ひなぎくの紹介:1966年チェコスロヴァキア映画。ある姉妹が奔放に生きる様を映した映画です。この映画はチェコのヌーヴェルヴァーグの代表作であり、当時の社会情勢や時代背景などに詳しくないと、真に理解することは難しい作品です。ですが、独特なセンスや特殊な映像技法をいくつも盛り込んでいる実験映像的なところもあり、映像だけでも充分楽しめます。
監督:ヴェラ・ヒティロヴァ 出演者:マリエ1(イヴァナ・カルバノヴァー)、マリエ2(イトカ・ツェルホヴァー)ほか
映画「ひなぎく」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ひなぎく」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ひなぎく」解説
この解説記事には映画「ひなぎく」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ひなぎくのネタバレあらすじ:起
いつまでも一定に回転し続けるホイールのアップと爆撃の映像から映画はスタートします。 水着を来た二人の姉妹マリエ1とマリエ2が、シートを敷いてぺたんと人形のようにならんで座っています。身体をきしませながら機械的な受け答えをする二人。時おり建物の崩壊シーンが映されます。二人は話し合いの結果、自分たちの人生が悪くなる一方なら好き勝手に生きてやろうと決めます。 次の瞬間、二人は花畑に投げ出され、一本の林檎の木の周りで踊ったり、林檎をもいで食べたりします。
ひなぎくのネタバレあらすじ:承
さて、まずはなにをやってやろうか、二人はとびきりめかして出かけます。共謀して年上の男性に料理をおごらせたり、いい男をひっかけたりします。それから、高級なレストランに入って、踊りや演奏を楽しんだり(もちろん、お酒をこっそり持ち込んで)。酔っぱらって、他のお客にちょっかいを出したり、ショーの邪魔をしたりとやりたい放題。 家に帰っても、いたずら電話をかけたり、大家さんのお金をくすねたり、電話越しに、騙した男の愛のささやきを聞きながら食事をしたり… けれど、そんな毎日にもいつしか飽きてきます。昨日楽しかったことは、もう楽しくない。昨日愛した彼は、もう愛してない。自分たちは本当に存在しているのかもあやふやです。
ひなぎくのネタバレあらすじ:転
また退屈に逆戻りな二人はある日、なにやら大きな建物に潜入し、食べ物用のエレベーターに乗って上階まであがっていきます。辿り着いた先には、何とも贅沢な食事の数々。大きなテーブルにセットされて、きっとお偉方のための食事でしょう。二人はなんのためらいもなく片っ端からがつがつと食べて、空腹を満たしていきます。存分に食べ終えると、今度はケーキを投げあったり、部屋のカーテンを衣装にし、残った料理を踏みながらテーブルの上をランウェイよろしく歩いたりとまたもやりたい放題。
ひなぎくの結末
やりすぎたいたずらが見つかっってしまった二人は、罰としてどぶんと海に投げ込まれます。必死で助けを求めながら、「きっといい子になるから」と懇願します。 新聞紙で作ったボロを着て、二人は荒らし放題にした食卓を片付け始めます。「きちんと働いて、いい子になろう」。けれど、すべてが元通りにはなりません、割れたお皿はそのままだし、食い散らかした食べ物は汚いままです。それでも一段落した二人は机に寝転び、「私たちは幸せ、満足よ」と微笑んだところに、シャンデリアが落下してくるのでした。 最後にある文章が映し出されます。「踏みにじられた サラダだけを 可哀想と思わない人たちに捧げる」。物語は幕を閉じます。
おもわず「なんだこれは!」と叫びたくなってしまうような衝撃的な作品です。ストーリー性は皆無で、登場人物のマリエ1とマリエ2のやり取りも意味不明です。グロテスクな映像、観終わったあとの頭がくらくらするような感覚は忘れられません。理解しようとすればするほど訳が分からなくなり、ドツボにみるみるはまっていきます。