ロング・グッドバイの紹介:1973年アメリカ映画。レイモンド・チャンドラーの小説『長いお別れ』を映画化。思惑と裏切りが交錯するミステリー作品。私立探偵マーロウは、友人テリーの頼みで逃亡を手伝うことになった。ところがテリーの妻シルビアの遺体が発見され、容疑をかけられたテリーは自殺してしまう。一方、マーロウのもとには疾走中の夫を探して欲しいという別件の依頼が舞い込んだ。捜査を続けるマーロウの前に、真の黒幕が姿を現す。
監督:ロバート・アルトマン 出演者:エリオット・グールド(フィリップ・マーロウ)、ニーナ・ヴァン・パラント(アイリーン・ウェイド)、スターリング・ヘイドン(ロジャー・ウェイド)、ジム・バウトン(テリー・レノックス)、ヘンリー・ギブソン(ドクター・ヴァーリンジャー)ほか
映画「ロング・グッドバイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ロング・グッドバイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ロング・グッドバイの予告編 動画
映画「ロング・グッドバイ」解説
この解説記事には映画「ロング・グッドバイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ロング・グッドバイのネタバレあらすじ:起・友人の死
舞台はアメリカ。私立探偵フィリップ・マーロウは、朝3時に飼い猫によって起こされました。餌を買ってアパートに戻って来ると、友人テリー・レノックスが慌てた様子でやって来ます。妻シルビアと喧嘩をした彼は、ある男に追われていると説明しました。そして大至急ティフアナまで逃げたいと言い出します。マーロウは承諾し、彼を夜明けの国境付近まで送ってやりました。
帰宅すると2人組の刑事に囲まれ、強引に連行されてしまいます。尋問を担当するファーマー警部から、テリーにはシルビアを殺害して逃げた容疑がかけられており、マーロウは共犯を疑われていると聞かされました。しかしテリーと長い付き合いのマーロウは信じず、黙秘を貫きます。
3日後、マーロウは唐突に釈放されました。テリーが自殺したらしく、マーロウの容疑が晴れたのです。テリーは自白した遺書を残してメキシコの田舎町オタトクランで死亡。遺体は現地で葬られましたが、マーロウは他殺を疑います。
ロング・グッドバイのネタバレあらすじ:承・新しい依頼人
テリーの件を調べるマーロウのもとに、新たに人探しの依頼が舞い込みました。依頼人はアイリーン・ウェイド。疾走中の夫ロジャーを探して欲しいという内容でした。レノックス夫妻とは家が近く、面識もあるようです。ロジャーはかつて人気作家でしたが、現在は書けなくなり酒に溺れる毎日でした。1週間前に出て行ったきり戻らないと話すアイリーンは、ロジャーが残した「ドクターV 助けてくれ お願いだ」というメモを見せます。マーロウはドクター・ヴァーリンジャーの病院へ聞き込みに行ってみますが、すげなく追い返されてしまいました。
そこで夜を待って病院に侵入し、ヴァーリンジャーと口論をしているロジャーを発見します。どうやらロジャーが治療費の支払いを拒んでいるようでした。マーロウはそのままロジャーを連れてアイリーンの待つ家へ向かいます。仕事を終えたマーロウが帰宅すると、ギャングのマーティ・アウグスティンとその手下に囲まれてしまいました。マーロウの部屋に押し入り、何かを探し始める彼ら。マーロウが説明を求めると、アウグスティンは「おれの金を取ったろ」と詰め寄ります。アウグスティンはテリーのボスでした。アウグスティンの金をテリーがメキシコに運ぶはずでしたが、鞄ごと無くなってしまったそうです。アウグスティンはテリーが犯人だと睨んでおり、マーロウはその共犯の容疑を掛けられているのです。
マーロウを疑ったまま、見張りを残して部屋を出て行ったアウグスティン。マーロウは見張りの目を誤魔化し、アウグスティン達の車を尾行します。彼らが入って行ったのはウェイド家でした。アイリーンとアウグスティンが何か話しています。
翌日、ウェイド家を訪ねたマーロウはロジャーと酒を呑みながらアウグスティンについて尋ねました。アウグスティンはロジャーに借金があるそうです。マーロウが帰宅すると、テリーから手紙が届いていました。「フィル許してくれ テリー」という内容と共に、紙幣が1枚同封されています。マーロウはテリーが死亡したオタトクランへ向かいました。テリーの事件を扱った警察官と検死官によると、テリーは町のホテルに入り1時間後に自殺したそうです。
ロング・グッドバイのネタバレあらすじ:転・深まる謎
ロジャーは友人を呼んでパーティーを開いていました。そこへ現れたのはヴァーリンジャーです。彼は泥酔しているロジャーに向かって治療費を払えと言います。そして自分を侮辱するロジャーの頬を思い切り殴りました。ロジャーはすっかり黙ってしまい、パーティーはお開きになります。
ロジャーが眠ってしまったため、マーロウはアイリーンと夕食の席に着きました。アウグスティンについて聞いてみると、アイリーンはロジャーが借金をしているのだと話します。真逆の答えを不思議に思うマーロウ。ふとアイリーンが窓の外を見ると、ロジャーが泥酔したまま海に入ろうとしています。マーロウとアイリーンは慌てて連れ戻そうとしますが、ロジャーは溺死してしまいました。自殺の動機を問い質すと、アイリーンは震えながら、シルビアを殺害したのは恐らくロジャーだと答えます。ロジャーとシルビアは不倫関係にありました。しかしこの事実を伝えても警察はテリーを犯人だと決めつけています。
腹を立てたマーロウは、アウグスティンの事務所へ向かいました。しかし金の在り処など知らないマーロウは、ナイフで切られそうになります。ところが手下の1人に呼ばれた後、アウグスティンはマーロウに笑顔を向けました。このタイミングで彼の金が突然戻って来たのです。マーロウが外へ出ると、車を運転しているアイリーンを見つけました。走り去る車を走って追いかけたマーロウは、不注意で別の車にはねられ意識を失ってしまいます。病院で目を覚ました彼は、状況を理解しすぐにアイリーンを訪ねますが、彼女は既に引っ越していました。
ロング・グッドバイの結末:裏切り
マーロウは再びオタトクランへ向かいました。検視官に賄賂を渡し、真実を知ります。テリーの死は偽装されたものでした。彼は今田舎の廃屋に住んでいるそうです。廃屋を訪ねたマーロウの前に、ハンモックに揺られるテリーが現れました。実は不倫関係にあったのはロジャーとシルビアではなく、テリーとアイリーンだったのです。
関係がばれたテリーは、シルビアを黙らせるために彼女を殴り殺しました。妻を殺害したことも友人を利用したことも、全て仕方のないことだと言うテリー。「君みたいな負け犬には分からん」と笑うテリーを、マーロウは躊躇うことなく射殺しました。
廃屋を出たマーロウは、来た道を歩いて戻ります。すると向こう側から、車を運転するアイリーンがやって来ました。彼女は驚いて車を止めますが、マーロウは無視してすれ違います。アイリーンが急いで廃屋へ向かい、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画ロング・グッドバイのあらすじと結末でした。
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