病院に忍び込み、バッドからシボレー・マリブの行方を聞き出そうとするが、そこにも当局の人間たちが現れ、混乱状態に陥った病院を脱走したバッドが、隠していたシボレー・マリブに乗って逃げる。
シボレー・マリブは怪しい光を放ち始めていた。
レポマンの結末:空飛ぶ自動車
バッドの行き先はやはり会社の駐車場だった。オットーはシボレー・マリブの報酬を二人で分けようと話を持ち掛けるが、当局のヘリコプターが現れ、バッドは腹を撃たれる。
白い防護服の男たちが、発光するシボレー・マリブに近づくが、もう熱すぎて車体に触るのもままならない。
ところが、人が行方不明になるのは空飛ぶ円盤で過去に行くからだという持論を前々から語っていたミラーが、自動車を運転できないくせに平然とシボレー・マリブに乗り込み、オットーにも乗車するように合図する。
2人を乗せたシボレー・マリブは、ヘルプ・ハンドの仲間やレイラ、当局の人間たち、さらにはテレビ伝道師の目の前で空へと飛び上がり、夜のロサンゼルスの高層ビルの間を巡ってから、遥か彼方へと飛び去るのだった。
以上、映画「レポマン」のあらすじと結末でした。
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