地球の頂上の島の紹介:1974年アメリカ映画。イアン・キャメロンの小説『呪われた極北の島』をウォルト・ディズニー・プロダクションが映画化。北極圏で繰り広げられる冒険を描いたファンタジー作品。北極圏で行方不明になった息子ドナルドを探すため、大富豪ロス卿は考古学者アイヴァーソン教授の力を借りることにした。ドナルドは「クジラの墓場」と呼ばれる伝説上の島へ向かったらしい。2人はブリュー船長が操縦する飛行船に乗り込み、「クジラの墓場」を目指して旅に出た。やがてアイヴァーソン教授達は伝説の島にたどり着く。そこには11世紀もの間、外界を遠ざけて生きてきたバイキングの子孫達が住んでいた。
監督:ロバート・スティーヴンソン 出演者:デヴィッド・ハートマン(アイヴァーソン教授)、ドナルド・シンデン(アンソニー・ロス卿)、ジャック・マラン(ブリュー船長)、デヴィッド・グリム(ドナルド・ロス)、アグネタ・エクミール(フレイヤ)ほか
映画「地球の頂上の島」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「地球の頂上の島」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
地球の頂上の島の予告編 動画
映画「地球の頂上の島」解説
この解説記事には映画「地球の頂上の島」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
地球の頂上の島のネタバレあらすじ:息子を探す旅
1907年のイギリス、ロンドン。考古学者アイヴァーソン教授は、大富豪アンソニー・ロス卿に突然呼び出されました。ロス卿は息子ドナルドを探すため、彼が行方不明になった北極圏へ行こうとしています。
厳しい父と衝突の多かったドナルドはある日家出して捕鯨船に乗り、北極探検へ行くと言ってそのまま音信不通になってしまいました。手がかりはドナルドが残した古い新聞と、クジラの骨を掘った地図です。それらから推測するに、ドナルドは伝説上の島「クジラの墓場」へ向かったようでした。
ロス卿は藁にもすがる思いで「クジラの墓場」へ向かうことを決め、その旅にアイヴァーソン教授も同行して欲しいと言い出します。アイヴァーソン教授は探検家としても有名でした。アイヴァーソン教授は難色を示しますが、好奇心には勝てず同行することにします。
2人はまずフランスへ向かい、ロス卿が買い取ったという飛行船を見に行きました。氷に閉ざされた海路を捨て、空から「クジラの墓場」を目指そうというのです。設計士であり操縦士のブリュー船長を旅の仲間に迎えた2人は、翌早朝飛行船で飛び立ちました。
地球の頂上の島のネタバレあらすじ:イヌイットの村
北極を目指す一行は、ドナルドの情報を得るためイヌイットの村を訪ねます。ドナルドはイヌイットの若者オーミアックに案内して貰い、「クジラの墓場」へ向かったそうです。しかし村に戻って来られたのはオーミアック1人でした。
2人は恐ろしい吹雪に遭遇し、必死で逃れた時にはドナルドの姿は消えていたそうです。ロス卿はオーミアックに案内を頼もうとしますが、彼は怯えきっており同行してくれそうもありませんでした。一刻も早くドナルドを探し出したいロス卿は、強引な手段でオーミアックを連れて行くことにします。
オーミアックが飛行船内を見て回っている内に、飛行船を離陸させてしまったのです。オーミアックが事態に気付いた時には、既に飛行船は飛び降りられない高さまで上昇していました。アイヴァーソン教授は気の毒がりますが、気を取り直して旅を続けることにします。
地球の頂上の島のネタバレあらすじ:クジラの墓場
オーミアックの反応を窺いつつ、彼が怯える方向に進んでいく飛行船。すると眼下の海を、あらゆる種類のクジラが大量に泳いでいました。彼らは皆同じ方向へ向かっています。クジラに導かれるように進むと、氷の上に浮かぶ雲の塊を見つけました。厚い雲に突っ込んだ飛行船は雷と激しい風に煽られ、コントロールを失います。
