スペイン狂想曲(別題:西班牙狂奏曲)の紹介:1934年アメリカ映画。スタンバーグ(この作品では監督と撮影監督を兼務)とディートリヒのコンビ最終作となった『西班牙(スペイン)狂想曲』だが、ディートリヒの最もお気に入りの一本。翻弄される男たちにとって「悪魔」に見えようとも自由に生きるヒロインを、大胆に回想シーンを用いて描く。原作のピエール・ルイスの小説『女と人形』は何度か映画化されているが、ルイス・ブニュエル監督の遺作となった『欲望のあいまいな対象』もその一つ。
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ 出演者:マレーネ・ディートリヒ(コンチャ・ペレス)、ライオネル・アトウィル(ドン・パスカル)、エドワード・エヴェレット・ホートン(ドン・パキート)、アリソン・スキップワース(コンチャの母)、シーザー・ロメロ(アントニオ)、ほか
映画「スペイン狂想曲」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「スペイン狂想曲」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「スペイン狂想曲」解説
この解説記事には映画「スペイン狂想曲」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
スペイン狂想曲のネタバレあらすじ:起・カーニバルでの出会い
20世紀初め、スペイン南部。カーニバルが始まった。仮装した人々が街に繰り出して大騒ぎ。王政に反対する政治犯としてパリに亡命していたが両親に会うために危険を冒してスペインに戻っていた青年アントニオも、仮面で顔を隠してその中に。彼が夢中になったのは山車の上から笑顔と花をふりまくコンチャ。亡命していたアントニオは知らないがスペイン中が彼女に熱狂していた。アントニオは紙テープだらけの道で彼女の跡を追う。そして彼女の消えた屋敷から、彼女と会える場所を教える手紙を入れた箱が差し出される。
アントニオは年長の友人パスカルと偶然出会う。初めて見る、軍服でないパスカル。アントニオの心を虜にした女がコンチャであると知って、パスカルは友人に警告するためにコンチャと自分の関係を物語る。
スペイン狂想曲のネタバレあらすじ:承・パスカルは語る
5年前パスカルが休暇を過ごしたフランスから戻る列車が雪崩で三日間動けなくなる。その列車の中で他の客といざこざを起こしたコンチャと初めて出会う。その後パスカルはタバコ工場の労働環境を調査する委員会の一員として工場に行き、女工として働いているコンチャを見出す。その日コンチャはパスカルを、母と暮らす家へ招く。パスカルはコンチャが工場で働かなくてもいいように大金を母親に渡す。だが、その後はパスカルが家を訪れてもコンチャに会えない。「いとこ」だという男と出かけていたりダンスのレッスンに行っていたり。コンチャを囲ってしまいたいパスカルが母親にさらに金を渡すと、コンチャはそれに腹を立てて絶縁状をよこして母親と共に姿を消してしまう。
その後もコンチャとパスカルは再会と別離を続け、その間にコンチャはダンスや歌で頭角を現していく。パスカルは好きだし、彼がコンチャと母に貢ぐのも歓迎だが、パスカルがコンチャを束縛しようとする度にコンチャは反発しパスカルは傷つく。最後にコンチャはパスカルを置いて若い闘牛士と旅に出てしまった。パスカルのコンチャへの執着はスキャンダルとなり、パスカルは辞職を余儀なくされた。
スペイン狂想曲のネタバレあらすじ:転・決闘の約束
コンチャが破滅させたのはパスカルだけではない。闘牛士も自殺したと言う。以上のパスカルの告白を聞いたアントニオは、彼女と会わず今夜フランスへ立つと誓った。ところが、親友を傷つけた女の素顔を見ようと、結局コンチャに会ってしまう。フランスに立つまでの時間を過ごすために二人が立ち寄った店の個室に何とパスカルからの、「愛している、会いたい」という手紙が届けられた。欲望を抑えられずアントニオがコンチャにキスした時パスカルが現れる。一人の女を争う間柄に瞬時になってしまった二人。パスカルは決闘を申し込み、翌朝決闘が行われることになる。パスカルが拳銃の名手であることを知るコンチャはアントニオの身を案じる。
スペイン狂想曲の結末:コンチャの選択
土砂降りの中決闘が始まろうとしている。コンチャもアントニオについてきて、彼を決闘に追い込んだパスカルをなじる。だが、パスカルは全く発砲せずアントニオに撃たれる。そしてその場の関係者は、決闘情報を得て駆けつけた、コンチャの崇拝者の一人でもあるパキート知事によって逮捕される。有力者のパスカルが重傷を負ったのは大ごとだった。
コンチャは、アントニオに二人でフランスに行くという条件を飲ませたうえで、パキートに話をつけに行く。アントニオを釈放し、彼とコンチャの二人分のパスポートを用意するように要求する。政治犯のアントニオを釈放するわけにはいかないと言うパキートだったが、レディーのちょっとした頼みもきけないの?と言われて、要求を受け入れてしまう。
アントニオとコンチャは馬車で国境の駅に行く。偽名のパスポートを見せてパリ行きの列車を待つ。だが、コンチャはアントニオだけを列車に乗せて土壇場で旅行をやめてしまう。コンチャが愛するアントニオの命を助けることによってコンチャへの愛を証明したパスカルの側にいてあげることにしたのだった。
以上、映画「スペイン狂想曲」のあらすじと結末でした。
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