いちごブロンドの紹介:1941年アメリカ映画。1887年生まれで生涯に100本を超える監督作を遺したラオール・ウォルシュが1895年に書かれて流行した「バンドは奏でる」という曲を生かして作った、世紀の代わる頃、ガス灯が電灯に代わる時代のラブストーリー。「いちごブロンド」の美女は『ギルダ』、『カバーガール』等のリタ・ヘイワース。主役は、ギャング映画でスターになりながらミュージカル映画でも歌って踊れるところを見せたジェームズ・キャグニー。その妻を演じるのは『風と共に去りぬ』のメラニー等のオリヴィア・デ・ハヴィランド。
監督:ラオール・ウォルシュ 出演者:ジェームズ・キャグニー(ビフ・グライムス)、オリヴィア・デ・ハヴィランド(エイミー・リンド)、リタ・ヘイワース(ヴァージニア・ブラッシュ)、アラン・ヘイル(ウィリアム・グライムズ)、ジャック・カーソン(ヒューゴ・バーンステッド)、ジョージ・トビアス(ニコラス・パパラス)
映画「いちごブロンド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「いちごブロンド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「いちごブロンド」解説
この解説記事には映画「いちごブロンド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
いちごブロンドのネタバレあらすじ:起・歯医者の予約
20世紀初頭のニューヨークのある日曜日、はやらない歯科医のビフ・グライムスに来客の虫歯を治療してくれという電話がかかる。最初は断るが、その客の名がヒューゴ・バーンステッドと聞くと診療所に来させることにする。ビフは遊びに来ていた親友のギリシア人の床屋ニコラスに言う。麻酔ガスをたっぷり使って事故を装って殺せると。この機会を待っていたと。
いちごブロンドのネタバレあらすじ:承・いちごブロンドを争う
10年前。ビフは通信教育で歯科医の免許を取ろうと勉強していた。しょっちゅう仕事を首になる父親を勉強のための実験台にしていたが、ビフ自身も酒場の用心棒を首になる。当時、ビフを含めて、ニコラスの床屋にたむろする男たちはことごとく、ストロベリーブロンドの髪のヴァージニア・ブラッシュ嬢が通りを歩くのにみとれていた。そしてついに、ビフの友人だったヒューゴがチャリティーの遊覧船のチケットを売って彼女にお近づきを得る。
ヒューゴはヴァージニアとのデートにビフを連れて行く。ヴァージニアの世間体を考えてダブルデートにしていた。そして殴られてあざを作ったばかりのビフならヴァージニアに好かれまいと考えて。ヴァージニアは友人である看護婦エイミーと公園で待っていた。その晩、ヴァージニアはヒューゴとずっと二人きりになる一方、ビフは女権拡張論者の進んだ女を気取るエイミーに不愉快な思いをする。
しかし、遊覧船に乗る日、ビフとヴァージニアは遊覧船に乗り損ねる。ヒューゴが船の定員よりはるかに多くチケットを売ってしまったからである。ビフはヴァージニアと二人きりで一日過ごすことに成功。ビアガーデンで歌手に金を渡して流行の「バンドは奏でる」を「ビフ・グライムズはストロベリーブロンドとワルツを踊る」と歌詞を替えて歌わせてヴァージニアにいいところを見せた。
ヒューゴは遊覧船のチケットを余分に売った金で建設会社を興す。その会社の前でヴァージニアに出会ったビフはデートの約束をするが、約束の時間に現れたのはエイミーだった。彼女からビフはヴァージニアとヒューゴの結婚を伝えられる。そして実は意外と古風ないい女の子だとわかったエイミーとビフは結婚した。
いちごブロンドのネタバレあらすじ:転・再び友にだまされる
ビフは残りひと月で歯科医の資格を得るところまできたが、二人の暮らしは貧しかった。それに対してヒューゴは大金持ちになっていた。ヴァージニアの説得でヒューゴは建設会社の副社長にビフを迎える。ビフの仕事はわけのわからぬ書類にサインをするだけ。ところが、手抜き工事による事故で、ビフのコネにより工事現場で働いていたビフの父が死んでしまう。そしてサインのせいでその過失の責任をビフが負うことになりビフは刑務所に入る
いちごブロンドの結末:友との再会
ビフは刑務所で歯医者になるための通信教育を再開し、所内で免状を得る。エイミーは看護婦をしながら夫の出所を待った。5年後、出所したビフをエイミーは二人が最初に出会った公園で待っていた。ビフは別の町で人生をやり直すことを妻に誓った。
今は市会議員をしているヒューゴが予約の通り診療所にやって来た。ヒューゴは歯医者がビフと知って驚くが、ヴァージニアはビフの診療所と知っていた。ヒューゴとヴァージニアはいがみ合っている。夫をビフに遭わせて嫌な目にあわせたかったのだ。ビフは結局麻酔ガスを使わずに虫歯を抜いてヒューゴを痛い目にあわせてちょっとだけ復讐をする。むしろ、ヴァージニアにとってエイミーに合わせる顔がないほどの夫婦仲の悪さを知り、結局幸福を得られたのは、あこがれのヴァージニアと結婚したヒューゴではなく、エイミーと結婚した自分であったことを思い知る
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