アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年の紹介:2018年オーストリア映画。人を襲って喰らう不死身のモンスターと化した少女と、両目を潰された少年の出会いと不思議な交流、そして再生を描いたオーストリア発のファンタジーホラーです。ブラジルのファンタスポア国際ファンタスティック映画祭にて最優秀脚本賞を受賞、日本では『未体験ゾーンの映画たち2019』で上映されました。
監督:ジャスティン・P・ラング 出演者:ナディア・アレクサンダー(ミーナ)、トビー・ニコルズ(アレックス)、カール・マルコヴィクス(ヨセフ・ホーファー)、サラ・マーフィー・ダイソン(ノリーン)、ディラン・トローブリッジ(ジェイソン)、ダン・バーン(ネイト)、スコット・ビューディン(ジョージ)、マルガレーテ・ティーゼル(アグネス)ほか
映画「アンデッド/ブラインド」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アンデッド/ブラインド」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年の予告編 動画
映画「アンデッド/ブラインド」解説
この解説記事には映画「アンデッド/ブラインド」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年のネタバレあらすじ:起
深い森の道を1台の車がひた走っていました。やがて車は寂れたガソリンスタンドに立ち寄り、車から降りた男は売り物の地図を開き始め、店主はどうやらこの男の行きたい場所は人を喰らう怪物がいるとされる「デビルズ・デン(悪魔の巣)」だろうと予測したその時でした。店主はテレビのニュースでこの男こそが逃亡中の誘拐殺人犯ヨセフ・ホーファー(カール・マルコヴィクス)であることを知ってしまい、ヨセフは店主を射殺すると店の商品を奪って逃走しました。
その後、デビルズ・デンに入ったヨセフは何者かが仕掛けた罠にかかって車をパンクさせられ、近くの荒れ果てた廃屋の中に入ったところ、何者かが住んでいるとみられる痕跡を発見しました。その直後、ヨセフは斧を持った小柄なゾンビのような少女ミーナ(ナディア・アレクサンダー)に襲われ、格闘の末に殺害されて食べられてしまいます。
ミーナはヨセフの車を物色したところ、車の後部から毛布にくるまった一人の少年アレックス(トビー・ニコルズ)を発見しました。アレックスは両目を焼かれて失明しており、ミーナの気配を感じると「ごめんなさい!愛してる!」と取り乱しました。ミーナからヨセフの死を知らされたアレックスは泣き崩れ、ミーナから着替えのズホンを受け取った際に彼女の手が冷たいことに気が付きました。
ミーナは車の中で眠るアレックスを見つめながら、自らの過去を思い出していました…。
…ミーナは元々は絵を描くのが好きな普通の少女でした。しかし、ミーナには父はなく、母ノーリン(サラ・マーフィー・ダイソン)は酒に溺れ、ジェイソン(ディラン・トローブリッジ)という男と交際していましたが、ミーナはこのジェイソンの存在が苦痛でたまりませんでした。ミーナは今はいない父の絵を描くのが日課でしたが、いつしか絵は悪魔のような形相の絵へと変化していました。
アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年のネタバレあらすじ:承
翌朝、ヨセフを追って地元の警官ネイト(ダン・バーン)が現れ、アレックスを発見して保護しようとしました。まだヨセフが生きているものと信じるネイトは廃屋の中に踏み込みますが、ミーナに襲われて惨殺されてしまいます。死の間際にネイトが無線で応援を呼んだためミーナは廃屋を離れ、森の中に逃げ込んだアレックスを追いました。
ミーナは苛立ちのままに斧でアレックスに襲い掛かりますが、ようやくヨセフが死んだことに気付いたアレックスがヨセフの仲間が自分を探しに来ると伝えると、ミーナは嘘なら容赦しないといいながらも攻撃の手を止めました。
ミーナとアレックスはデビルズ・デンの森の中に立ち入りました。ミーナはこの森には人を喰らう怪物が生息していることを告げますが、アレックスは作り話だと思って信じませんでした。その時、森の中に警官が警察犬を引き連れて立ち入り、アレックスはヨセフの仲間だと思い込み、ミーナはアレックスと共に古木の根の空洞に隠れてやり過ごしました。
