ドラゴン・キングダムの紹介:2008年アメリカ映画。香港の大スター、ジャッキーチェンと中国のスター、ジェットリーが初めて共演を果たした映画で、中国の伝説である孫悟空を題材にオリジナルストーリーが展開されます。
監督:ロブ・ミンコフ 出演者:ジェット・リー、ジャッキー・チェン、マイケル・アンガラノ、リュウ・イーフェイほか
映画「ドラゴン・キングダム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ドラゴン・キングダム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ドラゴン・キングダム」解説
この解説記事には映画「ドラゴン・キングダム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ドラゴン・キングダムのネタバレあらすじ:ジェイソンと黄金の棒
アメリカのボストンに住むカンフーが好きな少年、ジェイソンはある質屋で黄金の棒を探します。不良たちに絡まれた彼は質屋の店に行き、店主は不良たちに抵抗をしますが銃で撃たれてしまいます。質屋の主人はジェイソンに黄金の棒を託すと告げます。
ドラゴン・キングダムのネタバレあらすじ:古代中国へ移動
ジェイソンはその後不良から逃げるために屋上から飛び降りると、そこは古代中国でした。王の軍に襲われた彼は酔拳を操る人に助けてもらいます。その人物はルーという人で、彼は黄金の棒である如意棒を持ち主である孫悟空に返すべきだと彼に言います。孫悟空は金の如意棒を使って敵の王と戦いますが、如意棒を奪われ、石に変えられてしまうという出来事が起こったのでした。
ドラゴン・キングダムのネタバレあらすじ:二人の師匠とカンフーを学ぶ
ジェイソンはさっさと元の世界に戻ろうとしますが、ルーは頑なに拒み、如意棒を持ち主に返すまでと言います。彼らは食堂で無銭飲食をして、逃亡をします。ルーはジェイソンが拳法を学びたいというので、仕方なしに教えることにしました。そのころ、王に如意棒を持った人物が現れたと報告が上がります。ルーとジェイソンが一緒にいると、サイレントモンクという人物に如意棒を取られてしまいます。それに怒ったルーはサイレントモンクと争い、如意棒を取り戻します。後になりサイレントモンクはジェイソンを探し求めていた人物だとわかり、一行は行動をともにします。ジェイソンは毎日の苦行に嫌気がさしますが、なんとか修行を続け、カンフーをマスターしていきます。
ドラゴン・キングダムのネタバレあらすじ:ルーの負傷
そして彼らに王の刺客が襲いかかり、ジェイソンはなんとか奮闘しますが、ルーが矢に当たってしまいます。瀕死となったルーのためにジェイソンは王のもとへいきますが、王はジェイソンと刺客を戦わせます。そこにサイレントモンクがやってきて、王に如意棒を取られますが、代わりに処刑されるジェイソンを救います。そこにルーがやってきて、妙薬を飲むと回復したのか彼らの戦闘に加わります。
ドラゴン・キングダムの結末:孫悟空の復活
そして如意棒を奪ったジェイソンは石に固められた孫悟空を解放します。すると今までサイレントモンクだった人が孫悟空に吸収されてしまいます。サイレントモンクは孫悟空の分身だったのです。孫悟空は王に戦いを挑みます。そしてジェイソンは王にとどめの一撃を見舞います。ボストンに戻ったジェイソンは、今までの出来事が夢だと思いますが、襲ってきた不良をカンフーで撃退したため、本物だとわかります。彼は再び質屋の主人と会って如意棒を持ち主に返したことを確認します。
「ドラゴン・キングダム」感想・レビュー
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我らがジャッキー・チェンとジェット・リーの2大カンフー・アクション・スターが、まさかの競演を果たしたという、それがロブ・ミンコフ監督の「ドラゴン・キングダム」だ。
この2人の競演を可能にしたのが、ハリウッド資本というのが不思議な縁のなせる業。内容はへっぽこ異世界ファンタジー。
白人の気弱な少年の主人公が、カンフー映画を貸してくれる中華街の老人と関わっているうちに、異世界に迷い込み、現実世界に戻るため、ひょんなことから手にした如意棒を孫悟空に返さなくてはならないというものだ。ジャッキとリーは、ファンタジーの世界において、少年と目的を同じくする旅の道連れとして登場する。
せっかく大スターが競演するのだから、白人の少年を真ん中に置いた生煮えファンタジーなどで少々がっかりするが、愛嬌のある童顔ながら、シリアスで悲壮感溢れるドラマがお似合いのリーと、テクニカルながらもコミカルな動きでユーモア感覚のあるジャッキーの、互いの持ち味が活きるような話というのもなかなか難しそうだ。監督のロブ・ミンコフは、ディズニー出身で、「ライオン・キング」で知られ、「スチュワート・リトル」や「ホーンテッド・マンション」で実写映画に進出。
どうやらカンフー好きらしい。ファミリー・ピクチャーならそこそこ大丈夫そうだが、歴史的な作品を任せるのに適切かと問われたら、やっぱり不安が先に立ってしまう。こういった、両雄並び立つタイプの作品で、この監督、しかもファンタジーなどというから、どうせろくなものは見られないという諦めをもって劇場に足を運んだが、期待値の低さゆえか、少なくとも作り手がジャッキーなり、リーなりに敬意を持って作っているということと、観客が観たいものをよく理解していること、それだけで好感を持ちましたね。
観客が観たいものといえば、もちろん、ジャキーとリーのカンフー対決だ。
この映画、2人が敵と味方に分かれるような脚本ではないが、ジャッキーの酔拳vsリーの少林寺、それぞれお得意のスタイルで激しいバトルを繰り広げるシーンが用意されている。このシーンの演出も、短いショットを編集でつないで誤魔化す、いんちきアクションとは違う。
不満がないわけではないが、アメリカ映画としては頑張っていると思う。因みに、この対決、最初の脚本にはなかったらしいのだ。
「せっかく2人が競演するというのに闘わないなんてのはダメだ」という監督の意向を受けて変更したらしい。演出の腕前はともかく、観客の求めるものを理解した監督ですね。
だって、これがこの作品の最大唯一の見所ですからね。
もしこれがなければ、いったい何のための映画なのか、ということになってしまうところだった。
ジャッキーチェンとジェットリーの二大カンフースターが共演した作品です。主役は別にいますが、ジャッキーとリーの存在感が強すぎて、主人公がかすんで見えるほどでした。なんといってもジャッキーとリーの数分に渡る一騎打ちのシーンはアクション史に残る傑作です。あれほどスピーディーでワクワクする戦いは、この二人だからこそ成せる業です。この一騎打ちのシーンだけでも一見の価値ありです。