そしてアイヴァーソン教授、ロス卿、オーミアックが飛行船の外に投げ出されました。飛行船はブリュー船長を乗せたまま、激しい風の渦に飲み込まれていきます。アイヴァーソン教授達はブリュー船長を案じつつ、風から身を守る場所を探して歩き出しました。
やがて雲が晴れて視界が開けると、突然植物の緑が目に飛び込んで来ます。どうやら火山のおかげで気候が温暖に保たれており、人や動物も暮らしているようでした。驚き興奮するアイヴァーソン教授達でしたが、突如現れた男達に拘束されてしまいます。
服装や言語から推測するに、男達はバイキングのようです。彼らは初期のバイキングの子孫で、11世紀にも渡ってこの島で暮らしていました。彼らはこの島を聖なる楽園アストラガードと呼んでいます。外界と一切の交流を経っていたバイキング達は、大昔のまま変わらぬ生活様式で生きていました。
地球の頂上の島のネタバレあらすじ:聖なる楽園アストラガード
バイキング達はアイヴァーソン教授らを、アストラガードを奪いに来た侵略者だと勘違いしているようです。アイヴァーソン教授が何とかバイキングの言葉でドナルドのことを伝えると、彼が無事生きていると分かりました。現在はドナルドを見つけた農家で元気に暮らしているそうです。
バイキング達はアイヴァーソン教授らを村へ連行し、ドナルドが暮らす農家へ連れて行ってくれました。しかしドナルドの姿はありません。農家の娘フレイヤによると、ドナルドは侵略者を手引きした罪人として司祭のゴーダイに連れ去られてしまったそうです。
アイヴァーソン教授達は囚人として、神殿の長老会議に出席させられました。そこでロス親子は再会を果たしますが、喜びも束の間、ゴーダイによって死刑を宣告されてしまいます。火炙りにされかけた時、ドナルドと恋仲になっていたフレイヤの協力で山に逃げ込んだアイヴァーソン教授達。
翌日、ロス親子は素直な気持ちを伝え合って仲直りしました。そこへゴーダイ率いる武装したバイキングが現れます。アイヴァーソン教授達は山を登り、クジラの入江と呼ばれる場所を目指しました。そこは海の怪物に守られているという伝説があり、バイキング達も寄り付かない場所なのだそうです。
地球の頂上の島の結末:解放の条件
入江はクジラが死にに来る場所で、クジラの骨が山を成していました。何とか入江に降りたアイヴァーソン教授らは、流氷をボートにして脱出を図ります。しかし現れたシャチに襲われ、絶体絶命のピンチに陥りました。
すると発砲音が響き渡り、飛行船と共に入江に潜んでいたブリュー船長が現れます。久しぶりに合流した仲間はボロボロになってしまった飛行船から重い物を全て外し、風の流れに乗って脱出することにしました。
飛行船は順調に上昇し移動を開始しましたが、風向きが変わりアストラガードへ吹き戻されてしまいます。ゴーダイが放った火矢が原因で、飛行船は爆発炎上してしまいました。ゴーダイは燃え盛る飛行船の下敷きになります。間一髪で飛行船から飛び降りたアイヴァーソン教授達は、再びバイキングに捕まって長老会議に出席させられました。
長老達はゴーダイの攻撃性に落ち度があったと認め、アイヴァーソン教授達の解放を決定します。しかしそれにはふたつの条件が課せられました。ひとつはアストラガードのことを誰にも語らないこと。もうひとつは、保証として人質を1人残すことでした。
アイヴァーソン教授は、考古学者として願ってもないことだと人質に立候補します。後悔も未練も無い彼の表情に、ロス卿は納得して握手を交わしました。犬ぞりと共に去っていくロス卿達をアイヴァーソン教授が見送り、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「地球の頂上の島」のあらすじと結末でした。
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