H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪の紹介:1970年アメリカ映画。H・P・ラヴクラフトの小説『ダンウィッチの怪』を映画化。人知を超えた怪物の恐怖を描くホラー作品。講義を終えた大学教授アーミテッジ博士は、助手で学生のナンシーに奇書『ネクロノミコン』を図書館に戻すよう頼んだ。ナンシーが図書館へ行くと、『ネクロノミコン』を読みたいと言う青年ウィルバーが現れる。ウィルバーがバスに乗り遅れたため、彼の家に車で送り届けたナンシー。するとウィルバーは薬物で彼女の思考能力を奪い、屋敷に留めてしまった。実はウィルバーは超越神ヨグ=ソトースと人間の母の間に生まれた子で、ナンシーを生贄に父神を召喚しようとしていたのだ。アーミテッジ博士とその助手エリザベスは不穏な気配を感じ、ナンシーを屋敷から救出しようとする。しかし彼らの前に、恐ろしい怪物が立ち塞がるのだった。
監督:ダニエル・ホラー 出演者:サンドラ・ディー(ナンシー)、ディーン・ストックウェル(ウィルバー・ウェイトリー)、エド・ベグリー(ヘンリー・アーミテッジ教授)、サム・ジャッフェ(老ウェイトリー)、ロイド・ボックナー(コリー医師)ほか
映画「H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪」解説
この解説記事には映画「H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪のネタバレあらすじ:恐るべき計画の序章
舞台はアメリカ、マサチューセッツ州。霊界学の権威アーミテッジ教授は、アーカム大学で講義を行っていました。彼は助手で学生のナンシーとエリザベスに、奇書『ネクロノミコン』を図書館へ戻しておくよう頼みます。2人が『ネクロノミコン』を展示ケースにしまおうとすると、1人の青年が本を読ませて欲しいと声をかけて来ました。
彼の名前はウィルバー・ウェイトリー。エリザベスは『ネクロノミコン』が世界に二つとない貴重な本であることから断りますが、ウィルバーはしつこく食い下がります。彼の熱意と澄んだ瞳に惹かれたナンシーは、少しだけならと許可しました。
熱心に本を読むウィルバーのもとへアーミテッジ教授がやって来て、互いに自己紹介します。アーミテッジ教授は、ウェイトリー家がかつて『ネクロノミコン』を所持していた一族だと知っていました。『ネクロノミコン』に拘るウィルバーに危険を覚えたアーミテッジ教授は、本を手放す訳にも貸し出す訳にもいかないと言います。
ウィルバーは田舎町ダンウィッチに住んでいますが、気付いた時には最終バスを逃していました。そこでナンシーが車で送ることにします。不気味な屋敷に到着すると、ウィルバーは薬物を混入させたお茶をナンシーに飲ませました。思考能力が低下したナンシーは勧められるままウェイトリー家に泊まり、気味の悪い悪夢に魘されます。
H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪のネタバレあらすじ:ウェイトリー家の謎
翌日。連絡が取れなくなったナンシーを心配して、アーミテッジ教授とエリザベスがウェイトリー家を訪ねます。応対に出たウィルバーの祖父老ウェイトリーは、ウィルバーがアーミテッジ教授と『ネクロノミコン』に接触したことを知り狼狽しました。ウィルバーは密かにナンシーに薬物を与え続け、彼女を意のままに操れるようにします。
ウィルバーに従うナンシーを見たアーミテッジ教授達は、近隣住人に聞き込みを始めました。そしてウィルバーが生まれた日のことを知る産科医コリーに話を聞きます。25年前、ウェイトリー家に呼ばれたコリー医師は、瀕死のウィルバーの母ラビニアを目にしたそうです。ラビニアは父親不明の双子を出産しましたが、1人は死産だったと老ウェイトリーから説明を受けました。
しかし死体を見ることは断固として許可されませんでした。ラビニアは出産後精神に異常をきたし、現在も精神病院に隔離されています。アーミテッジ教授は、ウィルバーの目的は古代の霊を召喚することだと推測していました。
