芸術と手術の紹介:1925年オーストリア映画。ピアニスト・オルラックは事故に巻き込まれ、両手を失いかけますが、手術によりなんとか回復へと向かいます。ところが、自分の両手が処刑された殺人者のものだと判明し、彼はその事実に苛まれ、事件に巻き込まれていきます。
監督:ロベルト・ヴィーネ 出演者:コンラート・ファイト (オルラック)、アレクサンドラ・ソリナ (イヴォンヌ)、フリッツ・コルトナー (ネラ)、ホーマ(セラール博士)ほか
映画「芸術と手術」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「芸術と手術」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「芸術と手術」解説
この解説記事には映画「芸術と手術」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
芸術と手術のネタバレあらすじ:起
優れたピアニストであるオルラックは、ある公演の帰りに大規模な列車の事故にあってしまいます。命だけはなんとか助かったものの、商売道具である両手を損傷してしまい、ピアニスト生命の危機に瀕していたのでした。事故現場にも駆けつけた最愛の妻・イヴォンヌは、主治医・セラール博士に、「どうか夫の両手を救ってください」と泣いて頼みます。セラール博士は、彼女の必死の訴えに「なんとかしよう」と答えるのでした。
芸術と手術のネタバレあらすじ:承
手術は無事成功し、経過は順調です。妻との面会も許され、二人は愛情を確かめあいます。しかしそのとき、オルラックは病室の小窓から男の顔が覗き、自分の手を見て笑っているのを目撃します。その顔はオルラックの夢にまで現れました。彼がうなされて飛び起きると、ベッドの上に何者かからの書き置きを見つけます。そこには、手術が上手くいかずに手を移植されたこと。その手は最近処刑になった殺人者・ヴァスツールのものだという事が記されていました。この事実にオルラックは恐れ戦きますが、どんないあがいても自分の両手からは逃れられません。翌日彼は、すっかり包帯のとれた手に結婚指輪をはめ直すのも躊躇われ、この両手では愛する者を触れないと声を殺して嘆きます。
芸術と手術のネタバレあらすじ:転
退院の日がやってきても彼の心は沈んだままです。駆け寄る妻をまともに抱きしめられず、ピアノに触れてもろくな音は出ません。そんな彼の様子をイヴォンヌは心配し、けなげに寄り添ってくれますが、抱き寄せる事が出来ないジレンマにオルラックは苦しみます。彼は悩み、もがき、だんだんと両の手から自分が殺人者に浸食されていくような錯覚に陥ります。ついには博士の元へ行き「どうかこの両手を取り払ってくれ」と泣いて頼みますが、静かになだめられてしまいます。 ある日、オルラックは以前から不仲であった父親の元へと訪れます。しかし、なんとそこにはナイフで刺され、すでに事切れた父親の死体が横たわっていたのでした。急いで警察に駆け込むオルラックでしたが、殺人者・ヴァスツールのシンボルであった「X」マーク付きのナイフと無数の指紋の発見により、彼は自分自身の両手を疑い始めてしまうのでした。一方、駆けつけた警察も混乱します。犯行現場には、すでに処刑されたはずの人間の痕跡があるのですから。
芸術と手術の結末
思わずその場から逃げ出してしまったオルラックは、以前病室で目撃した謎の男が後を付けてきているのに気づきます。彼は自らを処刑されたヴァスツールだと名乗り、義手をちらつかせながら、面倒なことになりたくなければ金を用意しろと脅すのでした。しかし優秀な警官と、関係者の良心の呵責によって、すべての元凶はセラール博士であったことが判明します。謎の男は博士の弟子・ネラだったのです。移植手術も義手も指紋も、すべては偽装でオルラックは博士の作戦通り、追いつめられていっただけなのでした。自分の両手は潔白だと知ったオルラックは、呪縛から解放され、喜びを噛み締めながらイヴォンヌを力強く抱きしめるのでした。
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