青い戦慄の紹介:1946年アメリカ映画。海軍飛行士が復員したとたんに妻殺しの容疑をかけられ、真犯人を独自に捜し始める。アラン・ラッドをスターの座に押し上げた『拳銃貸します』、『ガラスの鍵』に続く3本目のラッドとヴェロニカ・レイクの共演。レイモンド・チャンドラーのオリジナル脚本が映画化された唯一の機会となったが、検閲により彼には不満の多い作品となった。それでも第19回アカデミー賞脚本賞にノミネートされる。チャンドラーにとって、ビリー・ワイルダーとの共同脚本だった第17回の『深夜の告白』の脚色賞ノミネートに続くノミネーションだった。
監督:ジョージ・マーシャル 出演者:アラン・ラッド(ジョニー・モリソン)、ヴェロニカ・レイク(ジョイス・ハーウッド)、ウィリアム・べンディックス(バズ)、ハワード・ダ・シルヴァ(エディー・ハーウッド)、ヒュー・ボーモント(ジョージ)、ドリス・ダウリング(ヘレン・モリソン)、ウィル・ライト(ニューウェル)、トム・パワーズ(ヘンドリクソン警部)ほか
映画「青い戦慄」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「青い戦慄」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「青い戦慄」解説
この解説記事には映画「青い戦慄」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
青い戦慄のネタバレあらすじ:起・帰還兵ジョニー
海軍を除隊になったジョニーはロサンゼルスに戻って直ちに、妻ヘレンの住む、ホテルのバンガローに前触れなく行く。そこでは妻がジョニーの知らない友人たちを集めてのパーティーの最中。ジョニーが妻の浮気相手でナイトクラブ「ブルーダリア」のオーナーであるハーウッドを殴ってパーティーはお開きに。
ジョニーはヘレンとやり直す意志をもっていたが、ジフテリアで死んだと信じていた息子ディッキーが、実はパーティー帰りのヘレンが酒酔い運転していた車に乗っていて事故死したと知り、バンガローから荷物をもって去る。
ヘレンは、ジョニーと同じ飛行機に乗った部下で、同時に除隊したジョージとバズが借りたばかりのアパートに電話する。粗野で単純なバズはジョニーをひどく心配し、ヘレンのいるホテルまで行く。それがヘレンと知らずバーでヘレンと知り合い、バンガローに招かれる。
だがジョージの待つアパートに帰ると、戦争で頭部に負った重傷のせいで記憶障害のあるバズは何も覚えていない。一方、元警官でホテルの初老の専属探偵ニューウェルは、ヘレンに呼ばれたハーウッドがバンガローに入るのを見ていた。
ジョニーは土砂降りの中、タクシーがつかまらずあてもなく歩く。自動者で通りかかった女が彼を拾ってくれる。海辺の宿の前で別れたその女がハーウッドの妻ジョイスであるとは知る由もなかった。
そして早朝、バンガローでヘレンの死体が発見される。
青い戦慄のネタバレあらすじ:承・妻の遺品
その朝、ホテルのレストランでジョニーは昨夜別れたジョイスと再会する。二人共、妻あるいは夫が嫌で目的地もなくさまよっていたのだった。ビーチを歩こうと約束するが、ホテル内でラジオがヘレン殺害のニュースを報じジョニーの人相・服装を告げるのが聞こえる。コートを捨てて逃げ去るジョニーを上の階から見て、ジョイスはジョニーの素性を知る。
ジョージとバズも警察に呼ばれ調べられる。ヘンドリクソン警部はジョニーに加え、ハーウッドとニューウェルを疑って取り調べをしていた。ニューウェルは警察でハーウッドをかばう証言をしてハーウッドから小遣いを出させる一方、ジョージとバズにもジョニーとヘレンの情報を流して金を得る。
妻を殺した者を自分でさがそうとするジョニーはハーウッドに接触しようとするが、ハーウッドがジョイスと住むホテルにヘンドリクソン警部と部下が現れたために目的を果たせない。ジョイスが再び彼の前に現れ、彼女が味方であることを知る。
そして、帰った安宿で、ヘレンのバンガローからもってきた息子の写真の裏の、ヘレンが万が一の時のためにジョニー宛に記した、ハーウッドの正体がかつてニュージャージー州で殺人を犯して警察に追われているバウアーという男だというメモに気づく。
青い戦慄のネタバレあらすじ:転・孤立するジョニー
再びハーウッドの部屋を訪れ今度こそジョニーは彼と会う。ヘレンのメモを使って彼を揺さぶってヘレン殺しの真相に迫ろうとするが、ジョイスが部屋に入ってきて彼女がハーウッドの妻であることを知り、部屋を出ていく。
ジョージとバズのアパートを訪れるが、二人がヘレンをジョニーが殺したことを前提としていることが気に入らずそこも出ていく。アパートを出たところで、安宿の主人から情報を得たブルーダリアの支配人レオとその手下が刑事をよそおってジョニーを捕まえる。
青い戦慄の結末:二転三転する容疑者
ジョニーの身を案じたバズとジョージはブルーダリアにハーウッドを訪れ、ジョイスもまたジョニーの味方であることを知る。だがバズが、店から聞こえるジャズ音楽に怒り出す。そしてジョイスが青いダリアの花をむしるのを見て苦しみ始める。ヘレンのバンガローでも同じような音楽が流れ、ヘレンが花をむしっていたのだ。
ハーウッドはジョニーが捕らえられた隠れ家に行くが、レオは既にジョニーに倒されてのびていた。過去の犯罪をジョニーに認めたハーウッドだが、ヘレン殺しはバズが既に自白したことをジョニーに教える。その直後、目を覚ましたレオがジョニーを撃つつもりで撃った弾に当たって命を落とす。
ブルーダリアではニューウェルも呼んでヘンドリクソン警部がバズの取り調べを続けていたが、バズの記憶は混乱している。そこにジョニーが現れ、バズの記憶を呼び起こさせ、バズはヘレンを殺さずに帰ったことを思い出す。不確かな証言を続けていたニューウェルに嫌疑が移る。ヘレンをゆすって金をとろうとしたがヘレンが応じなかったので殺したのだろうと警部に迫られ、やむなく拳銃を抜いたニューウェルは射殺される。
一件落着し関係者は皆ブルーダリアを出る。ジョージとバズは、恋に落ちたジョニーとジョイスにかまわず二人で飲みに行くのだった。
以上、映画「青い戦慄」のあらすじと結末でした。
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