その夜は雷雨が降り続いていました。ミーナはヨセフがアレックスの目を焼いたのかと問いますが、アレックスは自分がルールを破ったせいだと答えました。ミーナはアレックスの様子と発言に、彼がヨセフに精神的に支配されているのだと感じ、自らの忌まわしい過去を思い出していました…。
…ミーナはかつてジェイソンから頻繁に性的虐待を受け続けてきました。ある日、遂に限界を通り越したミーナは思わず発狂してジェイソンの指を噛みちぎり、激昂したジェイソンはミーナを何度も殴った末に生きたまま森の中に埋めたのでした…。
…全てを振り返ったミーナは思わずアレックスの首を絞めようとしますが、アレックスはミーナの手が冷たくないことに気が付きました。我に返ったミーナは電話を探してくると告げて空洞から出たその時、ヨセフの懸賞金目当ての男3人組が森の中に入ってきました。ミーナはアレックスを保護してもらおうと彼をわざと男たちの目につく位置まで連れて行き、自分は身を隠しました。しかし、3人をヨセフの仲間だと思い込んだアレックスはミーナの名を呼び、3人は彼女がかつて廃屋に住んでいた行方不明の少女であることに気が付きました。3人は保安官に通報しようとしますが、ミーナは3人に襲い掛かって2人を殺し、残る一人のジョージ(スコット・ビューディン)は逃げようとして車に撥ねられてしまいます。
アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年のネタバレあらすじ:転
ミーナは瀕死のジョージからスマホを奪い、アレックスはある女性の元へ連絡を入れますが、彼は女性の声を聞くなり何も言わずに電話を切ってしまいます。アレックスは女性が誰なのかについては語らず、ヨセフがどのようにして死んでいったか尋ねてきました。ミーナはただ自分の周りに誰もいてほしくなくて殺したと語り、アレックスは誰にも言わないと約束しました。
やがてミーナとアレックスは森を抜け、草原に立つ一軒家へ辿り着きました。この家には老女のアグネス(マルガレーテ・ティーゼル)が一人で暮らしており、中に入ったミーナにライフルを突き付けると、その顔を見てまるで季節外れのハロウィンかと罵ってきました。そこにアレックスが現れ、アグネスを背後からナイフで刺して殺害しました。アレックスはミーナを助けたかったと語り、ミーナは離れて暮らしているアグネスの娘の部屋にあった服に着替えました。
ミーナは再びアレックスが先程電話した番号にかけてみたところ、相手の女性はアレックスの母であることを知ります。ミーナはアグネスの死体を喰らおうとしましたが必死で思いとどまり、かつて自分が怪物となって蘇ったあの日のことを思い出しました…。
…あの日、土の中から蘇ったミーナはあの家に戻り、ジェイソンが自分を殺したとも知らずに行方を探すよう電話で怒鳴っているノーリンを見かけました。ノーリンは無残な姿になって戻ってきたミーナを抱き寄せますが、ミーナはノーリンに斧を突き立てて殺害してしまったのです。
アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年の結末
その時、ミーナは自分を呼ぶアレックスの叫び声に目を覚ましました。この家にはアグネスの娘が夫と共に戻ってきており、アレックスを保護しようと車に乗せて走り去りました。ミーナは必死で車を追い、荷台に何とか飛び乗りますが、怯えるアレックスは車のハンドルを奪って横転させ、車は大破して娘の夫は即死しました。娘も怪我を負って救急に連絡を入れ、アレックスも重傷を負いましたが何とか意識はありました。
ミーナは救急隊が来るまでの間、意識が朦朧としてきたアレックスを懸命に励まし続け、アレックスの母はずっと帰りを待ち続けていたことを伝えました。間もなくアレックスは駆け付けた救急隊に搬送され、ミーナはその様子を木陰に隠れながら見守っていました。
廃屋に戻ったミーナは、父親の肖像画など思い出の品をリュックに詰め、斧を置いて家を後にしました。やがてミーナは湖のほとりに腰掛け、目が潰されていないアレックスの肖像画を描き、そして再び歩き出しました。
やがてミーナに車で通りかかった女性が声を掛け、この辺は一人じゃ危険だから安全な場所まで乗せていってあげると申し出ました。女性の車に乗ったミーナの顔からはいつしか傷が消え去っており、彼女はごく普通の少女に戻っていました。
以上、映画「アンデッド/ブラインド 不死身の少女と盲目の少年」のあらすじと結末でした。
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