昔、地球上には他の次元の生命体が存在していました。『ネクロノミコン』にある通りの詠唱と儀式と生贄を用いることで、彼らを召喚することが出来ます。それが成功すると、人類は滅亡するとされていました。事実ウェイトリー家は代々その儀式に挑んでいますが、誰も成功していません。
一方、エリザベスはコリー医師の病院に勤める看護師コーラに、ウェイトリー家について尋ねていました。コーラは酷く怯えた様子で、早くナンシーを連れ戻した方が良いとアドバイスします。焦ったエリザベスはウェイトリー家に戻り、止めようとする老ウェイトリーを押しのけてナンシーを探しました。階段を駆け上がった彼女は、不気味な部屋のドアを開きます。そこには異形の怪物が閉じ込められており、エリザベスは襲われて死亡してしまいました。
H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪のネタバレあらすじ:ウィルバーの企み
ナンシーはウィルバーに連れられ、屋敷近くの丘の上に来ていました。そこには「悪魔の庭」と呼ばれる祭壇があり、繁殖儀式が行われるのだとウィルバーが説明します。ウィルバーに操られ祭壇に横たわったナンシー。詠唱を始めたウィルバーが服を脱ぐと、肌に紋様が刻まれていました。
ナンシーは幻に魘されながらウィルバーと交わります。その後屋敷に戻った2人は、エリザベスの車を見つけて焦りました。老ウェイトリーは、ウィルバーの企みは成功しないと話し彼を止めようとします。老ウェイトリー自身、儀式に失敗した結果ラビニアを廃人にしてしまったのです。
意志を変えないウィルバーと言い争いになった老ウェイトリーは階段から落ちて死亡してしまいました。町の住人達は、異教徒である老ウェイトリーの埋葬を許さず、遺体をゴミ扱いしてウィルバーを墓地から追い出します。その夜、ウィルバーは図書館に忍び込んで『ネクロノミコン』を盗み出しました。
H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪のネタバレあらすじ:降霊儀式
一方、病院ではラビニアが危篤状態に陥っていました。鳥が不気味に鳴き、ラビニアは苦しい息の下で歌を歌います。駆けつけたアーミテッジ教授はラビニアを看取ると、降霊儀式が行われていると察知し「悪魔の庭」へ急ぎました。ウィルバーは祭壇にナンシーを寝かせ、降霊の儀式に入ります。
ウィルバーが『ネクロノミコン』を詠唱すると、それに応えるように屋敷内の怪物が外に飛び出していきました。怪物は次々と町の住民を殺害していきます。アーミテッジ教授は祭壇に駆けつけると、儀式を中止させるべく強力な対抗呪文を唱えました。
ウィルバーは儀式を続けようとしますが、落雷によって死亡します。そこに恐るべき古代の悪霊、超越神ヨグ=ソトースが現れました。ヨグ=ソトースが煙のように消えると、ナンシーは正気を取り戻します。
H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪の結末:繋がる血脈
ナンシーを救出したアーミテッジ教授は、ウィルバーの企みについて説明しました。ウィルバーとその兄弟は、超越神ヨグ=ソトースと人間の母ラビニアの間に生まれた子どもです。ウィルバーの兄弟は父親に似た異形だったため、死産ということにしてずっと屋敷で匿われていました。
エリザベスや町の人々を襲った怪物は、ウィルバーの兄弟だったのです。ウェイトリー家は古代の霊を召喚しようとして来ましたが、その血も今夜途絶えました。アーミテッジ教授は、もう全て終わったとナンシーに説明し、彼女に優しく肩を貸します。
しかしナンシーの胎内には、既に新しい命が宿っていました。終わらない恐怖を暗示しながら、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「H・P・ラヴクラフトの ダンウィッチの怪」のあらすじと結末でした。
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