その女を殺せの紹介:1952年アメリカ映画。リチャード・フライシャー監督によるB級映画の傑作。上映時間はわずか71分だが、サスペンスたっぷりの仕上がりとなっている。1990年に「カナディアン・エクスプレス」としてリメイクされた。
監督:リチャード・フライシャー 出演:チャールズ・マックグロー(ウォルター・ブラウン)、マリー・ウィンザー(ニール夫人)、ジャクリーン・ホワイト(アン・シンクレア)、ゴードン・ゲバート(トニー・シンクレア)、ドン・ベドー(ガス・フォーブス)
映画「その女を殺せ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「その女を殺せ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「その女を殺せ」解説
この解説記事には映画「その女を殺せ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
その女を殺せのネタバレあらすじ:起
ロサンゼルスから来た列車がシカゴ駅に到着。ウォルターとガスという2人の男が降り立ちます。彼らは刑事。マフィアに関する裁判が行われるため、その証人をロスまで護送するのです。その証人は殺されたマフィアのボスであるフランキー・ニールの未亡人。証言するばかりでなく、ワイロの記録帳を地方検事に提出するつもりです。
タクシーで彼女をかくまっている安アパートまで行くと、ウォルターたちは早速外へ連れ出そうとします。帰りの列車はあと1時間足らずで発車するため、急ぐ必要がありました。初めて会ったニール夫人はいかにもマフィアの世界にいたらしい嫌な女で、ウォルターはひと目見て嫌悪感を抱きます。ガスが先頭に立って2階の部屋から入り口まで階段を降りていくと、ひとりの男が待ち構えていました。その手には拳銃が――。ガスは慌てて銃を抜こうとしたものの、相手の拳銃が先に火を噴き、撃たれてしまいます。ウォルターが男の跡を追いますが、相手は車で逃走。ガスは即死でした。
その女を殺せのネタバレあらすじ:承
ニール夫人の護衛が優先なので、ウォルターは現場での詳しい聞き込みもできません。後の処理は地元の警察に任せて、ふたりは待たせてあったタクシーに乗り込み、駅へ。夫人がガスの死についても悪態をつくため、彼と6年間もコンビを組んでいたウォルターの心中は怒りで煮えたぎります。それでも任務は任務。警戒は怠らず、念のために別々に列車に乗り込みます。どうやらマフィアの殺し屋はニール夫人の顔を知らないらしく、ウォルターを尾行してきました。尾行をかわしてウォルターは列車内に入りますが、ケンプという殺し屋が乗務員を買収し、すぐに「荷物を探している」といってウォルターのコンパートメントを訪問。隣の部屋に夫人がいるのですが、ケンプは乗務員がそばにいるためにそこまで確認せず、とりあえず引き上げます。
その女を殺せのネタバレあらすじ:転
ウォルターは列車内を偵察。食堂車に入った時、アン・シンクレアという女性から水をかけられ、それをきっかけに話をするようになります。彼女は子連れで、いかにも清楚な雰囲気。しかしゆっくり話す余裕もなく、ケンプが再びウォルターの部屋に向かっていくのを追いかけます。幸い、ニール夫人はトイレに隠れていて難を逃れましたが、またいつ襲われるか分かりません。さらに殺し屋はひとりではなく、もうひとりいました。彼はヨストと名乗り、ウォルターを買収しようとします。しかしウォルターは拒否。ヨストは脅し文句を並べて引きあげます。
その女を殺せの結末
それからも殺し屋たちは執拗にウォルターの隙をうかがいますが、彼は用心を怠りません。やがてウォルターはアンとしばしば顔を合わせるようになり、その息子のトニーとも仲良くなります。その様子を見ていたケンプはアンこそニール夫人だと考え、その跡を追いかけますが、ウォルターは彼を縛り上げ、鉄道警察官に引き渡します。ところがヨストと交替で乗り込んできたデンゼルという殺し屋がケンプを救出。鉄道警察官を気絶させて閉じ込めます。乗務員に異変を知らされたウォルターはアンに事情を打ち明けますが、驚いたことに実はアンこそが本当のニールの未亡人でした。ウォルターが警護してきた女性は警察官で、敵の目を欺くための囮に過ぎなかったのです。
そのころデンゼルとケンプはウォルターの個室へ。ニール夫人に化けた女性警官を殺した後、その正体に気づきます。2人はアンのコンパートメントへ。ちょうどウォルターは乗務員に呼ばれて不在でした。デンゼルはアンからワイロの記録帳を奪おうとしますが、駆けつけたウォルターによって射殺。アンは救われます。またケンプも列車から飛び降りるものの、やってきたパトロールカーによって逮捕。こうして列車は無事にロスに到着し、アンはウォルターとともに裁判所へ歩いていくのです。
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